個人的な感想です。

マンガ・アニメの感想を書いていきます。『進撃の巨人』『ぼくらのへんたい』『ランドリオール』など。

おがきちかさんの「ランドリオール」・「プチリオール 砂の人々」を読みました。

 
 

 
コミックゼロサム3月号でおがきちかさんの「Landreaall」(ランドリオール)・「プチリオール 砂の人々」を読みました!



今月のランドリは7ページ。単行本作業によるのでしょうね。2月25日発売の29巻限定版はランドリ初のアニメ化、オリジナルアニメDVDがついています。そのトレイラーもこちらの方で見ることが出来ます。
 


 


今回のプチリオールは29巻のラストに収録になるのでしょうか。大きく二つの場面になっています。



前半はクエンティンとユージェニが、海岸に到達しています。ユージェニは髪に「七粒の涙をこぼす羽根」の髪飾りをしています。これは母・リルアーナ王女の忘れ形見なのですが、もともとはクエンティンの祖母が持っていたものをクエンティンがユージェニの母リルアーナに贈り、戦争の後、奴隷に売られていたクエンティンを取り戻すために曲鳴の手に渡っていたものを、クエンティンが取り返したもの。それ以外はもう王女らしいものは身につけていません。そしてその腕に抱かれているクエンティンはやせ衰え、老いさらばえた体。海のかなたの低い雲から漏れいずる日の光の柱を背景に。美しいなあと囁くユージェニ。海岸で、クエンティンの魂に封じられていたさまよい女たちが魂を解放されて海に還って行く。幻想的な美しい風景の中で、クエンティンは「不思議だ 左目の方がよく見えるよ」と言います。



圧倒的な美しさ。女王となりその玉階としてアトルニアの権力を握る野望が崩れた二人の、平安。安堵したような表情のユージェニの左目に涙。クエンティンが長らえられるのかどうか、見たところはわかりません。



いま手元にランドリ世界の地図がないのではっきりはわかりませんが、海はマリオンの住むハイ=ネフィ王国にしかなかったはず。ここでマリオンが出て来るのではないかと私は思っていたのですが、さてどうなることか。この風景に大ゴマ見開きで4ページです。



もうひとつの風景は、黒虹。DXに贈られた沙竜のおかげで里として成り立った元奴隷商人の基地・黒虹は、奴隷商カリファを長老として里として活気のある様を見せています。多くの流民が流れ込んで、新たに部族が形成されているのですね。



それで今日はDXを守護天使と讃える像がお目見えするということで除幕式が行われますが、あけてみると大笑いの像。レイカーベアの巨大さが笑えます。



というわけで今月は単行本のテールピース的な感じでした。



2月25日発売の29巻に続いて28日に発売になるゼロサム4月号では、ランドリが表紙になる!そうです。



こちらも楽しみに待ちたいと思います。
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コミックゼロサム2月号でおがきちかさんの「Landreaall ランドリオール」第164話「空から鈴の音」を読みました。





コミックゼロサム2月号でおがきちかさんの「Landreaall ランドリオール」第164話「空から鈴の音」を読みました。

更新が月一回だけに近くなって来ていますが、なんとかランドリの感想だけは書こうと思っています。今読み続けている作品では、一番長く読んでいます。連載期間だけでいえば「OnePiece」や「キングダム」も長大巨編ですが、私が読み始めてからはまだ数年なので、ランドリとの付き合いが一番長いなあと思います。私が読み始めたのは11巻、リドの故郷のウルファネア編のあたりからでした。

年末になって忙しいのですが、マンガの感想を書くというのも一つの気分転換になりますし、ランドリは何度か読み解かないと上手くストーリーが呑み込めないところもありますので、謎解き的な楽しみもある、という感じです。

今回の扉絵はフィルとティティ。変顔?というほどではないですが、キュートな二人です。(笑)

クレッサールでの出来事はそれぞれに色々な影響を与えたわけですが、まずは六甲とイオンの話から。DXとリドの部屋で畳の上で話をしているDXとイオン、リドと五十四さんですが、最近六甲の姿を見ない、という話になります。実はいるのですが、落ち込み状態で「ボンヤリしている」のですね。というのは、イオンがDXとディアとともにクエンティン(とユージェニ)と戦っていたとき、ディアのマインド攻撃でクエンティンが逆襲しようとしたのにイオンが棒でクエンティンを攻撃しようとしたのですが、このままではイオンがクエンティンを殺してしまうと思ったDXが六甲に命じて、短刀(小狐丸?)を投げてイオンの腕に突き刺して止めた、ということがあったわけです。(27巻152話)

いかに危急の事態とはいえイオンを傷付けてしまったことを六甲はとても責任を感じていて、ほとんどを姿を消さんばかりになっていたんですね。ここでリドと五十四さんの前で改めてもう傷は残ってないとか言い仕事をしたとか言ってもらって少しましになったようです。

「六甲はまた人らしくなりましたね」と五十四さんにいわれた六甲ですが、DXは美人に言い寄られた(灰撒の兄妹の妹、砂の戦士ティレクですね)という話をし、クレッサールはその辺オープンだよな、という話になります。

