個人的な感想です。

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さいとうちほさんの『とりかえ・ばや』4巻を読みました!波瀾に富んだ物語が佳境に入ってきました!


とりかえ・ばや 4 (フラワーコミックスアルファ)とりかえ・ばや 4 (フラワーコミックスアルファ)
(2014/04/10)
さいとう ちほ

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さいとうちほさんの『とりかえ・ばや』第4巻を読みました!

平安時代の古典『とりかへばや物語』に題材を取ったさいとうちほさんの作品、『とりかえ・ばや』の第4巻が出ました。

主人公は女性なのを隠して宮中に出仕している「沙羅双樹の中納言」と男性なのを隠して女性である東宮(皇太子)に仕えている「睡蓮の尚侍」(すいれんのないしのかみ)ですが、今回のストーリーではほぼ沙羅双樹が中心となって展開しています。

と言うのは、沙羅双樹が女性であることが、親友の「石蕗の中将」(つわぶきのちゅうじょう)にバレてしまい、そこから展開して行く波瀾のストーリーが今回のメインだからなのですね。

石蕗の中将は沙羅双樹の妻・四の姫と通じて子供まで生まれてしまうのですが、実は石蕗が魅かれていたのは沙羅自身であったと告白され、またその会話のうちにふとした弾みで沙羅が女性であることがバレてしまったのです。

この巻では、ついに沙羅を思慕する石蕗が、男色家の式部卿宮の策略で、石蕗に抱かれてしまう、と言う展開になります。この辺り、原作の物語でも古来かなり物議をかもしたらしいですが、まあそりゃそうだろうと思います。

沙羅はショックのあまり乳母のあぐりのところに泊まりに行き、しばらくそこで身を隠します。「男としての自分は今宵死んでしまった」と。沙羅はそれまでも月の障りのときは宮中を辞して乳母の家で静養していたのです。石蕗はそれを探し当て、訪ねてきて、その後も何度も文や歌を送ります。この石蕗の情熱的な歌がなかなかだなあと思いますし、それに返した沙羅の皮肉な歌もなるほどなあと思います。

いかにせむただ今の間の恋しさに死ぬばかりにも惑はるるかな

人ごとに死ぬる死ぬると聞きつつも長きは君が命とぞ見ゆ

中納言が宮中に参内しなかったため、帝が心配し、季節外れに咲いた桜の枝を折って文を送ったため、沙羅は自分の使命を思い出し、宮中に再び出仕し、洪水をもたらす鴨川の工事に当たる防鴨河使庁の長官を引き受けます。

しかし今度は帝が沙羅双樹に瓜二つだという睡蓮の尚侍に興味を示し、入内の話が持ち上がります。それを何とか断ろうとしている二人のところに帝が現れ、十二単に身を隠した沙羅の顔を偶然かいま見、睡蓮を見たと思ってしまいます。

中納言は防鴨河使庁の仕事に打ち込みますが、四の姫と石蕗のことを思い、四の姫を離縁しようとした矢先、四の姫が二人目を身ごもります。四の姫のつわりの様子を見た沙羅は、自分にもつわりが現れたことに気づくのでした。

この物語の一番の中心は、男と女が入れ替わり、そのまま普通だったら問題なく過ぎて行く様々な通過儀礼のようなことが起こるたびに問題が発生していくそのハラハラドキドキにあるわけですが、そのストーリーを動かして行くのが石蕗の中将や帝の「色好み」や「思慕」であるところが面白い、というか人間の生物としてのパワーを感じさせます。

男女が入れ替わっている沙羅と睡蓮は、自分がそれぞれ本来の性とは別の性として生きて行くことを決意しているので、そう言う生物的な衝動には鈍感というか、困ったものだと感じている方が強いのですが、つい石蕗を受け入れてしまった沙羅にしても、女東宮に思慕の気持ちを持つ睡蓮にしても、完全に理が勝つ存在ではないのですね。

沙羅は「女でもなく男でもない 子供でもなく大人でもない」と言う不安定さから、特に婚姻関係にある四の姫に申し訳ない気持ちを持っていて、石蕗と四の姫を近づけ自分は離縁して身を引こうとするのですが、四の姫が石蕗の二人めの子を身ごもって締まったことでますますあとに引けなくなる。この辺り、原作をきちんと読んでいるわけではないので何ともいえませんが、やはり斉藤さんのドラマタイズが上手いのだと思います。

最終的にキーになる人物は、二人が男女入れ替わっていると言うことを見抜いた眼力の持ち主である吉野の宮だろうと思いますが、そこに行くまでにまだ波瀾があるのかなと言う気もします。

そう言う物語が展開して行く宮中の四季折々の美しい描写も一つの見所ですし、おそらくは源氏物語ほどは登場人物の心情が書き込まれていなくて、そこにマンガ家の想像力を加えて行く余地があったのかなとも思います。適度に現代的な感覚も持ち込まれていて、その辺りも現代の作品として読みやすい感じになっていると思います。

古典を現代感覚で描くと言うのは難しい面も多いのですが、私はこのストーリーは成功しているのではないかと思います!
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