個人的な感想です。

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電脳マヴォで上村一夫さんの『完全なる答案用紙』を読みました。

電脳マヴォで上村一夫『完全なる答案用紙』を読みました。

電脳マヴォは編集家の竹熊健太郎さんがやっているWEBマンガ雑誌で、竹熊さんが面白いと思った作品でなかなか商業誌に掲載されないもの、またこの上村さんの作品のように古いものであっても今の人に読んでもらいたいと竹熊さんが考えたものが掲載されています。

このサイトから生まれた話題作としては牛帝さんの『同人王』がありますが、この作品も大変面白かったので、また機会があるときにご紹介したいと思います。

上村一夫さんは1967年にデビューした劇画作家で、私が一番印象に残っているのは『同棲時代』です。まだ私も子供でしたからあまり読んだことはなかったのですが、竹久夢二をシャープにしたようなきりっとした美しい女性を描く人という印象がありました。

『同棲時代』もそうですが、作品一覧を読んでいると、当時の若者の風俗を追いかけ、それを題材に作品にして行ったという印象があります。月産400枚という途方もない作品を生み出した流行作家だったそうです。

リアリティとしてはちょうど団塊の世代、全共闘世代、68年の世代に支持されたマンガ家と言う印象で、彼らの世代が切り開いて、今につながって行く若者風俗がそのシャープな絵で画像化された行ったという印象です。

『完全なる答案用紙』は、公立の進学校(おそらくは当時東大に数十人レベルの合格者を出していた都立のナンバースクール)に進学した二人のライバルの話です。彼らはお互いの家を訪ねて語り合う仲でしたが、女性に対する知識において遅れをとったと思った少年は、主人公からはなれて行きます。そしてお互い、成績と女性をめぐって暗闘を続け、ついに少年は恋人を主人公に紹介するまでになりますが、今度は主人公が少年の本当に憧れていた女性をものにして勝ち誇ります。

『完全なる答案用紙』の意味は作品で読んでいただければ一目瞭然ですので書きませんが、正直今読んでもかなりエグいと言うか、衝撃的な作品です。

現代ではあまりこうした競争意識を前面に出すことは流行らなくなっていますが、当時の他のマンガを読んでもいわゆる「ガリ勉」(本来ガリ勉というのはこういう異常なまでに試験の点数に執着するタイプの優等生を指していたんですね)はものすごい迫力で描かれています。その迫力があってこそのラストの衝撃だ、と思います。

上村さんは1986年に45歳で亡くなられましたが、『同棲』という言葉が社会的に定着したのも彼の『同棲時代』をきっかけにしていたわけで、本当に時代を築き、時代のアイコンとなったマンガ家だったのだなと思います。

時にはこうして、マンガの歴史を眺めてみることも、現代のマンガを別の視点から見られることにつながるかもしれません。


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