個人的な感想です。

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大原由軌子さんの『京都ゲイタン物語』を読みました!個性とか作風について考えさせられました!

京都ゲイタン物語京都ゲイタン物語
(2009/01)
大原 由軌子

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大原由軌子さんの『京都ゲイタン物語』を読みました!

この作品を読んだのは2010年のことです。

もともとはよく知らず書店の店頭で気軽に読めるものを、と思って買ってみたのですが、思いがけず一生懸命読むことになりました。

最初のうちは面白人間エピソードみたいで、また、自分と同じ世代――正確に言えば少し下の世代の青春記みたいな感じで肩がこらずに読める本だと思っていたのですが、だんだんそんなものではないことがわかってきました。ゲイタンというのは芸術短大ということで、学生生活のことを主に書いているのかなと思っていたのですが、かなりの部分が授業や教授とのやり取りが描かれていて、芸術を専攻する学生の真摯さというか、自分がものになれるんだろうか、どうしたら一日も早くそうなれるんだろうかという息詰るような思いが溢れている作品でした。

くだらないエピソード満載なあたりは、ああイマドキの若者は、と20年位前に思っていた感じで、(時代は平成元年前後)ボディコンワンレンでイケイケの先輩たちに連れて行かれた電通マンとの合コン会場の祇園のマハラジャで舞妓が踊ってたりする場面はスゲえと思いましたが、翌年の新入生はいきなりシスター系でボビ男やハマ男が大発生したという、ちょうど時代の変わり目だったのだそうです。確かにそのころ、世界がなんだか自分の知らないものになっているという感じがしました。

自分の個性とか作風とかに悩んで、「私以外みんなものすごい才能の持ち主ばかりが集まっているんじゃ…」とおののいたり、何とか自分独自の視点を出そうとして奇を衒って失敗したり、悩みを教授に相談に行って「自分の作風がありきたりなんじゃないかと悩んでいるじゃないか」と指摘されて、「悩みまでありきたりってわけか」と落ちこんだり…と基本的には青春グラフィティなわけです。

まあ、学校で何かを勉強して、それを仕事にするということのよい点は、多分そういうことなんだろうと思います。何十年か先にその世界を見ている人が誰もが躓きがちなところに指摘を求めれば「そりゃそうと違うで。こっちやで。」と迷路に入らないように指摘してくれる、ということなんだろうと思います。

今でも新しいことをしようとすれば、新しいことを学ばなければならないし、そうすれば同じように「初心者が陥りがちな罠」に捕まったりするわけで、それを逃れるには先生や学校を持ってそれをうまく利用する、ということが一つの有力な方法なんだな、と思いました。

作風や視点は内面が現れる、といいます。だから内面を育てることが大事。たくさんの多くの作品を見て読んで聞いて触って嗅いで味わって。小手先で変わった視点を演出しても何にもならない。また、視点や作風というものは学校で学ぶものではない。まあ、この「ありきたり」の、言葉を変えていえば「王道」の指摘も、胸にかなりずしんと来るものがありました。

「視点や作風は学校で学ぶものではない」ということは、逆にいえばその視点や作風を「どう生かすかということ」は、「学校」で学べる部分もあるということなんだろうと思います。

ですからこのブログのように、作品をどう読むかを考えるとき、「視点」や「作風」そのものにこだわりすぎるよりも、「どのように生かしているか」というところに注意して読んでみるということが必要なのかもな、と思いました。

そんなふうにいろいろ考えさせられた作品でしたが、基本的には作者の短大時代、つまり一人の美大生の、自分の道を見出していくまでの過程が描かれている作品で、それだけで見てもとても面白いです。

こういうことに関心のある方が読んでみたら、とても面白いだろうと思います。
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