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篠原ウミハル「図書館の主」67話を読みました!絵本と人間に大事な事は共通しているという話でした!


図書館の主 7 (芳文社コミックス)図書館の主 7 (芳文社コミックス)
(2013/12/16)
篠原ウミハル

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週刊漫画Times4/25号で篠原ウミハルさんの『図書館の主』第67話を読みました!

今回は前後編の後半です。

この作品は私立の児童図書館である『タチアオイ図書館』を舞台にした物語や絵本をテーマとしたお話です。主人公の司書・御子柴と、周りの人々とのかかわり合いを書いています。御子柴は髪型はキノコのようで口調はクールでぶっきらぼうですが、周りで起こる様々なことに、本質的な指摘を投げかける人です。

この図書館に通う人は子どもたちだけでなく大人もいるのですが、特に頻繁に来るのが児童書と御子柴立ち図書館員に魅かれてやってくる宮本です。その宮本に同じく司書のみずほはひかれているのですが、その気持ちを知ってか気づかないでか、宮本はずっとスルーをしています。

そんなタチアオイ図書館に集まる人たちの中に書店員の伊崎がいます。伊崎は実は絵本作家を目指していて、彼の描いた『悪キノコ』の絵本は、図書館で行われる読み聞かせの「おはなし会」では大人気なのです。

今日はその伊崎が、編集者の取手と館内で打ち合わせをしているのですが、取手の娘の聖奈にダメ出しをされています。そこに宮本がやってきます。宮本は部下の金子という女性(内心宮本を狙っている)に相談されて、金子と娘の理沙と待ち合わせをしていたのです。

宮本は取手と大学時代の知り合いで、金子と伊崎は高校の同級生なのです。実は伊崎は金子のことが好きなのですが、金子はそれに取り合う気がなく、その娘の小さな理沙が伊崎のことを好きなのです。

しかし理沙が伊崎にそう言ってから、伊崎は理沙を避けるようになっていて、一度ちゃんとお話をしてあげてほしくて、金子は理沙をつれてきたのでした。

宮本は取手に、「なぜ伊崎くんは理沙ちゃんを避けてるんだろうな?」と尋ねます。「まさかお前はわかってないのか?」と取手は言います。ここまでが前半のお話でした。

この号では、その答えから始まるわけです。

「大人になったらね。とかごまかせばいいのに、伊崎さんにはそれが出来ない。嘘つくことになるからだ。でもはっきり君とは結婚できないと言ったら傷ついてしまう。だから本当のことも言えない。だから逃げてるんだけど、それでよけいに傷つけているのがわからないのが彼の幼さなんだろうよ」と取手は言います。

「彼女の気持ちを背負うだけの自信がないだけだなあれは」という取手に、宮本ははっとします。それはつまり、みずほの気持ちをわかっていながら受け止められない自分と全く同じだからです。

取手は「おはなし会」では凄く人気のある伊崎の「悪キノコ」の話が、なぜ本になると今ひとつなのか、その答えを分からないでいるのですが、御子柴の「悪キノコという存在を気にしすぎて見えていないものがあるんじゃないか」という言葉で考え始めます。

「毎回同じ(伊崎の)話を聞いてて、どうして子どもは飽きないのかね?」
それを聞いていたみずほが答えます。

「その絵本を読んでもらって楽しかったことが忘れられないから、何度でも聞きたいんじゃないでしょうか。私思うんです。お子さんが好きな絵本を何度でも読んでほしいって気持ちは、好きな人に相対、お話ししたいって気持ちと一緒なんじゃないかって。だから何度でも読んでほしいし、飽きたりなんかしないんじゃないかな」

さらに考えていた取手は突然気づきます。「この絵本に足りないのは悪キノコではなく、悪キノコやっつけたいの隊長マーくんが弱いからだ」と。マーくんは伊崎自身がモデルになっているのですが、おはなし会ではその「マーくん」=「伊崎」が目の前にいるから、主人公の伊崎について行く仲間の気分になれるのだと。

取手は伊崎に指摘します。「マーくんが存在感を増すだけでこの物語は光る。つまり、君がもっと自分に自信を持てばいい。そしてそれを「マーくん」に反映させるんだ」と。

伊崎は俄然やる気を出します。それとともに、自分が理沙にかわいそうなことをしていたことにも気がつきます。「俺がしてることは俺のことを好きって言ってくれる理沙ちゃんから大好きな絵本を取り上げてたようなもんなのか。俺、ヒデエ事してたな」と。

そして理沙のところに行って、「今度絵本を持ってどっか行こう」というのです。理沙は満面の笑顔になります。宮本は取手に「あれはどういう心境の変化かな」と問うと、取手は「それはわからないけど、ちゃんと相手と向き合おうとしてるのは、自信を持つための一歩が踏み出せたって感じかね。いいことだ」と答えます。そして宮本も「そうだな…」とつぶやくのでした。

この前後編は、とてもよく出来ていると思います。それぞれの人間模様と、「絵本に何が大事か」ということの指摘。どうしても一番目立つキャラクターを中心に考えてしまうのですが、あくまで子どもたちが感情移入する対象は主人公であると言うこと。だから主人公が魅力があることが、とても大事なことだということです。

ズバズバと切れ味の鋭い発言をしながらなかなかそこに気がつかない新米絵本担当者・取手の気づきと、一歩物語からはひいていながら全体を見て大事なアドバイスをする御子柴という構造が、この物語を凄く面白くしています。で、この前後編の主人公は、実は宮本なんですね。

今まで作者の篠原ウミハルさんは男性だと思っていたのですが、このストーリーのきめ細やかさを読んで、実は女性なのかなという気がしてきました。でもネット上にほとんど情報はないし、サイン会もされているようですから、性別疑惑(笑)もないでしょうし、よくわかりません。

しかしこれだけ重層構造を持った作品を描かれていることは、凄いなと思います。前回掲載からほぼ4週間経っていますが、それだけ練られた作品だということなんだなと思います。

次回掲載も、楽しみにしています!
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