個人的な感想です。

マンガ・アニメの感想を書いていきます。『進撃の巨人』『ぼくらのへんたい』『ランドリオール』など。

肥谷圭介さんの「サンクチュアリー」を読みました!マンガを大切に扱う気持ちがよくわかりました!

Dモーニング新人増刊号で肥谷圭介さんの「サンクチュアリー」を読みました!

肥谷さんは現在モーニング本誌で「ギャングース」を連載中。底辺を生きる、小学校もろくに行けなかった少年院上がりの少年たちが、オレオレ詐欺の金庫や麻薬の売人の売り上げを狙って「タタキ」を繰り返し、「自分たちのような子供が二度とでない国を作る」ことを目指して戦うという物語です。

「サンクチュアリー」は初期作品ということですが、すでに「ギャングース」のテイストはよく現れている、というか肥谷さんにしか書けない世界が存分に展開していると思います。

主人公の品川晋哉(21歳)はマンガをこよなく愛する青年。特に、マンガを丁寧に扱うことにかけては病気なくらいで、女の子を家に呼んでもマンガの扱い方をあんまり口うるさくいうのでいつも嫌われてしまい、未だに童貞と言う男子です。

しかし確かに、ここで描写されている女子のマンガの扱いは酷い。お菓子を食べたてでそのままマンガに触ろうとし、読みかけのマンガをぐしゃっとやって背表紙を折ってしまう。そういう風になって傷んだ単行本は全部「マンガ墓場」と名付けた段ボールの中へ行くことになり、その結果好きな作品の本は何冊も持っている、ということになってしまうわけです。

彼のマンガ本のチェックはすごいです。買うときには必ず「ビニールがかかっているか」「側面に崩れたところがないか」「背表紙のタイトルが中心からずれていないか」「紐がかかったあとがないか」を必ず確認しているのです。

そんなチェックに余念がないところに声をかけてきたのがとてもかわいい女子。マンガについてけっこうマニアックなことを言うので、「その本俺持ってるよ」と言うと、「今からお家行っちゃダメですか」と童貞男子にとっては妄想の膨らむ夢のような言葉。

でも彼女・真鍋翔子は悪い子ではないのだけど、お菓子を食べながらマンガに熱中していて、やっぱり気になってしまいます。家に入っても直ぐ表紙を「めきっ」とやったりして、ドキドキハラハラ。手を出すどころではありません。そして手を洗って帰ってきた翔子ちゃんは豹変。「さっきからいちいち細かいこと気にしてんじゃねよマンガぐらいで!小っせえ男だなあ!」と叫ぶと本棚からマンガを全部投げ出しぐちゃぐちゃにしてしまったのです。

目を覚ますとまだ電車の中。品川は翔子がお菓子食べた手でマンガ読んでるのを見た時点で気絶していたのです。(笑)恐れに震えながら家に向かう品川は、「もうセックスとか言ってる場合じゃない!マンガを死守することだけを考えよう!」と思い詰めています。

そして家に入ったとたんに一番大事な「スノードロップ」に手を出す翔子に、思い切って「手を洗ってくれる」と注意します。もうすごくドキドキです。そしてあっという間に帰ってきた翔子に、また思い切っていいます。

「ぼくはマンガを命の次に大切にしています!!!のですごく丁寧に扱って読んでください!!!!」と。

言った甲斐あって翔子は丁寧に読んでくれているのですが、熱中してくるとだんだん扱いが乱雑になってきます。でも丁寧に扱ってくれないと困る…ついに品川は頭を抱えます。「何で俺はこんなことで悩まなきゃいけないんだ!」と。もう見境がなくなって顔を近づけて「お願いだからもうちょっと」と言うと、翔子は「品川くん、あのさ」といっていきなり唇にキスしたのでした。

「何?このやわらかくて超気持ちイイの?」

翔子ちゃんも戸惑って「あ、あわ、いきなりごめんなさい、わたし実は品川君を本屋で見かけたことが…」というとボーゼンとしている品川に「あ、あの今日は帰りますね」といいながら、最新刊に目をやると、まだ自分も読んでいない「神聖な」本を勝手にあけて読み始めたのです。

ところがキスの魔法か、全然腹も立たずショックも受けません。笑いながらくしゃみをして鼻水がかかっても笑って済んでしまいます。この子、本当にマンガが好きなんだなあと思って、なんだか愉快になるのでした。

自分もやはりマンガが好きなんだなあと再確認した品川は再びマンガを全部読み返してみようと思います。

ラストシーンがいいです。翔子が初めて品川を見かけた時、子供がマンガの単行本をいじめっ子たちに取り上げられて泣いていたのを取り返してやり、新品がぼろぼろになってるのを見て自分の買った新しい単行本に取り替えてやっていたのでした。それを見て翔子は、品川に一目惚れしていたのです。

なんかあらすじを書いてみると、とてもイイ話ですね!(笑)

私はマンガは買うときにはけっこう注意してきれいなものを買うようにはしていますが、持ち運ぶことが多いせいかけっこう傷めてしまって、その度にガーン!と思うので、品川の気持ちはよくわかります。というか、お菓子で汚れた手でマンガを読むとか、考えられません。(笑)(と言いながら無意識にやってる気もしますが…その点で翔子に似てるところもあるなと思います)

でもこの、「マンガをきれいに扱ってほしい」という気持ちだけで一本の作品が出来てしまうのはすごいなと思いましたし、なんかそういう「ちょっとした気になること」を作品にしてもらえるとすごく共感するということはあるなあと思います。

4コマ漫画とかでそういうのもありますが、こういう短編作品でそういうネタを使って一本にするのは大変かもしれないのですが面白いと思うので、また読めるといいなあと思うのでした。


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