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弐瓶勉さんの『シドニアの騎士』単行本第11巻53話「大シュガフ船の存在」を読みました!


シドニアの騎士(11) (アフタヌーンKC)シドニアの騎士(11) (アフタヌーンKC)
(2013/10/23)
弐瓶 勉

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弐瓶勉さんの『シドニアの騎士』単行本第11巻53話「大シュガフ船の存在」を読みました!

ここ数日、『シドニアの騎士』アニメのことなど振り返っていたので単行本の感想が少しお休みになりましたが、続けたいと思います。

51話でレム恒星系惑星セブンの海上を漂流していた遭難者・市ヶ谷テルルの確保に成功し、52話でガウナを振り切ってついにセブンを周回する輸送船まで戻って来た主人公・谷風長道。目の前にある巨大な大衆合(シュガフ)船=数千〜数万以上に及ぶガウナの集合体の巨大な重力を利用し、スイングバイ軌道をとることでシドニアへの帰路を急ぐ航路をとります。スイングバイとは、例えば小惑星探査機「はやぶさ」が水力を得るのに使った方法で、現在でも広く使われています。『シドニアの騎士』ではそういう現在すでに使われている宇宙開発技術のようなものや、現在研究中のものなども出て来ていて、そういう意味でも「宇宙好き」の人には魅力的なのですね。

私もイザナが「スイングバイ」と言っているのを読むと「ああスイングバイ加速ね」と「ここでギアを三速に入れて」みたいな技術的な頭が自動的に動いたりして、そういうのも「シドニア」の魅力なんだなと気がつきました。

しかし簡単にいいますが、大衆合船は先に書いたようにガウナの集合体ですから、もし反応されて襲われたらどうしようもありません。だから大衆合船に接近してスイングバイ加速を行うというのは、相当度胸が必要ですし、「ヘイグス粒子とカビを装備しなければ反応しない」という確信がなければ出来ないことです。

大衆合船はクラゲのような形をしていて、52話では傘を閉じていたのですが、53話冒頭では徐々に傘を開きつつありました。市ヶ谷テルルはそれを見て「やはり谷風長道に反応しているんだわ!」と非武装主義者たちの都市伝説のような妄言に惑わされた発言をします。谷風は「あれは蠕動のようなものだ」と落ち着かせますが、蠕動などという生物学用語を普通にマンガに出すというのも面白いなとこれを読んだときに思いました。一応中学の理科で出てくるのかな。

大衆合船の最接近点を通過する輸送船。見事に傘を開いた巨大な姿を見せます。5ミリくらいに描かれた輸送船に比して、見開きで描かれているのは大衆合船の胞手のそれもごく一部。いかに巨大かが分かります。ヒ山は「胞手一本でシドニアの何十倍も体積がありそうね」と言います。実際、地球を分断した大衆合船は月と同じくらいの大きさを持っていたそうです。

操縦士たち3人は緊張しながらも冷静に周回軌道を回り、ガウナを観察していますが、市ヶ谷テルルは外装材を硬化させて(ロボットのような外見になって)がたがた震えています。そしてスイングバイ加速に成功したことをシドニアの司令室に報告すると、テルルも「へ…助かった…」と安心した顔をします。そして継衛を出て輸送船の操縦室に向かう中、テルルは安心し過ぎたのかつい外装材をすべて解除してしまって裸体になっていたのでした。次の場面でテルルは「工業用重力精製水」をストローで飲みながら(なんですかそれは・笑)与圧服を着ているのですが、これは最初に発見されたときから着替えていないので、皮膚の状態の一部として変化させられるものなのかな、と思います。テルルの着衣についてはどうも良くわからない感じがするのですが。

それから気づかずにテルルの裸体を見てしまった谷風に、テルルは初音ミクのような長い髪(これは羽根の役割もします)でバチンと叩くのですが、これは仄姉妹のときから続くパターンです。(笑)ほんわかしたヒ山イザナ谷風のやり取りを見ていてテルルは何か思うところがあるようです。

しかしヒ山が「セブンの様子はどう」と聞き、セブンの大気圏にガウナが落下したあとのすごい雲の発生を見て「セブンの天候が激変してしまうでしょうね…これが武装集団のやり方なのね」とまた非武装主義者らしいことを言い始めます。このウザさの表現が弐瓶さんはすごく巧みで、本当にこういう人たちがいやなんだろうなと思います。(笑)ところがカプセルホテルのような寝室にイザナ谷風を連れて行くと、テルルはちゃっかり谷風の隣のカプセルに入ってしまいます。イザナがあっちのを使ってよ、と言ってもいやです、と言い、シドニアではつむぎが緑川纈に「ゆはたさん私なんか嫌な予感がしてきました」と言っています。テルルも初音ミク的外見のツンデレ人工生命体と言うキャラクターがしっかり与えられました。(笑)

無事シドニアに帰還した4人。テルルは非武装主義者たちに呼ばれていそいそと帰って行きます。ゆはたは谷風たちが持ち帰ったデータを見て、改めて大シュガフ船の巨大さにこれからの戦いの困難さを実感します。艦長小林は「ガウナはヘイグス粒子とカビに反応する」ということがはっきりした今、非武装主義者たちの「武装を捨てればガウナはこない」という主張に根拠はなくなったのだから現実に目覚めるのではないか、と落合に尋ねますが、逆に「ヘイグス機関を使わずに移民すべき」という主張を始めたと聞いて呆れます。そしてもう取り合うな、というのでした。

一方テルルは非武装主義者たちから物置のような部屋をあてがわれ、「あなたが軍に救出されたおかげで私たちは発言力を失った、あなたなんか発見されなかったらよかったのに!」と捨て台詞をいわれて初めて非武装主義者たちの実態を悟ります。この辺りもエグいですが、ここに出てくる非武装主義者のおばさんがそういう運動にいそうな自分たちの主張ばかりするくせに本当は冷たいひとたち、みたいな感じがよく出ています。

で、結局テルルは谷風のうちを訪ね、「あんたのせいで帰るところがなくなったわ!責任とってもらうからね!」と叫びます。焦っているイザナゆはたつむぎが可笑しいのですが、さらにだめ押しで「というわけで今日から私もここに住むことにするから!」というのでした。つむぎの悪い予感が的中です。(笑)

テルルはある意味、非現実的な夢想集団とともに行動し、ひとりだけガウナの巣に取り残されてようやく帰還したのに、帰ってみると手のひらを返されて誰にも相手にされなくなった。なんかこれはある意味横井さんや小野田さんのような残留日本兵みたいな感じもします。こういう要素を巧みに使いつつ、大衆合船の実態を描写したり、非武装主義者を揶揄したりする弐瓶さんの筆の冴えはすごいなと思うのでした。
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