個人的な感想です。

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山岸凉子さんの『ヴィリ』を読みました。40代のバレリーナの話に、マンガの持つ可能性を感じました。

ヴィリ (MFコミックス ダ・ヴィンチシリーズ)ヴィリ (MFコミックス ダ・ヴィンチシリーズ)
(2007/10/23)
山岸凉子

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山岸凉子さんの『ヴィリ』を読みました。

この作品は2006年から2007年の間、『舞姫 テレプシコーラ』の第1部と第2部の間に連載された作品です。

『ヴィリ』はバレエ「ジゼル」に出てくる精霊の名です。

この話の主人公・礼奈は40歳を過ぎてもまだバレエ団のトップで踊り続ける女性です。そしてその娘、摂食障害を持つ舞とIT企業の社長・高遠。

高遠は礼奈のバレエ団に援助をしてくれて、礼奈は「ジゼル」の全幕を出すことにします。そのことで礼奈は自分に気があると思ってしまうのですが、実は高遠が望んでいたのは娘の舞との結婚でした。すでに子供までできたというのです。ショックを受けた礼奈は、ジゼルが踊れなくなってしまうのです。そして何かに魅入られたように舞台の奈落に転落し、再起不能の重傷を負います。

40代のバレリーナ、という私はあまり読んだことのない主人公の設定に、興味が引かれる部分が大きかったです。

ストーリーというものは、若い子を主人公にするのはわりあいやりやすいのですが、年配者を主人公にすると必要以上に重くなったりしてしまいますね。そこで展開が難しくなるように思います。

人間というものは年を取るにつれて多くのものを背負ってくるから当然なのですが、まあそこにそういう年代の人を主人公にする意味もまたあるのですけれども、その話が暗く重くなりすぎないで、やりきれなくならないように描けるのは、マンガというものの一つの特性なのかもしれないなと思いました。

この作品を読んだ当時は、まだ山岸さんの作品をほとんど読んでなくて、山岸さんの絵の性質や話の内容が、それまで自分が愛読していた近藤ようこさんの作品に似ている気がしました。

メジャー度も、和風洋風の違いもあるのでそれまで比較したこともなかったのですが、女性の自意識のモノローグが中心になるネーム構成と細い線、余白に書き込まない絵柄という作風はよく似ているなあと思います。

近藤ようこさんの作品はマンガでも重く暗いのですが、それでも読ませます。それは、そこには強さがあるから作品になるんだなと思います。

ある程度の年齢を重ねた人を主人公にして書くのは、ギリギリでいろいろなことを試される部分が多いということなんだなと思います。

近藤ようこさんの最近作、『五色の舟』もそうでしたが、マンガだから描けること、マンガにしか描けないこと、というのが実際あって、こうした年齢を重ねた人のことを必要以上に暗くならないように描くことも、その一つかもしれないと思ったのでした。
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