個人的な感想です。

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押見修造さんの「悪の華」最終回を読みました!

惡の華(1) (少年マガジンKC)惡の華(1) (少年マガジンKC)
(2010/03/17)
押見 修造

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別冊少年マガジン6月号で、押見修造さんの「悪の華最終回を読みました!

いろいろと話題の多かった、またいろいろなことを考えさせられた「悪の華」ですが、今月で最終回となりました。先月号では春日の大学生になった姿とその後の未来図が台詞なしで描かれていて、ついに春日自身が筆を執り、小説を書き始めるところで終わっていました。その表現もすごいなと思っていたのですが、最終号は、この話の第1回の直前の仲村の心の中が描かれていました。

この話の中学時代は主人公の気弱な文学少年春日と、問題児の少女仲村。そしてクラスの優等生の女生徒・佐伯の3人が主な登場人物でした。佐伯の体操着の袋を盗んだことを知った仲村春日を脅迫するところからこの話は始まったのです。

ぐちゃぐちゃ、ドロドロ、ひずんだ声色。そういう世界の中で、孤独に生きていた仲村。この描写は、大今良時さんの『聲の形』で、周りの人間に顔にみんな×がついている描写を思い出しますが、もっとドロドロとして、人間ですらないおぞましい影のようなものにしか周りの人間が見えない仲村の心象風景が描かれています。

テストが返却される教室で、仲村は0点を取り、教師から全部空欄ってどういうことだ、と責められますが、仲村には教師の口の中には糞にたかるハエがわんさかいるようにしか見えず、文字通りクソムシしかいないのですね。仲村がそれで「うっせークソムシが」と言うと教師は激昂します。しかし仲村の視線に教師は目をそらしてしまうのです。

教室の中、教卓の下で、自分の足に嫌な影が上ってくるのに対し「入ってくるな。やめろやめろ」と思っていると、ちょうど入ってきたのが春日で、自分の『悪の華』の文庫を手にすると、下に落ちた佐伯の体操着の袋をあけて、陶酔した表情でにおいを嗅いでいる春日。仲村が教卓の下から出て行こうとすると、物音に動揺した春日は体操着の袋を懐に入れ、教室から逃げて行ったのです。

家に帰った仲村は、「自分以外に変態がいた」と春日の名前を記し、恍惚とした表情になります。

しかし、次の日になっても、仲村に見える世界の心象風景は、まるでムンクの叫びのような世界で、道ばたに座っていても足の下から迫ってくる深い闇が自分を去ってはくれないのでした。

「だれか わたしをころして」

それが仲村の真実の言葉だったのでしょう。そしてその闇に完全に捕えられた仲村の前に、赤い光が(物理的にここから急に2色刷りになります)やってきます。春日が自転車で通りがかったのです。そして仲村は春日に声をかけるのでした。「春日くん、何してんの?」と。

仲村の抱えていた巨大な闇。私はこのマンガを特に前半はあまり読んではいないので全体像が分かるわけではないのですが、この最終回を読んだだけでもその闇に底なしの深さがあることはよくわかりました。

春日の存在は救いであった、ということも。

最終回を読んで、この話、第1巻から読み直してみようかな、という気持ちも出てきました。

最終回記念ということでこの最後のページのあとに写真マンガ(登場人物は押見さんと、進撃の巨人の作者諫山さん、予告マンガの宮島さんの3人で、なんだかノリノリで押見さんが連載を終えることをやめさせようとしている、という話を作っています。まあなんだか謎のノリなのですが、(笑)それだけ別マガにおける押見さんの存在が大きかったということだろうと思います。

とても印象的な作品でした。ありがとうございました。
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