このあたり、六甲はきっと凄く気にしているだろうなと思ってはいたのですがそう言うエピソードがなく、アトルニアの王城に戻って来て、「任務」が一通り終わったと思ってから、そう言う感じになったようです。一つひとつエピソードをきれいに掃除して行く感じですが、ここはある意味今回のサブタイトルにもなっている「鈴の緒を結んでおけ」という言葉の前振りだった、という感じです。

バハルたちと別れてクレッサールから帰るとき、DXはバハルにいわれた「鈴の緒を結んでおけ」という言葉の意味を尋ねた。そのことを思い出していると、フィルとティティが登場。また、リドと五十四さんはウルファネアの大使と同行する用事が出来て、その場を退場し、フィルたちと入れ替わることになります。

前回163話でDX、イオン、ライナス、ルーディー、フィルは大老とディアに塔に呼ばれ、大老のそばで働くことになったロビンとともに、大老からロビンの両親についての話を聞きました。もとはといえばライナスの作戦でロビンを大老に会わせようとしていたのがベネディクト卿たちによって阻まれ、ライナスとルーディーはクレッサールに飛ばされたものの、フィルの男気と機転でついにロビンを大老に会わせることが出来た、というのが27巻150話から28巻153話にかけて、クレッサール編の展開とともに語られたことでした。そのときの大老はほとんど正常に状況を認識出来ない状態だったのですが、ロビンのことだけはわかり、そのことによってクエンティンの呪いをとくことが出来た。フィルは、その状態のことをDXたちに話しに来たわけです。

「クラウスター(ディア)がいないときの大老にあったことあるか?」と問うフィルに、DXはクエンティンとユージェニと一緒にあったことがある、と言います。これは21巻113話のことですね。この時にはよくわかりませんでしたが、今読み返してみると大老はクエンティンが礼を述べたり戴冠式の話をしたりしているのに全く反応していないのですね。これは気がつきませんでした。DXも今それに気がついたようです。ディアが現れてから大老は話し始めた。「クラウスターの天恵ってすごいな。あの大老をまともにしちまうんだから」というフィルに、「そこまでしてでも誰よりも王様にふさわしい人ってことなんだね。本来以上に能力を上げるわけじゃないんだろう?」とティティ。ここで一同がディアと大老との関係についてその重大性を認識した、という感じです。

それに対し、「ディアは大老といつも一緒にいるために王妃になるんだね」というイオン。大老・ファラオン卿を国王として必要とする国のため、大老のため、そのために王妃になるディア。その運命を受け入れているディアですが、イオンはそれに割り切れないものを感じているのですね。まあそれはDXがディアのことを好きだと言うことを知っているからなのですが。

ここから大老とディアの関係、そして塔に1人だけ自由に出入り出来るレイ・サークとの関係について、フィルが突っ込み始めます。みんなDXがディアに失恋したということは知ってますから、火矢の塔に出入りしているレイ・サークとディアは「付き合っている」とDX、イオン、フィルは思っている。ティティだけはそんな単純なことだとは思ってないようですが、DXとイオンは基本的に考え方がシンプルだし、フィルは貴族階級的には世間が狭いし、ライナスと二人でレイとディアがデート?しているところを目撃しています(17巻90話)から、そう思っている。

クラウスターはチューターと付き合うために、人質となってて逃げられないんじゃないか、と言うフィルにティティはまさか、と言いますが、超高位貴族(なにしろ真祖=ロイヤルクラシックの一族)であるディアはレイと付き合える身分じゃない。だから、二人の仲を許す代わりにファラオン卿が王を務められるように天恵を使わされているのでは、とフィルはいうわけです。

それに対しDXは、ディアは立場を強要されているとは思えない、と言います。まあそんなタイプでないことはDXはよく知ってますし、また決意、というかある種思い詰めている言葉も聞いていますから。「大老に恩があると言ってた」というDX。20巻109話での会話ですね。

さらに突っ込むフィルは、「普通に考えたら逃げられないのは相談役(レイ)の方か」と言います。つまりディアがレイにそばにいることを強要しているのでは、ということになるわけですね。「付き合ってるんだよね?(ディアが一方的に求めてるんではなくて)」というイオンに「それって確かなのかな」と長い目でいうティティ。ティティはその前提自体が間違ってると思っているようです。しかし気づかないフィルは「だろ?王と王妃だぞ逆らえるわけねー」と自分に同意したものと見なします。「相談役を手元に置いとくくらいは安いもんじゃねーの、クラウスターがそれで喜んで王妃やるなら」となんだかどんどん下世話な方向に持って行くフィルですが、ティティは慌てて否定しようとするものの、DXはディアの109話での言葉を思い出し、「ディアは好きな人にそんなことを望む人じゃない」と言います。「結婚するのにそばにいてほしい何て言えない」とか「想像もしなかった、誰かを特別と思うとか」という言葉、DXはレイのことを言っているのかと思っていたようです。

フィルは結局、ディアがファラオン卿を天恵で支える代わり、というかご褒美としてレイと一緒にいられるようにしている、という仮説にこだわっているわけですが、イオンは「そんなあ」というし、ティティは「そんなわけないんだよ〜!」というのですが、思い詰めてしまったDXは窓から抜け出して階上のレイの部屋を訪問するのでした。

この展開、言葉のやり取りから読み取るのはちょっと難しいのですが、最終的なDXの行動がウケます。そこにやって来たライナスとルーディ—は、前回でのディアの反応を見てますから、もうちょっと妥当な見解を持っているのではないかと思います。

