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コミックリュウ10月号で北道もどりさんの読み切り、『耳の母』を読みました!


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(2014/08/19)


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コミックリュウ10月号で北道もどりさんの読み切り、『耳の母』を読みました!

これは、ちょっと不思議なお話です。9年前のある日、帰ってきた5歳の伸樹のお母さんは伸樹にせがまれて耳掃除をします。そうしたらなぜか、お母さんは伸樹の左の耳に吸い込まれてしまったのです。そしてそれ以来、お母さんは伸樹の左耳の中にいるのです。

…この設定自体突飛なのですが、実はコミックリュウってそういう突飛な作品が多いのですよね。なんというかファンタジーというよりメルヘン、という路線なんだな、と今日雑誌を読み直していて思いました。

で、現在。14歳の伸樹は、お父さんと二人暮らし。左耳にいる母さんは伸樹にあれこれ言っています。目は見えず、音だけ聞こえる。声は小さくて、伸樹にしか聞こえない。父さんは、未だに母さんが蒸発したと思っています。

ニュースでは近くの公園で起こった通り魔事件を伝えていました。

そして母さんには、伸樹が頭の中で考えていることは分からないようで、伸樹が他の誰にも聞こえない声が聞こえる自分は幻聴、妄想、精神病なんじゃないかとかいろいろ思っても、母さんはそれには反応しないようです。

しかしわりとかっこ良めの伸樹は、女子にはもてて、それに対して母さんはきゃんきゃんと文句を言うのですね。「ああいう子は絶対ダメよノブちゃん。頭からっぽの馬鹿ばっかなんだから!もー超え聞いてるだけではしゃいだブスが見えたわ!」と小うるさいわけです。

しかし伸樹にも、実は好きな子がいて、それはおさげで素朴な感じの児玉あきらさんなのでした。

耳の中に母さんが本当にいるのか、自分の妄想なのか、迷った伸樹は耳鼻科を訪れます。しかしその耳鼻科は実は、その児玉さんの家なのでした。お父さんに診察を受ける伸樹。でも異常はないと言われ、帰ろうとすると児玉さんが出てきて、「良かったら私が耳掃除しようか?私一応耳鼻科の娘だから上手いって言われてて」と言います。伸樹は母さんに耳掃除をしてもらったことを思い出し、「ごめん、俺、人に耳を触られるのが苦手で…」というと、児玉さんは慌てて「そうだよねごめん、なんかでしゃばって!」というのでした。

伸樹が心配したのは、耳掃除をしてもらうことによって、児玉さんまで自分の耳の中に入れてしまうのではないか、ということなのでした。

伸樹は父さんに、母さんどうしてると思う?と聞きます。すると父さんは「まああいつのことだから南の島で優雅に暮らしてたりしてな」と言います。「そんな女でも惚れた弱みで許し続けてきたんだよ」という父さんに、「本当のこと」は言いだせないでいたのでした。

一方、伸樹はついに勇気を出して児玉あきらちゃんをデートに誘います。すると母さんはもうるさくうるさく口出しして、「ノブちゃんはまだまだママのそばにいてくれると思ってたのに!」と言いますが、伸樹ははっと気がついて、もし付き合ってあれしたりこれしたりしても全部母さんに聞かれるってことか!と頭を抱えます。

デートの日の前の晩。母さんは耳の中で「雨降れ!」といい、晴れると「チッ」と言ってます。ベレーかぶってきた飯田さんは可愛く、動物園行って手作り弁当、おやつにクレープって「ベタか」と母さんは批判します。「うるさい」という伸樹。その中で何となくいい雰囲気になって、キスしようとすると、伸樹の左耳で母さんが「やめろブス」といいます。そしてそれは、なんとあきらちゃんにも聞こえてしまったのでした。

悲しい顔をして走り去ってしまうあきらちゃん。伸樹は母さんに「母さんのせいで嫌われたかもしれないんだから」というと、母さんは、「顔も知らない女に勝手に撮られるなんて腹立ち過ぎて吐きそう!」と叫びます。「もう出てってよ」とつぶやく伸樹に、母さんは「わかった出て行く」と言います。「出て、二度とノブちゃんと話せなくなるくらいならこのままでいいと思ったのよ」という母さんに、伸樹は「絶対出させねーからな!」とかえってキレてしまいますが、そこに現れたのはくだんの通り魔で、伸樹に向かってナイフを振り上げたのでした。

そしてそのとき、母さんが耳から、まるでとぐろを巻くように現れて、通り魔に立ち向かって行ったのでした。

気がつくと、そこは飯田さんの病院。伸樹は「貧血で倒れ」、運ばれていたのでした。父さんは「お前が倒れたって連絡が来る直前に母さんから電話があった」というのです。「いまカリブ海の島にいて子供が七人いる」という母さん。母さんは、そのままどこかに行ってしまったのですね。

伸樹は涙を流しながら、「そんなのうそだよ。ずっと母さんはここに」と左耳を触ると、耳にはもう何もいなくて、いつもはからからな耳あかが、「母さんの涙を吸ったみたいに」湿っていたのでした。

この作品で一番印象に残ったのは、「母さん」が耳から「とぐろを巻いて」現れたところで、これはまあさすがに何事かと思いました。(笑)それに、なぜ耳なんかに入ったのか、耳から出たあとどうなってしまったのか、それも全然触れられていないのもさすがにちょっともう少し描いてほしかったなあという気はします。

でもまあ、こういう不条理性とメルヘン性の境目みたいな作品は、凄く印象に残るなと思います。次の作品も、楽しみにしたいと思います。
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