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弐瓶勉さんの『シドニアの騎士』第12巻59話「恒星レムの引力」を読みました!


シドニアの騎士(12) (アフタヌーンKC)シドニアの騎士(12) (アフタヌーンKC)
(2014/03/20)
弐瓶 勉

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弐瓶勉さんの『シドニアの騎士』第12巻59話「恒星レムの引力」を読みました!

これは今出ている単行本の最終巻、12巻の最終話になります。この続きはすでに3回、月刊『アフタヌーン』の連載では描かれています。雑誌のバックナンバーはどこでも手に入るわけではないのですがKindleなら読むことが出来るので、私はバックナンバーとKindle版と合わせて最新話まで読めるようにしてあります。こういう風に、読みたい作品があるのをきっかけに雑誌を読むようになり、そしてその雑誌に連載されている他の作品も読むようになる、ということが私にはよくあります。

というか、今のようにメジャーなマンガをよく読むようになったきっかけは、諸星大二郎さんの『西遊妖猿伝』が「モーニング」で連載が再開されたのを受けて「モーニング」を読むようになったことでした。どちらかと言えばマイナーな、今で言うサブカル系のマンガを好きで読んでいたのでメージャー方面の文化に疎くなっていたのですが、サブカルというのはどうしてもある方向に自閉して行くベクトルを持っているので、時々はメインカルチャーに出て行かないとダメだなと改めて思っています。

逆に、「アフタヌーン」はメジャーな出版社から出ている雑誌の中ではややサブ的な方向性を持っている雑誌なので、ちょっとそういう意味で敬遠していたところもあったのですが、号によっては自分が読みたいと思う作家さんの作品がかなり掲載されていることもあり、見出しを見るのが楽しみになって来ています。「シドニア」の連載が続いている間は、「アフタヌーン」を主にKindle版で買い続けることになるのではないかなという気がしています。

さて第59話。新造戦術防巡艦「水城」は本来の任務の場所である恒星レムに接近して来ています。耐熱性にも優れた新素材で作られた実験機に乗る谷風と、融合個体のつむぎは恒星近接試験を行い、恒星レムに近づきます。技術主任の佐々木と艦長の緑川纈が見守っています。谷風機が強い引力を感じるところまで近接しても、つむぎは体表のわずかな層で恒星からのすべての粒子を防いでいて、「ちくちくしてくすぐったい」というふうに太陽風や放射線を感じているだけなのでした。安全に作業が行えそうだということを確認して、二人は水城に帰艦します。

帰艦した谷風は弦打とサマリに出会いますが、前回勢いがつき過ぎてたちの部屋に突入してしまい、光合成中のたちの裸を見てしまって焔にぼこられた顔を見られて、ちょうどやって来たの誰かにそれをサマリに告げ口され、サマリは再び女子光合成室のぞき事件の捜査を再開すると告げます。それを聞いていた弦打は(そのつもりはなかったのだけど覗いてしまったのは弦打だったのですね)何とか注意をそらさないと、と思い、策を思いつきます。

「第1回水城乗員人気投票」と銘打って、乗員間の人気投票を始めたのです。(もちろん主催者は匿名だと思いますが)下らん、というサマリと勢威ですが、勢威が上位にいるぞ、とかサマリが1位だ!というと、そんなこと興味ない、という二人もちょっと恥ずかしそうな嬉しそうな顔をしています。

こういうことにすぐ夢中になってしまうのがつむぎ。融合個体としての能力はすごいのですが、まだ幼いのですぐ調子に乗ったり寂しくなったりしてしまうのですね。トイレにいるイザナのところに侵入して来て驚かせ、イザナは誰に投票したのか?と聞いたりしています。司令室でもその話題になり、緑川纈や市ヶ谷テルルは「気楽でいいわね!」と言っていますが、メガネおさげの「女子力」発言の子が「明日にでも死んでしまうかもしれないような状況だからこそ男女が激しく求め合うんじゃないですか」と言って、またどう反応していいのか分からない的な空気が流れるのでした。

弦打が女子操縦士たちから一九式では最多の撃破数だ、と賞賛されて鼻の下を伸ばす一方、谷風たちの件を言いふらされて白い目で見られたりしていますが、調子に乗る弦打と落ち込む谷風を見ていたイザナが「なんだよまるで長道が犯人と決まったみたいに…」と機械式の義手で手すりを握りつぶしたりしています。

