個人的な感想です。

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灰原薬さんの『応天の門』を読みました!菅原道真が探偵役という斬新な設定でした!

応天の門 1 (BUNCH COMICS)応天の門 1 (BUNCH COMICS)
(2014/04/09)
灰原 薬

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『陰陽師』以来、平安時代を扱ったマンガ作品を見かけるようになりました。この『応天の門』は『陰陽師』の舞台となった村上天皇の御代(946-967)より約1世紀前の、清和天皇の御代(858-876)の話です。この時代の元号は「貞観」で、東日本大震災と同じような大津波が東北(奥州)を襲った、貞観の大地震が起こった時代でもあります。

『応天門』は朝廷の儀式を主に行う朝堂院の正門にあたる門で、扁額は弘法大師空海が書いたことで知られていますが、その『應』の字の点を一画空海が書き忘れたというエピソードがあり、「弘法も筆の誤り」ということわざの語源になっています。

主要な登場人物は六歌仙のひとりとして和歌の詠み手として知られている在原業平(在五の中将・当時30代)と学問の神様と言われた菅原道真(当時10代)で、そのほかの登場人物として重要なのは藤原良房(人身初の摂政)と政敵の伴善男(伴大納言)。狂言回し的に紀長谷雄、幼少の清和天皇、というところでしょうか。

業平は夜な夜な女性のもとへ通っていましたが、その時に月明かりを頼りに門の上で書を読んでいた道真と出会う、という設定で、業平は当時左近衛権少将として市中の治安に責任を持つ立場、道真は大学寮の学生でしたが、あまり顔を出さず家で漢籍ばかりを読んでいる少年ということになっています。

1話から3話では藤原親嗣という貴族の下女が鬼にさらわれたという噂が宮中で話題になり、その嫌疑が紀長谷雄にかけられ、それを取り調べる在原業平が、菅原道真の博識を知って真相を解き明かしていく、というミステリー仕立てになっています。

4話と5話は高名な学者・森本翁の孫娘玉虫姫が絶世の美女との噂であるのに言い寄る男たちをみな拒んでいて、ついには帝から入内の話がもちあがる、という半分『竹取物語(かぐや姫)』のような話です。そういえば紀長谷雄は一説によると作者不明の『竹取物語』の作者とも言われていて、このマンガの作者さんもそのあたりにこの話のヒントを得たのかもしれません。

貞観時代は漢風文化の盛んだった時代で、作中にも中国から渡って来たと思しき昭姫という博打場の女主人が出てきたりします。道真はもちろん新来のものを含め漢籍を読破していますが、玉虫姫の身代わりとなり、また森本翁の目の代わりとなって漢書を読む白梅という娘が出て来ます。

また、まだ藤原氏が完全に権力を握りきったとは言えない時代で、おそらくはこの先出てくるであろう『応天門の変』などの政争も起こる一方で、律令を補う「貞観格式」という法が編纂された次代でもありました。また、清和天皇の女御として入内することになる良房の姪、高子と在原業平との恋愛関係もまたよく知られている話です。

業平も『伊勢物語』の主人公として擬せられているわけですが、この作品での業平はプレイボーイではあるものの『伊勢物語』に出てくるようななよっとした印象ではなく、こわもての武官という面もあって、そのあたりが斬新だと思いました。またミステリー仕立ての探偵役が菅原道真というのも面白い設定だなと思います。

こうして書き出してみるとこの時代は思ったより多士済済で、残っているエピソードからでも様々に時代を浮かび上がらせることができそうな感じだなと思いました。

余りマンガなどになっていない時代なので、また第2巻以降の展開も楽しみにしたいと思います。

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