レイを訪問したDXですが、レイはディアと付き合っているという前提で、そんなパワーポリティクスみたいな付き合い方で納得してるのかとレイに尋ねます。レイはDXに、「もしかして僕が脅されてるかなにかであの二人にこき使われてるんじゃないかって心配してくれてるのかい?」となんだかムフフ顔。「騎士道って病いは根が深いね!」と嬉しそうなレイにうつむくDXです。

ここからレイはディアとの関係を語り始めます。「僕とディアは10年近く一緒にファラオン卿に天恵の制御を教わってるんだよ。僕はディアを怖がってもいい数少ない人間。天恵の相性のせいでね。」と。

天恵の制御。このあたりのことは今本が手元にないので確認出来ませんが、スピンドル事件の後ディアがレイを見舞った時の会話でヒント的に語られていました。でも私は制御というより天恵を伸ばす訓練をしているのかと思ってましたが。(そんなニュアンスだったと思います)

「僕らの天恵は普通の人を壊したりは出来ない」というレイ。

!!

普通の人じゃない人なら壊したり出来るんでしょうか。確かにディアがクエンティンを追いつめたときはかなりそれに近い感じになってましたが。またレイもそんな力があるとは。ファラオン卿も同系統の力なのでしょうか。このへん、それぞれの天恵の詳細はよくわからないところがまだありますね。

「だけどあの子はずっと昔から周りの人間に天恵を誤解されて怯えられるのに傷ついて来た」

・・・・・・

なるほど。ディアが恐れているのは、自分の天恵を恐れられることだったんですね。

「君はディアが怖くないんだろう?でもディアがそれを信じるのは難しい。ディアは大老の下でやっと平穏を手に入れたんだ。王様以上の守り手がいるかい?」というレイ。

ディアの本質は、人に恐れられる、異形としての天恵の持ち主で、そのことにディアは傷ついて来た、いつか本当に人を壊してしまうかもしれない、という恐れを強く持っていることは、クエンティンを倒した時にうわごとのように口走った内容にも現れていました。大老はディアを守ってくれた、ということは、その天恵を制御出来ることを教えてくれた、ということも含まれているのでしょう。

このことに関するディアの思いは28巻157話で語られていました。「私は天恵を怒りにまかせて人を傷付けるために使おうとした。私の天恵は隠しておかないともしも制御出来なくなったら取り返しがつかない。跳ね返った呪いと私の天恵がクエンティンの中でぶつかりあって消えたのを感じたわ。彼が正気でいるのは運が良かっただけ」呪いがあまりに強かったから、強力なディアの天恵とでもちょうど相殺されるくらいだったと言うことなのでしょう。「一瞬、本気で人を壊そうとした」

そのディアの暗く闇に落ち込んで行くような思いを、DXが再び輝かしい光の元へ、「クエンティンと戦って勝って救った」と、勝利と救済の物語へと描き直したわけです。

レイは、「ディアが、DXはディアが怖くないということを信じるのは難しい」と言いますが、大老は前話で「メイアンディアには一人でも多くの味方が必要だ。立場ではなく天恵が彼女を孤独にする。DX・ルッカフォート。待っているよ。」といいました。この「待っているよ」という言葉の意味があまりに謎めいていて解釈に困るのですが、少なくとも大老は期待しているし、おそらくはディアもそう言う思いは持っているのだろうと思います。

ディアの天恵をめぐるトラブルがこんなに根が深いとはちょっと思いませんでしたが、「うら若い女性が殺傷能力の高い能力を持っているということを悩んでいる」というのは、最近の魔法少女系とか最終兵器彼女的な強さとは真逆の設定なので、逆に私などには想像しにくかった気がします。でもまあ、優秀な女性が敬遠されがちだとか、そういうことのある意味での延長線上に、ディアの悩みもあるんだと思えば、理解出来ないことはありませんが。

まあDXならそんなの軽々と乗り越える感じがしますけどね!

まあそれをディアがどう思うかはまた別の問題ですが。

話はずれましたが、レイのその言葉に、DXは「レイ先輩はそれでいいんですか?」と尋ねます。これは、「王様がディアの守り手になる=好きな人が自分以外の人の妻になる」ことをレイは受け入れるのか、ということでしょうね。

ここでのレイがなんだかカッコイイと言うか、本当の意味でDXを諭すイケメンというか、になってるわけですが、「君は何故そんなことを僕に聞くんだい」と言います。「ディアが(好きな人だから)」と言いかけたDXに、レイは「僕がどう言ったってそれを自分の気持ちだと思い込むことは出来ないぞ。僕が何を考えようと君には関係ない。」と。ディアが好きな(とDXが思い込んでる)レイがそのことについてどう思っているかがわかれば自分がそのことをどう考えればいいかもわかるのではないか、とDXは思ったみたいですね。

でもレイにそういわれて、DXは「そうですよね」と言ってまた窓から消える。でも部屋には戻らず、屋上に行ったみたいです。

いやあ、ここ、レイがイケメン過ぎてどうしようかと思います。まあ大人なだけかもしれませんが。

DXも、自分がディアがファラオン卿の妃になることについて割り切れない思いを持っているのをレイの感想を聞くことによって折り合いをつけようとしていたことに気がついて、「俺何やってんだろ」と思います。久々に恋に悩む少年になってます。

屋上にひっくり返って色々なことを反芻するDXですが、ある重大なことに気づきます。レイは今、「僕らは10年以上ファラオン卿に・・」と言いました。でも109話でディアは、「決心が固まった今になって「出会うなんて」」と言ってたことに。

「出会う」?