再び恒星近接実験。谷風つむぎが掌位して恒星に近づくと、彗星が近づいて来て、その長い尾の美しさにつむぎは見とれて、谷風機と掌位している自分がすごくロマンチックな気分になったらしく、つむぎは心臓がドキドキし始めます。谷風はそれを心配しますが、おさげメガネさんが「谷風操縦士って恐ろしく鈍いんですね…極端に何かに秀でた人によくあるパターンだわこれ…私はないわ…」と言っていて、またゆはたたちが凍っています。

さて人気投票最終結果。弦打は総合46位で「はあっ?」と言っています。女性からの順位は落合、勢威、谷風の順。ここでクローン落合が艦長小林の名代としてという形でしょうか、乗艦していたことが明らかになります。まあイケメンですから、ということのようです。そして興奮したつむぎがイザナのところにやってくると、イザナは今度はシャワー中でした。なぜかサービスシーンが多い今回です。つむぎが喜んだのは、自分に1票入っていたこと。入れたのは誰なんでしょうね。そしてイザナは男女総合で1位だったそうで、喜んでいいんだろうか、という反応です。

男性からの順位の1位は、なんと人工生命体の市ヶ谷テルルでした。以下、サマリ、姉妹、緑川纈、佐々木の順。女性陣もどよどよしています。テルルはいい気になってタンクトップと短パンで船内を歩き回って「なんだか男どもが私を見すぎな気がするんだけど!」と言うとメガネおさげさんが「いやいやあんた絶対分かってやってるでしょ」とツッコミを入れています。ゆはたに「なんなのそのだらしない格好は!」といわれると「私が一位だったからって嫉妬しないでください」と勝ち誇っていて可笑しいです。それを「まあまあふたりとも」とメガネおさげさんんが宥めているのも地味に可笑しいです。

弦打は自分の画策した投票結果に不満ならしく5位に佐々木に誰が入れたんだ、と言ってるのを佐々木に見つかりぶっ飛ばされます。そしてちょうどやって来たサマリに助けてくれ、と言いますが、サマリはつむぎが通気口で見つけた弦打の名札を弦打に示し、「何か言いたいことはあるか?」と突きつけるのでした。弦打の絶望的な顔が可笑しいです。(笑)

恒星レムの周回軌道に乗った水城。落合は艦長小林に「はい、現在までに問題は発生しておりません」というのもなんかおかしいのですが、実験機に搭乗しようとしている谷風のところに二人(煉と焔でしょう)がきて、「何度も疑ってごめん!」と言っています。疑いが晴れた谷風は「裸を見てしまったことには変わりはないし、俺の方こそごめん」と男らしいことを言って(だいたいこの子はそうなんですよね)二人は恥ずかしそうな顔をして、気をつけて!と見送ります。

谷風機とつむぎは恒星レムのコロナ上層に達し、掌位して恒星上を飛びます。恒星表面の様子、彗星の様子、こういう描写がとても幻想的です。

つむぎの膜のようなものが剥がれて行くのを見て谷風は大丈夫、と聞きますが、つむぎは「私を心配してくれているのですか…それは私が兵器として必要だからですか…」と尋ねます。人気投票で1票しか入らなかったので、やはり自分は人間の仲間に入れてもらえないのか、と落ち込んでしまったのかもしれません。「やっぱり聞いておきたいんです」というつむぎ。コロナに突入し、通信が途絶える中、「たとえば今事故が起こって気を失ってしまったら、私は恒星に落下して死んでしまうではないですか、というつむぎに、谷風は機体でつむぎを抱きしめ、「死ぬなんて二度と言わないでくれ」というのでした。なんだかつむぎの顔が幸せそうです。ここで、12巻全体が終わるのでした。

ネットを見ていても、つむぎというのは人気の高いキャラクターなのですが、こういうやり取りを見ていると、きっと思い入れてしまう人はいるんだろうなあと思います。まあ同じ人間でないキャラクターでもテルルが1位でつむぎが1票では差が付けられてしまっていますしねえ。イザナも男女総合1位でしたが、複雑な顔をしていましたし。

今回は基本コミカル回でしたが、思いがけず「人間とは何か」とか「性とは何か」みたいなことに迫ってしまうテーマが巻き起こって面白かったです。弦打が優れた操縦士なのにおっちょこちょいと言うか、貴重なギャグ人材として活躍した回でもあり、おさげメガネさんが実力を発揮して来た回でもありました。だんだん、そういう地味なキャラに光が当たって行きそうで、その辺りはちょっと面白いなと思います。
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