個人的な感想です。

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弐瓶勉さんの『シドニアの騎士』10巻48話「臨界不測兵器の開発」を読みました。


シドニアの騎士(10) (アフタヌーンKC)シドニアの騎士(10) (アフタヌーンKC)
(2013/05/23)
弐瓶 勉

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弐瓶勉さんの『シドニアの騎士』10巻48話「臨界不測兵器の開発」を読みました。

47話で融合個体2号・彼方の頭部に生成した「重力子放射線射出装置」から発射されたビームによって破壊された(これはガウナによる攻撃によって、ということになっているわけですが)シドニア外郭を、衛人部隊とつむぎが補修作業に当たっています。まあこのあたり、そのことに疑問を持つ人が誰もいないというのがおかしいと言えばおかしいのですが、とりあえず衛人操縦士たちは補修作業に専念しています。

蜘蛛の足のような6本腕の巨大なロボットアームが修築に当たっているのは面白いなと思うのですが、融合個体のつむぎは自由自在に飛べるため、イザナたちが危ないというのも聞かずに飛び回って、出来ていたものも壊してしまいました。ごめんなさいという顔をするつむぎ。落ち込んでいるつむぎ谷風機が近寄り、これからは気をつけて、哀しそうな顔をしてないで手伝おう、と言います。つむぎが「どうして私の表情が分かったのですか?」と尋ねると、「つむぎはけっこう顔に出る方だよ」と言われて赤面?します。つむぎが「もう見ないでください」といって、「キャー!」と飛び去って行くのが一昔前の少女漫画のようで可笑しいです。

平和の戻ったシドニアの居住区。イザナがおばあちゃんの家に帰ります。これは3巻で見た科戸瀬家とかなり違うように見えますが、まあそういうことはけっこうある気がします。(笑)おばあちゃん=ユレ博士と家族の会話を交わすイザナイザナは自分の服をとりに来たのですが、ユレは100年前の若かった頃(今でも外貌は十分若いのですが)に自分が来てた服をイザナにあげると言います。なんというかつむぎみたいな洋服、18世紀くらいの腰から下が広がったマリ=アントワネットみたいなドレスがいくつも出て来ます。

それをイザナに当てててみて、ユレは大喜び。自分の若い頃にそっくりじゃない!と言います。今すぐ着替えて出かけましょう!と。この辺りユレ博士が若い頃けっこうノリノリというかイケイケと言うかだったことが分かって可笑しいです。

しかしまあ親(ではないけど)の心子知らずで、イザナは「絶対に嫌だよこんな服!恥ずかしくて着られないよ!」と言います。ユレは「そっかごめんね…昔を思い出してついはしゃいじゃったわ」と落ち込みます。それを見て優しいイザナは、「ちょっとだけだよ」と言うと、ユレはすぐ「本当!」とまたはしゃぎます。この個性何ともいいがたい。(笑)

二人はその中でも割と地味めのドレスを着て出かけますがイザナは恥ずかしくて仕方ありません。でもユレは懐かしい喫茶店を見つけて「まだあるんだ!」と飛んで行きます。なんか40代以上のの大人女子を思い出します。(笑)瀟洒なティールームでお茶をする二人。「嬉しそうな顔が見られてよかったよ」というイザナですが、ユレの腕の端末に連絡が入り、すぐ職場(MSCFですね、忘れてた。でもそれはイザナには秘密なんですよね)に戻らなくては、と言って行ってしまいます。取り残されたイザナは、派手な服が見つからないように隠れながら家に帰ろうとしますが、途中でナガテ(谷風長道)に見つかってしまいます。で二人は結局、かなたの事故で大変なことになっている岐神の見舞いに行くことになります。

一方司令室。ガウナの動きがなくて退屈だ、という室員に指令補の緑川纈(ゆはた)はレーダーを見られる特注の端末を作ってもらった、と言っていると、おさげ三つ編みメガネの室員が入って来て「そんなものつけてると女子力あがりませんよ」と言います。この人選が可笑しいのですが、ゆはたは突然今日が新しいガンプラ、もとい衛人フィギュアの発売日であることを思い出し、任務完了!と告げて司令室を飛び出して行きます。