「・・・誰の話だ?」

笑・笑・笑。

ここでバハルの言葉の意味が語られます。「鈴の緒を結んでおけというのは、脈がありそうならその子から気を逸らすなってことさ!」と。

「脈がありそうなら」。

柱で編集さんが「鈍感!」と叫んでます。(笑)

・・・いやあ、DX、ここまでニブいとは思っていませんでした。(笑)

まあよかったよかった?です。(笑)

しかしまあ、相思相愛ということになったら、余計話が面倒、という面もありますけどね。(笑)

ライナスとルーディーを出したのはそこでそう言う結論を出そうということかもしれませんが、さて次回はどういう展開になるのか。

楽しみでなりません。(笑)

しかしまあ、DXは、騎士の鏡である父・ルッカフォート将軍が、オソロシイ傭兵の母・ファレルにべた惚れで、何かと言うとすぐ吊るされて育って来たわけですから、ディアの天恵くらい、そのバリエーションみたいに思うだけかもしれないなあと思いました。

ここでもDXの両親が、彼らの力になるような気がしてきました。

まあ当面、DXはディアの騎士であることしか出来ないだろうなあとは思いますけどね。

はてさて、今後の展開がさらに楽しみになってきました。

コミックゼロサム1月号でおがきちかさんの「Landreaall(ランドリオール)」第163話「Cock Robin」を読みました。



コミックゼロサム1月号でおがきちかさんの「Landreaall(ランドリオール)」第163話「Cock Robin」を読みました。

クレッサールから帰って来て日常に復帰した話が続いていて、でもまだ色々な後始末がついてない感じで、今月はロビンの件の後片付けということでしょうか。でもこの件は色々と進展が難しいよなあと思っていたら、思いがけずハッピーエンド的な展開になっていて、びっくりしました。

以下は例によって内容に触れながら感想を書いています。どうぞお先にゼロサム本誌をお読みください。 

扉絵はイケメンのDX。ページをめくると、ディアがルーディーの宝飾を手にファラオン卿に見せて喜んでいる場面。何かと思いきや、そこにいるのは恭しく礼をしているルーディー・ライナスだけでなく、フィル・ティティ・DX・イオンと総出演。あれあれと思っていたら、「ごく私的な茶会」なんですと。

ライナスとルーディーがロビンの件に巻き込まれてクレッサールに飛ばされた話をファラオン卿自身が始めたかと思うと、ページをめくるとフィルがファラオン卿を助けた話。そしてそこになんとロビン自身がいて、ファラオン卿の口から「孫」と言われている。

なんだなんだ、なんだかもう全部解決したじゃないか、と思ってしまいましたが、何とファラオン卿はさらにロビンの両親の話を始めます。

ファラオン卿の息子でロビンの父親であるローハルト卿は、クレッサールの戦場で呪いを受けて愛する人を忘れてしまうということ。ここまでは既に語られていましたが、恋人のイゼットを忘れてしまったローハルトの苦しみに、ファラオン卿は記憶に働きかける自分の天恵を使ったのだというのです。しかしファラオン卿は天恵を使い過ぎて寝込んでしまった。

一方自分がしてしまったことを知ったローハルトは絶望して身を投げて死ぬ。寝込んでいたファラオン卿は覚醒してから息子の死を知り、せめてもとイゼットの行方を探したのですね。しかしそれが反王政派にばれ、彼女に追っ手がかかり、ロビンを産み落としたイゼットは、ロビンをエカリープに置いたまま姿を眩ましてしまった。

この、イゼットが既に死んでいるということは、22巻でライナスがクレッサールに飛ばされる直前にDXに耳打ちしていました。ファラオン卿はイゼットの死を知りますがその子が生きているという希望を捨てきれないでいた。でも天恵切れから「ままならない=周りのことが認識出来ない」時間が増えてしまい、ディアの天恵の助力でようやく正常でいられるようになった。

ファラオン卿はこのことをたとえ後の世でも真実が明らかになるように、リルアーナ姫からローハルト卿に届いた手紙を本棚に戻して誰かが見つけることに期待したのだが、メイアンディアがファラオン卿が予想したより遥かに早くそれを発見して真実が明らかになり、そしてDXたちの努力とルーディー・ライナスのお膳立て、そしてフィルの男気の援助の結果、ファラオン卿はロビンと会うことが出来た、というわけです。

ここでファラオン卿、ローハルト卿、イゼット、ロビンをめぐる物語は大団円を迎えたと言っていいですね。めでたしめでたしです。

ファラオン卿はロビンを正式に領地に呼びたいけれども、ローハルト卿の母の血筋から真祖=ロイヤルクラッシックの血を引くロビンの存在は公にするとファラオン卿にもロビン自身にも危険があるため、とりあえず火矢の塔でメッセンジャーボーイとしてファラオン卿の近くで過ごせることになった、と。まだまだロビンの身分をめぐってはいろいろありそうですが、とりあえずはこれで一件落着ということでしょうね。

