個人的な感想です。

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山田穣さんの『昔話のできるまで』(集英社YJアオハルコミックス)を読みました!


昔話のできるまで (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)昔話のできるまで (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
(2014/08/20)
山田穣

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山田穣さんの『昔話のできるまで』(集英社YJアオハルコミックス)を読みました!

先日東京神田神保町の書泉グランデ2階のコミックスフロアに行ったときに見つけたマンガの1冊です。

山田穣さんはZERRY藤尾名義で成年マンガも描かれている方だということはあとで調べて知ったのですが、この作品集でもそういうところは彷彿とさせる部分はあるのですが、基本的に一般誌の作品です。ですからそういう方面が苦手な方でも十分楽しめる作品集です。

というよりも、帯にありますように、「「メガネっ娘」「神話」「戦車」「男子の心躍る短編集!」という感じでしょうか。それぞれヤングジャンプの増刊「アオハル」に掲載された6本の作品が収録されています。

表題作の『昔話のできるまで』は神話ネタ。石神信仰や鎮守の森、地母神、タケミカヅチと言った神様が出てきて、鎮め封じていた地母神が蘇って辺り一帯が森になってしまったけれども、巨乳のメガネっ娘の活躍?で再び封じられるというお話。

また4番目の「強いのだあれ」はおさげのおっぱいの大きなメガネっ娘の女子高生が「一番強いもの」を求めて尋ね歩く、という話で、「ねずみの嫁入り」みたいな感じです。大山倍達が出てきたり網野善彦ネタが出てきたりといろいろなものが詰め込まれています。

5番目の「ザンネン・アンド・ドラゴン」は小学生男子の香本と同じクラスの残念女子江倉のお話。香本は「腰を痛めた」龍が隠れていた廃屋で、龍の世話をしていたのでした。つけて行って龍を見てしまった江倉もそこに出入りするようになるのですが、龍は何か願い事を聞いてくれると言うけれども、香本は特に願い事はない、と言います。江倉もそれを考えますが、やっぱりないんですね。小学生ってそんなものだよなあ、という実感はあります。

ある日江倉の母親が怪我をしたということで、そのお願いを使う、という話になりますが、実は大した怪我ではなく拍子抜けしてしまいます。じゃあなんだろ、金かな、みたいな話になって、それなら香本の祖父母が老後に困らないくらいの金を出してもらうか、と言います。なんでお父さんお母さんじゃなくて?と聞くと実は、香本は両親がもう亡くなっていたのですね。それを聞いて江倉は泣き出してしまい、私なんか自分のことばっかり、と言います。二人ともいい子ですね。

で、龍も治ってしまったから願いを聞いてやろうという話になり、結局二人は龍にまたがって空を飛ぶ、ということを選択したのでした。子供らしくて、気持ちよくて、なんかすっきりしますね。

そしてラスト、何となくしょぼんとするようになってしまった江倉に、香本が、「しょぼんとしててウゼエ。残念な方がましだよ」というと、「残念ってどういうことなの?」と聞くから「可愛いのに空気が読めなくてでしゃばりでうっせえから残念って言ってんだよ」と早口でいい、「今可愛いっていったよね」「ウッせえああ残念残念!」みたいななんだけっきょく仲いいじゃん君たち、みたいな微笑ましい話なのでした。(笑)

そしてラストの「孤児院戦闘団」。これだけドイツのお話です。ベルリン陥落後、孤児院に取り残された3人の子供(大きい順にエルナ、フランツ、ロッテ。フランツはドレスデン爆撃のショックで口をきけません)と、そこに入ってきたドイツ兵。ベルリンは陥落してもソ連軍の侵攻は止むことなく、ドイツ東部の住民は米英軍の保護を求めて西へと大移動していたのだそうです。

孤児3人とドイツ兵は、たまたま打ち捨てられていたドイツ軍の戦車に乗って、戦地からの脱出を図ります。しかしそこにソ連軍(イワン)の砲撃があったりして、子供たちと協力しながら危機を切り抜けて行きます。

そしてソ連軍戦車に出くわしたとき、フランツが大声で「真っ正面100メートル!」と叫び、喋れるようになるんですね。そして最後に危機を切り抜けたあと、喋れるようになったんだから喋ろうよ、でもいきなりじゃね、と言って歌を歌って、とロッテが言うと、フランツは「小さなハンス」を歌い始めます。これは日本では「蝶々」として知られている曲ですね。

そしてラストに、「連合軍は避難民の受け入れを拒否、ソ連占領区から脱出できたのはごくわずかだった。無条件降伏後のドイツ人死者は実に戦時中の4倍にも当たる」とショッキングなコメントが書かれます。

日本も終戦前はかなりひどい目にあい、満州などでは多くの日本人が抑留され、シベリアに送られて強制労働させられたりして沢山亡くなったりしているわけですが、ドイツではもっとひどかったんだなと思いました。負けた側の日本やドイツのした戦争中のルール違反ばかりが強調されていますけれども、連合国の側も相当ひどかったのだ、ということもこの一例からも分かるなと思います。

まあそんなことを考えてしまうところもあるのですが、「孤児院戦闘団」、好きでした。

あとがきの作品解説も面白かったですし、作者自身による「正誤表」がウェブに掲載されていたりして、そこも面白いです。

メガネっ娘もいいですが、最後の二つのような作品が、もっと読みたいなと思ったのでした。
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