やって来たのはサクマモケイ。今日はなんと一七式継衛(ツグモリ)の発売日。(笑)白月四機掌位を再現するとか、斎藤専用機をどうするかとか、もう完全におたくぶりを発揮して模型店主と話し込んでいます。一方店主が作っていたのはなんと「重力子放射線射出装置」。理論上最強の兵器でこの兵器に貫通できないものはない!という兵器なのだそうですが、要するに先日自分たちが大変な目にあった兵器なわけで、司令補のゆはた自身がそのことをまるっきり知らないということになるわけですね。その無邪気ぶりが可笑しいです。一方この店の前を谷風とイザナが通りかかりますが、イザナがドレスを着ているのでゆはたは「誰よ!」と気が気ではありません。

病室に見舞いに行った谷風とイザナ。海蘊はコーヒーを入れてくれますが、まだ岐神の意識は戻らないとのこと。谷風は「早くよくなってくれ岐神。お前がいないとつむぎに何かあったときに困るしな」と声をかけます。この台詞、どう解釈していいのか一瞬迷いましたが、谷風はもともと星白を死なせる破目になったときも岐神を非難せず、お前をまだ許せない、と言いながらも操縦士に戻ってくれ、と言いに行くなど、「仲間を大切にする気持ち」がとても強い人なので、早くよくなってくれ、というのは本心なんだろうなと思いました。

家に帰って谷風といた女性のことを考えながら継衛フィギュアを作るゆはたでしたが、そーっと入って来たつむぎに声をかけられてびっくりして、股関節から折ってしまいます。ゆはたが鬼の形相をしてつむぎを追いかけているところに二人は帰って来て、ゆはたは「イザナさんだったんですか…」と安心しますが、「つむぎは私の部屋立ち入り禁止!」と宣言するのでした。

この辺りの下り、自己パロディなのか現代社会パロディなのか良くわからないのですが、私はこういうのが好きだし面白いと思いますけれども、苦手な人は苦手かもしれませんね。でもフィクションとリアルがインタラクティブな展開をするのは多分弐瓶さんの作品の特徴の一つなのかなとも思います。私は読んでいて割と楽しいです。

一方、MSCFで科戸瀬ユレ博士を呼び出したのは衛人整備・開発担当の佐々木でした。というかもともとユレが佐々木を呼んでいたのに忘れていたのです。ユレさん可笑しいです。この二人は遊び仲間だったそうですから、佐々木も本当は100歳を越えているのですね。丹波さんをスカウトに行ったとき「あの人の娘か」と言われていましたが、多分本人なんだろうな、とこれを読んで思いました。

ユレは佐々木に融合個体・かなたを見せ、安全性に問題があるから停止させるために頭に杭を打ち込んでいる、というユレの説明を聞いて、「あの爆発」がこの融合個体のせいであることを知ります。すぐ解体すべきだ、という佐々木に、ユレは艦長の指示でそれは出来ない、どうしても完成させなければならない、と佐々木に力を貸してくれるように頼むのでした。

どうやらそれが「臨界不測兵器」であるようです。

思ったことを二つほど。

シドニアの騎士』は当初、グレーの中間色やトーンを使わない白黒のコントラストがはっきりした描写だったのですが、6巻くらいから中間のトーンがよく使われるようになって来て、描写が細密になった一方で白黒のコントラストは弱まった感があり、どちらがいいとはいえないし個人的にはどちらも好きなんですが、話の展開自体も当初は割とラフな感じ(あっという間に四天王や星白が死んでしまうところとか)だったのが、最近は絵柄と同じく中間色のあるトーンの展開になっているなという気がします。

また、最初はずっとイザナのことを「イザナ君」と呼んでいたゆはたがこの当たりにくると「イザナさん」と呼んでいて、それがいつどう変わったのかなと調べてみると、紅天蛾をめぐる戦いのあたりはほとんどイザナとゆはたの対話がなく、谷風とイザナが新居に移ってゆはたが訪ねて来て一泊してお風呂でイザナの女性化の状態を見せたときに「イザナさん」と呼んでいたので、一応女性化がきっかけだったのかな、ということが分かりました。まあ相変わらずイザナは「僕っ娘」で、一人称は僕なんですけどね。

なんというかガウナのエナのようにいろいろと変形して行く感じのあるストーリーなのですが、その変容の様子も含めて魅力的だなと思うのでした。
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