しかし、レイが火矢の塔に出入りする理由は謎として残され、また大老はDXに「立場でなく天恵がメイアンディアを孤独にする。DX・ルッカフォート、待っているよ」という。

レイがファラオン卿の側近として詰める理由と、「ディアが天恵のために孤独である」ということはもちろん関係があると思うのですが、何なんでしょう、ファラオン卿がDXに対して「待っている」、というのは。何をどう待っているのか。単純にメイアンディアの元を訪れてほしい、というだけのことなのか。それ以上のことがあるのでしょうか。

そしてルーディーとライナスにDXを救ってくれたことに感謝するディアの表情には、明らかに恋人を助けてもらったときのような表情が・・・大老=ファラオン卿の言葉と、それは関係あるんでしょうかね。うーん。

というところで次回ということになりました。

まあ、ディアは他の人にそういう「隙」を見せても、天恵で一瞬にしてその記憶を曖昧にすることは出来るので、そう言う力が次回あっという間に行使されて二人の記憶から消えてしまうかもしれません。でもまあ、ディアの思いはもう「うまくやれない」くらいにはなって来てる、のだろうなあとは思います。

案外、そこのところがこれからの物語の、最大の原動力になるのかもしれませんね。

29巻はいつもの通り6話収録だとすると今回までということになります。29巻は大きなストーリーの後片付けの巻、という感じになりますね。後残っている伏線は、レイとディアとファラオン卿、レイとアニューラス、あたりのことでしょうか。故郷に帰ったマリオンがまた出て来るとか、そういうことはないかな。六甲と海老庵の旅の話とかも読みたい気がしますね。いずれにしてもでもそれが、DXが王になるための経験につながってくストーリーにつながってく話を読みたいなと思います。一読者の勝手な夢でありますけどね。

次回も楽しみにしたいと思います!

堀越耕平さんの『僕のヒーローアカデミア』第11巻を読みました。


 


 


堀越耕平さんの『僕のヒーローアカデミア』第11巻を読みました。


この巻はストーリーの中でも一つの山場、活動限界が近いと言われていた『平和の象徴』オールマイトが、ついにその力を使い果たし、主人公・緑谷出久にそのバトンを渡す、その場面を描いたものになりました。


死柄木弔率いる敵(ヴィラン)連合がヒーロー養成高校である雄英1年生の強化合宿を襲い、出久の友人にしてライバル(というとなんか軽いが)である爆豪勝己を拉致したところを、その本拠である横浜・神野区をヒーローたちが急襲したものの、死柄木のバックにいるすべてのヴィランの起源ともいえるオール・フォー・ワンが現れ、神野区一帯を破壊したところにオールマイトが現れて、ついに最後の決戦が始まる、というところからでした。


死柄木たちが爆豪を拉致したのは、その強烈な個性・性格がヴィラン連合に必要だと判断したからなわけですが、爆豪もまたオールマイトを目指してヒーローを志した少年であり、その誘いをはねつけていました。一方、目の前で爆豪(かっちゃん))を拉致された出久は爆豪の親友である切島に誘われ、またそういう時には黙っていない圧倒的なパワー(個性)の持ち主である轟とともに爆豪救出に向かおうとします。しかし、ヒーロー資格のない彼らがその場で戦うことは固く禁じられていて、すでに兄がヴィランにやられた私怨から緑谷や轟とともに傷つき、まわりにも迷惑をかけた委員長・飯田と、ヴィラン追撃のきっかけを作った八百万は、彼らが「戦闘に加わるのを止めるため」にヴィランの根拠地を探りに向かい、そこでオールフォーワンとオールマイトとの戦いに居合わせることになりました。


11巻(90話~99話)はここからです。


内容はぜひ単行本を読んでいただきたいと思うのですが、今回このブログを書こうと思ったのは、雑誌連載時に比べてかなり加筆修正があるなと感じたからです。実際、ジャンプ本誌と照らし合わせながら付箋をつけたのですが、全部で19枚ついてます。あとで知ったのですが堀越さんもツイッターで今までで一番加筆修正が多いと言っておられて、ああそうなんだなあと思いました。


https://twitter.com/horikoshiko/status/794349375224881153


そのあたりを、ちょっとチェックしてみたいと思います。


90話(ジャンプ24号)「手を」は特に修正はありませんでした。出久のアイディアで、爆豪救出に成功します。91話「平和の象徴」は巻頭カラー。爆豪がその場から連れ去られたのを見たオールフォーワンは死柄木たちヴィラン連合をその場から転送し、オールマイトとの決戦に臨みます。この話では36ページのグラントリノのせりふが「連合もあと2人!」だったのが「二人」と漢数字に変わっただけで、大きな変更はありませんでした。


92話「ワンフォーオール」からかなり加筆修正があります。オールフォーワンはオールマイトに力を受け継がせた師匠・志村奈菜を殺していて、その死について語ってオールマイトを動揺させ、また市民を巻き添えにしないために攻撃が直撃したことによってオールマイトはその姿を維持することができなくなり、骸骨のようなトゥルーフォームになってしまい、人々に衝撃を与えます。そしてさらに揺さぶりをかけるために、オールフォーワンは死柄木弔が実は志村の孫であることを明かし、衝撃を与えます。その「君が嫌がることをずぅっと考えてた」というコマの背景が黒く塗られました。


