個人的な感想です。

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田島隆さん・東風孝広さんの『カバチ!!!』3章15話を読みました!少年院行きがどこで決まるかが書かれていました!


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(2014/04/23)
東風 孝広

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Dモーニング23号で田島隆さん・東風孝広さんの『カバチ!!!』3章15話を読みました!

冒頭は少年鑑別所の朝の風景。このあたり、花輪和一さんの『刑務所の中』で描かれた刑務所の風景や、肥谷圭介さんの『ギャングース』に書かれた少年院の風景を思い出させます。

この少年犯罪編の主人公は行政書士の大野事務所(所長はまだ若い田村)にバイトとして務め始めた加葉なのですが、この加葉の従兄弟の憲治が不良化していて、窃盗事件に関与したとして逮捕されたのです。そして不良仲間たちはその罪をみな憲治になすり付けようとしている、そういう状況で、加葉は憲治のぬれぎぬを解くことよりも、少年院に送られなくて済むように手だてを尽くしている、そういう段階です。

憲治の入っている9号室も朝の点検。刑務官たちが入ってくるのを正座して迎えます。いろいろなところをチェックしてそれから朝ご飯。ご飯は残してもいいが、ほかのものに食べさせたのがバレると連帯責任になるとか、やはり刑務所に似た感じです(これは弱い者が強い者にご飯を食べられてしまうことを防ぐためだと思いますが、この作中では弱い奴に無理に食べさせようとしています)

憲治はほかの連中にどうやって鑑別に入れられたのかを尋ねます。一人は政治運動、つまり右翼。企業を恐喝に行って逮捕されたのだと言います。二人めは覚醒剤。打ったまま暴走して軽自動車にぶつけ、交番で尿検査されてそのまま逮捕されたと言います。自分のようなつまらない窃盗とは違うスケールに、憲治はビビります。三人めは飲み屋帰りの女を強姦しようとしてスタンガンで拉致しようとしたら女にスタンガンを取られて撃たれて気絶しているところを捕まったのだと言います。

頭を坊主にしないのかと言われて、「反省しとるところを見せて審判を軽くしてもらう」「審判では土下座する。でも少年院送致になったら裁判官につばを引っ掛ける」とうそぶいている同室者たちの話を聞いて、気合いの入り方が違うとただ感心します。

一方加葉とともに動いている大野事務所の古株・重森は憲治の実家を訪ねます。家裁の調査官が面接に来る前に、言っておかないと行けないことがあるからと訪ねてきたのです。

調査官は憲治にいろいろ質問し、母は優しく憲治の言いなりで、父は仕事ばかりして厳しく叱ったりしない、「家で俺に逆らえる奴はおらんわ!」という憲治の言葉をシビアに聞いています。「教育力のない」家庭と認定されれば、憲治は少年院に送られることになるのに。その辺がまだ右翼や覚醒剤犯たちほど開き直れてないところなのですね。

重森が家庭で話をしていると、学校はやはり退学ということになりそうで、罪を押し付けられた憲治がかわいそうだと母親が泣きます。しかし重森は、「お母さん、あなた考え違いをしとりゃせんですか?」というのです。

憲治は被害者ではなく加害者なのだ、加害者である以上罰せられるのは当然だ、それに同情するのは過保護だというのです。

母親は腹を立てますが、重森はさらに、家裁の調査官は家庭の監督保護する力を見る。我が子かわいさで息子の犯した罪が見えず、可愛そうを連発する親を調査官が信用し、家庭に返そうとすると思うか、と聞くのです。

おっしゃる通りですと言う父親に、重森は父親も同じだというのです。息子が犯罪を犯したのに単身赴任で家を空けていていいのかと。異動願いを出したり転職したりして息子に向き合う覚悟が必要なのではないかと迫るのでした。

憲治が部屋に戻ると、一人が審判に言った代わりに入ってきたのは、自分に罪を押し付けようとした柴久でした。柴久は図々しくも、憲治は年も若いし男気もあるから罪を被ってもらうことにした、というのです。それを聞いて憲治の心は揺れ動くのでした。

今回のポイントは、「親が子供の罪をどう受け止めているか」ということでした。確かに、人によってはそういう者を受け止めきれない親もいるでしょうし、また逆にあっさりと罪を引き受ける、つまりそういうことに慣れている親もいるだろうと思います。「家庭に教育力があるか」が少年院おくりになるかどうかの境目だということですから、逆に言えば母子家庭であるとか祖父母に育てられているというような環境では少年院おくりになる可能性が高まるということになるわけですね。

刑務所や少年院は犯罪者や非行少年が社会を脅かさないための、つまり社会にとってのセーフティネットであるわけですが、少年の立場からすれば恵まれなければ恵まれないほどそういう場所へ送られ、ということは現実の社会でそれから先が不利になる状況にどんどん追い込まれて行くということがあるのだなあと思います。

また両親が揃った家庭では、両親がそういう経験のない順調に来ている人ならば、逆に取り乱してうろたえてしまう可能性が高く少年院送致になりやすく、そういう世界と交流のあるような家庭なら逆に腹をくくって形の上では子供をちゃんと引き受けることになる可能性が高いのだと思います。

昔の日本だったらどこの家庭もいざという時の腹のくくり方みたいなものがあったように思いますが、今ではなかなかそうはいかないだろうなと思いますし、この作品はそういうことも問いかけているように思います。

2週間ぶりのモーニングの作品の中で印象に残ったのが、こういう犯罪がらみのものであるのはなんだかなあと思わないでもないのですが、やはりそれだけ作中の切実度、緊迫感が高いということなのだなと思います。憲治がこのあとどういう態度に出るのか、注目したいと思うのでした!
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