個人的な感想です。

マンガ・アニメの感想を書いていきます。『進撃の巨人』『ぼくらのへんたい』『ランドリオール』など。

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『夏目と右腕』で『進撃の巨人』担当編集者、川窪さんのインタビュー。互いの深い信頼に感動しました。

昨日は、テレビ朝日の『夏目と右腕』という番組で、別冊少年マガジン『進撃の巨人』の担当編集者、川窪慎太郎さんのインタビューをやっていました。


このインタビューは、川窪さんと作者の諫山さんの「戦友関係」というか、本当に二人三脚で作品をつくっていく感じがすごくよくわかる作りになっていてとてもよかったです。


一番印象に残っているのは、諫山さんはクリエイターで、川窪さんはサラリーマンだという話でした。つまり川窪さんはサラリーマン=編集者として、読者にわかりやすいものを、つまり簡単に言えば商品として売れるだけの完成度のあるものをつくろうという意識で作品を見ているわけですが、諫山さんはクリエイターなので、自分がいいもの、面白いものをつくることを優先して読者のことを必ずしも考えないところがあって、そういうクリエイターとしての野望とわかりやすさを重視する考え方との意識の対立が最初のころはあったという話でした。


そしてそのあたりを話し合いながらつくっていく中で、多くの読者の人の反応を得るようになって川窪さんの意識も諫山さんの意識も変わって行ったという話でした。


川窪さんは、今では「第一の読者」としての読者の意識と、より良くしようという編集者の意識、そしてクリエイターの側に立ってみる意識と、その三者の意識を持とうと心掛けているのだそうです。


諫山さん自身も録画という形でインタビューを受けている映像が流れていましたが、ネーム段階が終わったあとで川窪さんにチェックを受けるとき、なるべく自分から距離を離してみるようにしていると言います。また作画・ペン入れの段階では「商品」という意識をもって完成度を上げていくという話をしていてそれも印象に残りました。


クリエイティブな部分で最も印象に残ったのはキャラクターの「目の下の部分」を重視しているということでした。そこは自分が意識でコントロールできないところで、そこに現れている表情がその人物の本当の感情なのだそうです。だからそこは、アシスタントには任せられないという話でした。また、「巨人」を描くときのニュアンスも、やはり自分でやらないとだめだ、ということでした。何を大事にしているのかがよくわかるし、今度作品を見るときはそういうところに注意してみてみるといいかなと思いました。


川窪さんからは、クリエイターから出てくるほとばしるような創造性をしっかりと受け止め、クリエイターにありがちなコミュニケーション能力の足りなさをしっかり見守りながら育つように持っていく、編集者の力量がすごく感じられました。


諫山さんがそれにすごく感謝しているのがよく分かりましたし、また川窪さんも諫山さんからすごく多くのものを受け取ったことに素直に感謝している感じもすごくよかったです。


しかし何より凄いと思ったのは、19歳当時の諫山さんの絵の上でまだそんなにうまいとは言えない作品を、川窪さんがその面白さをきちんと感じ、この希代のクリエイターを見出したことそのものでした。


この時の諫山さんの持ち込み原稿はアニメDVD・BD1巻の付録としてつけられています。(下のリンクの「0巻」のこと)私も買って読んでみたのですが、この作品のどのあたりに川窪さんが可能性を見出したのか、よくわかりませんでした。


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昨日の放送で川窪さんが言っていたのは、「ムラクモ」という主人公の、感情がほとばしっているアップの場面と、巨人の描写に可能性を感じた、ということでした。


なるほど、そこに可能性を見出したのか、と思いました。確かにそういうわれて本作品を見てみると、そうした場面がかなり重要な要素であることがよくわかります。


もともとこの作品が話題になったのは巨人の吐き気を催すような外見と人間を食う衝撃的な描写でしたし、とらえられたエレンがリヴァイとエルヴィンに向かって「調査兵団に入って、とにかく巨人をぶっ殺したいです」という場面の鬼気迫る表情は、なんだか尋常でないものを感じました。なるほど、ここか、と思います。


しかし、こういうところを核にしたら、こんなすごい作品になるという可能性を感じることは、それ自体が稀有な才能だと思いました。


日本人は、サラリーマン的に商品を仕上げて売りやすいものをつくっていくのはうまいと思います。すべてのものをCoolな水準に持っていく力はほかの国と比べても抜きん出ていると思います。けれども、こんなふうに本物の才能を見出す目、というのでは必ずしもそうでないところがあるなあと常々思っていました。見出されずに潰れていく才能がすごくたくさんあるように思ったからです。


でも、出会うときには出会うのですね。諫山さんが講談社に電話した時、たまたま応対したのが川窪さんだった。そしてその川窪さんが、諫山さんの才能を見出した。シュテファン・ツヴァイクに『人類の星の時間』という小説がありますが、この出会いの瞬間はまさにそういうあり得ないくらいの幸福な一瞬だったと思います。


見終った後、とても幸せな気持ちになる番組でした。表現を目指す人も、また才能に巡り合うことを切望する人もみな、そういう出会いが必ずあると信じて、自分の作品と才能を、また編集の技術を磨いていくといいなと思いました。

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