そして追いつめられたオールマイトに人々が「あんたが勝てなきゃ、あんなの誰が勝てんだよ」というコマに背景が入ります。少しずつ絵の密度が上がっていく感じがします。


93話「残り火ワンフォーオール」では修正なし。でもここはもともと凄い密度でした。オールフォーワンはすでにオールマイトの力=ワンフォーオールが緑谷出久に譲渡されていることを見抜いています。


94話「師弟のメッセージ」ではかなりの修正あり。1ページ目がまず全部描き直しです。最初のコマが影絵的でしたがより具体的な描写になりました。1ページ目後半から2ページ目前半の部分がとり出され、それが2ページに増やされ、さらに師の志村との鍛錬の場面の回想がはさまれます。「さらばだ オールフォーワン」の「さらばだ」がほぼ丸々1ページの大きさのトゥルーフォームのオールマイトのアップになりました。ここで彼の「オールマイトとしての最期」の余韻がより深くなっています。そして「さらばだ ワンフォーオール」の場面の深さが、より際立ちました。


そして(最後の)勝利のスタンディングの後、「次は君だ」とテレビカメラを指さすのを見ている出久の顔に、薄いスクリーントーンがかぶせられ、この場面の影がより濃くなりました。そして、泣きじゃくる出久の顔を横目で見るかっちゃんの顔、オールマイトと出久の関係を感づいた顔が、よりはっきりしたように思います。


そしてオールフォーワンが死柄木へのモノローグメッセージを送る場面で、「先生というのは弟子を一人立ちさせるためにいる」という場面が二コマ本誌ではベタだったのが、単行本では情景が描き込まれました。敗北に打ちひしがれ、暗く鈍い決意をするヴィラン連合の様子が、はっきりとわかります。このコマは凄かった。


そしてラストの「次は 君だ」という場面で、明るい方を向く死柄木とコントラストを描くように、出久の向く方向が雑誌では白いままだったのが黒くベタで抜かれ、よりその対比が印象的になりました。


95話「始まりの終わり 終わりの始まり」では2ページ目3ページ目の警察の会議の背景が描き込まれています。事件後の顛末が描かれる中、ラストの数ページで海岸で出久とオールマイトが会話する場面になりますが、「これから君の育成に専念していく」というオールマイトに泣きじゃくる出久、海岸の風景が描き込まれたことと、オールマイトが出久を抱く場面で二人の顔がそれぞれアップになる場面が描き込まれ、そしてさらに海の上に半月が浮かぶ印象的なページが挿入されました。


ここで第一部・完、という雰囲気になっています。


96話「家庭訪問」では1ページ目の「ら致」ということばが「拉致」と漢字にされていました。雄英はこの事件後、全寮制となり、その承諾を取るために教師たちが生徒たちの家庭を回るわけですが、そこで爆豪がオールマイトに出久との関係を訪ねる場面、雑誌で読んだ時よりより一層はっきりと爆豪がその関係をつかんだ印象が強くなりましたが、これは単行本で続けて読むことでよりストーリーがはっきりしたからだと思います。


そして出久の母が全寮制を拒絶する場面で、「(雄英 行かなきゃダメ・・・?)ごめんね出久」というセリフが少しととのえられ、出久の顔が描かれました。このあたり、母の意志がはっきりと表れていて、とても印象的でした。


97話「ガツンと言うからお母さん」は、変更なし。これは意外でした。この時、すでにヒーローになることを決意している出久の姿勢に感動したオールマイトは、母の前で土下座して「彼の憧れに甘え、教育を怠ってきたこと謝罪いたします」というのですが、この時のせりふがとても印象的で、本誌で読んだときとすごく印象が違ったので描き直していると思ったのですが、ここは全くそのままでした。やはり続けて読むと印象がかなり変わる、という例なんだろうなと思いました。


98話「入れ寮」は、まず担任の相沢(イレイザーヘッド)が緑谷たちが爆豪救出に赴いたことを皆の前で叱責し、また他の生徒もそれを知っていたことを見抜いて本来なら全員除籍だ、と言います。この相沢のせりふが背景にべたが塗られていて、その深刻さが強調されています。そして科白上はここが一番大きな変更だと思いますが、「雄英から人を追い出すわけにはいかない」事情を語るセリフが挿入されました。


そして次のページ、皆を盛り上げるために爆豪が上鳴を放電させてアホ面にし、切島に金を差し出す場面が上鳴からカツアゲした?と切島に驚かせるセリフに変えていて、ここは本誌連載のときちょっと流れが悪かったので、とても読みやすくなりました。そして引っ越しが終わり、くつろぐ場面に背景が入っています。そのあと「部屋王決定戦」に行きますが、単行本で読むと雑誌で読んだ時の漂流感がなくなって読みやすくなった気がしました。


99話「さよなら二桁 これから三桁」は、題名が話数のことを言ってます。引き続き部屋王決定戦ですが、結局部屋王はシフォンケーキを食わせた砂糖が獲得します。その票数が6票というのはおかしいなと思っていたのですが、単行本では5票に修正されてました。女子は梅雨ちゃんが不参加だったので5人なんですよね。


そしてラストの方、梅雨ちゃんが爆豪救出に赴いた5人に話をする場面。「心を鬼にして辛い言い方をしたわ」という場面に梅雨ちゃんの表情が描かれ、その下のそれを慰める麗日さんの顔にも影のトーンがかけられていました。次のページの下の麗日さんの顔が角度が変えられてより不自然さがなくなっていました。


