個人的な感想です。

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阿部洋一さんの『バニラスパイダー』2巻を読みました。(1)どんなにシュールでも人の気持ちは人の気持ち。

バニラスパイダー(2) (少年マガジンコミックス)バニラスパイダー(2) (少年マガジンコミックス)
(2010/09/17)
阿部 洋一

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この話は設定がいろいろ不思議なので初めて読む方は1巻の紹介から読んでいただければと思います。

花織(コンビニバイトの女子高生)を救うために奏子(花織の親友)だったエレベーター(空の朱い蜘蛛の巣から降りてきて人に寄生し食い殺すバケモノ)を殺してしまったツツジ(主人公の存在感のない少年)は落ち込みますが、津田(エレベーターとは別の宇宙人)に水野さん(ツツジのアイドルで、護衛と称してストーキングしている少女)にもエレベーターを寄生させると脅されて、再びエレベーター狩りを始めます。

一方花織はツツジを憎んだことを反省していて、むしろコンビニに来なくなったツツジのことを心配するようになります。そしてエレベーター狩りの途中のツツジと偶然出会った花織は話しかけようとしますが、ツツジは逃げてしまいます。一度は逃げ切るのですが、そこに現れた水野さんを救うため、またその場でエレベーターを倒します。

ツツジは自分の手についた血を拭いつづけますが、どうしても取れません。そこに追いついた花織が見ると、血などもうついてはいないのです。そして花織は、突然ツツジのことを理解します。「あんたも同じくらい辛かったんだ」、と。そしてツツジを抱きしめて、「あんたは何も悪くない」と言い、こういうの言葉で伝えるのは苦手、と言って「この前助けてもらったお礼」と人肌のコーラを渡すのです。

自分の使命に悩むツツジと、最初は憎んでいたもののその心情を理解することで彼を許し、彼を心配さえするようになった花織。ここの展開は、そのからんでくる様々なものがあまりにシュールだからでしょうか、全然ベタな感じがしません。こんなにシュールでも、やはり人の気持ちは人の気持ちなんだ、と不思議な感動を呼びます。呉智英さん(私がこの作品を読むきっかけになった『ダヴィンチ』に書いていた漫画評論家)の言うように、やはりたぐいまれな構成力を持った作家さんなのだと思います。

ああ、何というか、この話は一話一話のストーリーが濃いので、1巻ごとの感想を書くというのが難しいですね。

上の話は第2巻の最初、第6話の内容なのですが、ちょっとこれだけで書いていておなか一杯という感じです。

また後程、続きを書きたいと思います。

ところで、「バニラスパイダー」という言葉の意味ですが、結局最後まで明らかにされません。ググってみると、きれいな模様をした蛇が出てきて、Vanilla spider specterというのだそうです。バニラは香料ですがアイスを想像しますね。spiderはクモですが、クモが蛇のことを指すというのも面白いです。specterはオバケとか幻影という意味。ツツジが戦う武器が蛇口であることと、エレベーターというクモのようなバケモノと戦うことと何か関係があるのでしょう。

また、3巻の作者の言葉や、ググると出てくる読者の感想を読むと、最後はどうも打ち切りで終わった(商業的には失敗した)ようです。

この作品は、確かにメジャーにはなれないかもしれないけれども、熱心なファンはつくだろうと思う、たとえて言えば手塚賞を取って『少年ジャンプ』でデビューしたものの、のちにはほとんど中小出版社で書き続けている諸星大二郎さんのようなところがあります。(そういえば今諸星さんは集英社のジャンプ系のライバルの講談社のモーニング2で書いてますが)

それでも最後まで話は終わっているからさらに何かがつけたされるということはないかもしれませんが、『エヴァンゲリオン』の劇場版のように別バージョンのラストを、作者が描きたかったラストをいつか描いてもらえるといいなあと思います。
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