見つけられたところは以上ですが、全体に堀越さんの絵に対する強いこだわりを感じました。


『僕のヒーローアカデミア』は本当に絵の密度の濃い作品だと思います。そしてそれをさらに上げるために、またストーリーをより際立たせるために、本当に手を抜かず、描き込んでいるんだなと思いました。


連載時には、絵が間に合わないこともあるのかもしれません。週刊連載の宿命かなと思います。しかしこうして常によりよく仕上げる信念があるからこそ、この作品は素晴らしいものになっているのかなと改めて思いました。

コミックゼロサム12月号でおがきちかさんの「ランドリオールLandreaall」第162話「夢は逆夢」を読みました。




コミックゼロサム12月号でおがきちかさんの「ランドリオールLandreaall」第162話「夢は逆夢」を読みました。

今月のランドリは巻頭カラー。何か秋っぽい彩りです。個人的には見開き3ページ目のイオンの表情がいいなと思いました。

そして第29巻の発売予告、限定版はオリジナルアニメDVDが付属とのこと。さてどのような作品になるのか。設定画も公開されていましたが、おがきさんの絵よりかなりいわゆる「アニメ絵」よりの印象。監督はエヴァの原画を担当し、「ああっ!女神さま」の監督をした合田浩章さん。制作は「暗殺教室」等で制作協力をしているウィルパレット、とのことです。2月25日発売とのことですので刮目して待ちたいと思います。

今月はノーアクション、会話回の展開でしたね。場所はアカデミー、基本的にDXとライナスの会話で話が進んで行きます。カラーページを含めて23ページです。

クレッサールで奴隷に売られたDXはライナスたちに救出され、その後クエンティンに挑むために奴隷市場=黒虹で奴隷にされていた人たちを傭兵として雇うわけですが、資金がないのでDXは自分の右腕の竜創を担保にしてライナスから金塊を借りたわけです。竜創はランドリ基本知識の一つですが、3巻(だったと思う)でDXがエカリープの歌う樹に縛り付けられ竜を封じていたマリオンを救うために火竜と戦った際についた右腕の傷で、竜の力が発現するDXのお守りみたいなものであると同時に、その骨は死後強力な剣になり得ると言うものですね。ライナスはそれに目をつけていて、「死んだら右腕を俺のものにする契約をしろ」と以前から迫っていたわけです。

ライナスたちがアトルニアの首都・フォーメリーにあるアカデミーに戻って来ている描写は先月まではありませんでしたから、今回の会話は彼らが帰って来てすぐ、ということになるのでしょう。巻頭カラーページに描かれているのはライナスとルーディー、DXとイオンと六甲です。これは二人が帰国したときでしょうか。ここでライナスが、不機嫌そうに竜創の契約は白紙だ、と言ったのでした。

で、場面変わって男子のぐだぐだ会話。そこにいるのはDX、ライナス、ルーディー、フィルとティティというメンツです。ライナスがハーとため息をつきながらテーブルに突っ伏しています。

竜創の契約が白紙になった経緯をライナスが話します。DXはクレッサールでクエンティンを倒した際に手に入れた沙竜(サリ)を黒虹にあっさりとプレゼントしたわけですが、この沙竜とはお金で買えるようなものではなく、それを持つことによって砂漠を流浪する集団も部族=里になることができ、その竜の力で自活して行けると言う貴重な神器なのですね。

で、結局黒虹の奴隷商=新たに里の長になったカリファが、DXが傭兵代として支払った金塊をライナスに返して来て、DXの借金はチャラになったから、契約はもう白紙になった、というわけなのです。

ライナスとルーディ—は傭兵たちを黒虹に送り届けて、そのあとすぐ移動してしまったということで、黒虹がどうなったかは彼らも知らないと言うことなのですが、DXは空を仰いで明るい顔をしています。ルーディーも「金を返してくれたんだから悪いようにはなってないんじゃないの?」といいます。イプカのこともそうですが、これでクレッサールがらみの伏線はだいたい解決した雰囲気がありますね。

まさに一件落着という感じです。

ライナスたちはロビンの件に深入りしようとしてベネディクト卿からライナスの父・サイラスに警告が行き、二人ともクレッサールに飛ばされて貿易商にして玉階(そのときはわからなかったけど)のオルタンスの元で商売に従事する羽目になっていました。

結局ライナスたちはたまたまDXを救出することになったわけですが、砂漠の毒と熱で弱り切ったDXをライナスは「回す」ことに成功したことを、DXは記憶がないので信用していません。

ライナスとルーディーがアカデミーに戻って来れたのは、ロビンの問題が解決したからだ、ということがここで明らかにされます。

「フィルのおかげだね」とルーディーは言います。フィルがロビンをつれて大老に会いに行った件のその後が、「ロビンは身元を隠したままで大老が手を打ってこれからも会う機会を作ってくれることになった」ということで、「波風を立てない形で」ロビンは唯一の身内と判明した大老と会うことが出来るようになった、ということがわかりました。

大老は「男子の子孫が絶えている」という理由もあって新しく王に推戴されているので、もしロビンの存在が公になったらまた大変なことになる、ということでこのあたりはガタガタしていたんですね。

しかしそこが「丸く」おさまったので、この件に連座?して飛ばされていたライナスとルーディーも戻って来ることが出来たということのようです。

ライナスとルーディ—は「フィルは漢(おとこ)だよね」「おっそろしくおもいきったことやりやがったな」と感心していてフィルは戸惑いますが、実はそこまでやらせるつもりは二人にもなく、フィルがある意味先走って暴走した、ということがあきらかになってちゃんちゃん、ということになりました。

まあそこは、フィルの友達(ロビン)を思う気持ちがすべてを成功させたわけで、つまりまあ、この話の主役はやっぱりフィルだったんだな、ということがよくわかりました。

まあ恐れを知らないということは怖いことだ、ということでもありましたが。(笑)

場面は変わり、共同浴場に来たDXは他の学生と捕虜にされた(本当は奴隷ですが)話などしたりしています。そこにライナスが呼びにきました。

ライナスがしたのはちょっと重大な話。クレッサールの「古の竜(デュエタウス)」は寿命が来てる、というのです。

ランドリの世界では、竜が国を護っている。リドの国ウルファネアでも、ウールンの国パンテルイモノスでもそうなのですが、アトルニアには竜がいません。クレッサールには古の竜がいて、沙竜はその力を蓄えて調整する神器であり、それを使って人々は護られていたわけですが、黄金沙竜(=古の竜でしょうか)が滅びようとしているなら、その道具の力も意味がなくなるのだというのです。

アトルニアにはもともと竜はいないのですが、それによって危険種=モンスターがたくさん出る。それを抑えて戦っているのが傭兵たちなわけですね。黒虹はDXによって、傭兵の里として自活する道を開かれた、とライナスは指摘します。

クレッサールは「砂の掟と部族の国」。アトルニアのように騎士団を組織するには向いてない、とライナスは言います。アトルニアは本来王のいる国ですから、騎士団があるわけですね。しかしクレッサールは王はいないので、危険種が出るようになれば、確実に需要が伸びるのが傭兵だ、というわけです。

ライナスは、自分とDXでクレッサールに傭兵を売る、という商売を思いついたわけです。

確かにそれはスケールがでかい。ルーディーの作った宝飾くらいでは商いとして小さいですからね。

アトルニアで傭兵の街は、DXの故郷であるエカリープとその近くの西交易街(オーバールーン)。国の反対側ではありますが、頭数が必要なのは最初だけで、あとはクレッサールで傭兵集団を作ればいい、とライナスは言います。

DXはそれを聞いて、オズモおじさんに話してみる、と言います。オズモは議会の議長ですから、そこに食い込む方がいいと。DXは、クレッサールの流民たちが奴隷になるのを防ぐためにも、それは良いアイディアだと思ったのですね。

それを聞いてライナスは父サイラスに話を付け、カディス家のキャラバンで傭兵を運ぼう、と言います。これが出来たら流民に仕事が出来て盗賊も奴隷も減ると。ライナスとDXは二人で未来を描くのでした。お前が領主になる頃には俺と大儲けだ、と。まあこのコンビがわりと素直に夢を描いているのは何かこそばゆい感じはしますが、まあ人はこうして大人になって行くんだなと思いました。

これは政治ですね。政治が絡んだ大きな商売。ライナスもついに王位継承候補・DXを後ろ盾にして政商として活動を始めるか、という感じになりました。二人とも意気揚々という感じです。

が。

オズモやサイラスはこの話を鼻先であしらいます。実はもう5年も前から、この計画は進んでいたというのですね。古の竜の力が弱まり、国境の駐屯地に逃げ込むクレッサールの民が出始め、救助や街道の警備を騎士団が引き受けて、長老会議も態度を軟化させ、だからここ数年国交がうまくいくようになった、というわけです。

南タウスマルの騎士団の支団長・マナーズがクレッサールの事情にとても詳しいのがどうしたのかと思っていたのですが、それもそう言う事情だとわかるとなるほどという感じですね。

カディス家はもう傭兵と学者を手配する契約を既に8つも落札しているわ、議会では奴隷制の廃止を含めた計画がもう10年先まで通っているとか。

だあ。大人たちには敵わない、みたいな話になりました。ちゃんちゃん、です。

まあ、こういうストーリーだからということはありますが、DXやライナスが凄い活躍をすると大人が霞んでしまう、というふうにどうしてもなってしまうわけですが、ランドリオールの面白いところは、まだまだ大人には敵わない、というエピソードを必ず入れて来るところだな、と思います。

再び男子ぐだぐだ会話。今度はテーブルに突っ伏してため息をつくのはライナスとDXの二人です。

「5年遅れ」と言われた二人をルーディ—は20年後には追いつくんじゃないの、と慰めますが、ライナスは10年で追い越す、と息巻きますがDXは「ルーディーかしこい飴あげる」・・・平常運転に戻りました。

今回は「大人にはまだまだ敵わない」というオチになりましたが、ランドリ世界の、特にクレッサールの事情がかなり具体的に説明されていて、今回はこれを説明するのがストーリーの狙いだったのかな、と思いました。

アクション場面もなく、ディアやユージェニと言ったきれいどころも出て来ない回ではありましたが、こういう回こそまた後から何度も確認するようになるんだろうなとも思いました。

また来月号を楽しみにしたいと思います。

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