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月刊アフタヌーン10月号で弐瓶勉さんの『シドニアの騎士』第65話「科学者落合の転生」を読みました!


月刊 アフタヌーン 2014年 10月号 [雑誌]月刊 アフタヌーン 2014年 10月号 [雑誌]
(2014/08/25)


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月刊アフタヌーン10月号で弐瓶勉さんの『シドニアの騎士』第65話「科学者落合の転生」を読みました!

先日単行本13巻が出た『シドニアの騎士』ですが、第65話は13巻の続きになっています。ということはつまり、13巻では9月号の分まで収録されているという訳です。

13巻では融合個体・白羽衣つむぎの活躍が中心になり、表紙自体もつむぎとつむぎに告白した谷風の絵になっていましたが、63話のラストから始まった融合個体2号・かなたの解体作業をきっかけに、かなたに自らの不死の存在への転生をかけた科学者落合が意識乗っ取りに成功し、シドニアの外郭外で艦長小林たちに呼びかける、と言うエピソードで64話は終わっていました。

その乗っ取りの動きの中で、最も頼りになる撃墜王・主人公谷風長道は落合の罠にはまり搭乗する衛人・継衛改二に乗り込もうとしたときに爆発に巻き込まれ、意識不明の重体に陥ってしまっています。

融合個体・かなたは「理論上最強の兵器」である重量子放射線射出装置によって本体が破壊されたはずだったのですが、それをつくった落合(その時点では岐神の意識を乗っ取っていた)は本体を二つ用意していて、破壊しきれなかった本体を中心にエナで超構造体を構成(重力子放射線射出装置以外では破壊不可能)した鎧を身に着け、頭部に重力子放射線射出装置を持った最強の存在として蘇ったわけです。

もちろん、落合が岐神の意識を乗っ取っていたことは一緒に融合個体を開発していた科戸瀬ユレ博士ですら気がついていなかったので、ユレだけでなく艦長小林・衛人開発主任佐々木も驚愕しているわけです。

外郭外でこの動きを見守っていたつむぎと科戸瀬イザナ。つむぎは、この落合の言葉を聞いて、自らを生み出した(お父様と呼んでいた)岐神と同じ人物だということに気がつきます。

科学者落合はもともと600年前に人類を襲うガウナを撃退する唯一の武器・カビを発見したひとりで、そのときのメンバーのうち今でも生き残っている(つまり不死の存在になっている)のが小林とヒ山なのですが、落合は100年前に融合個体の開発に失敗し、危うくシドニアを滅ぼしかけた過去をもっています。落合はそのときシドニアの記憶装置をすべて消去し、自らの『補助脳』の中にのみ情報を保存させていたのですが、捕えられた落合はすべての記憶を消去されて脳はクローンに埋め込まれ、現在その落合は艦長の副官となっています。科学者落合の意識は補助脳の中に封印されていたのですが、岐神が落合の研究室に侵入した際、毒針を持った人形によって意識を科学者落合に乗っ取られていたのです。

しかし岐神はかなたの開発中に回復不可能に近いダメージを受け、それ以来落合の意識がどこにあるのかは分からなくなっていました。

今回かなたの解体作業をすすめることになったとき、あの毒針を持った人形がユレや艦長との会話を立ち聞きしていて、落合が人間の意識を支配下に置き、操るために使っていたシドニア血線虫により、科戸瀬研究所の研究員のひとりの意識が乗っ取られて今回このような事態に至ったのでした。

ついに不滅の肉体を手に入れ、種という概念から解放されたと高言する落合。異変を聞いてヒ山が走ります。そして小林は落合に呼びかけます。「凝りもせず同じことを繰り返すつもりか」と。「あのときとは出来が違う。そして今回は斎藤がいない」と言う落合。斎藤とは、撃墜王と言われた衛人の操縦士でしたが、100年前の事件を解決して以来不死を続けることを拒否して行方不明になり、その後斎藤の換装用クローンとして生み出された幼児=谷風長道を残して亡くなっていたのでした。

小林は、「彼は後継者を残した」と言います。しかしその谷風も、今は救急救命室で生命維持装置に繋がれた状態です。

後継者だと?と笑う落合。600年前から不死の存在として繰り返し艦長の座についていた小林ですから、落合が笑うのも尤もかもしれません。もしガウナとの戦いに勝ったとしても、数千年で人類は滅びるだろうと言う落合。しかし、自分は恒星レムが寿命を迎える数十億年後まで生きることができる、というのです。

小林は、「お前はここで死ぬのだからな」と言います。しかし落合は、「超構造体の俺の鎧を東亜重工製の重力子放射線射出装置で貫こうというわけか。しかしそこにある1基は次に撃てるのは10時間後、もう1基は未完成でシドニアの反対側の格納庫にある。撃てないんだろう」と言います。「情報が漏れている」と焦る司令補の緑川纈(ゆはた)。そのとき、司令室のひとりの目に、シドニア血線虫が動いているのが見えたかと思うと、立ち上がり、艦長小林の頭部を打ち抜いたのです!

驚愕するゆはた。私も驚愕しました。まさか艦長が!艦長の仮面は額の部分が陥没し、明らかに穴が空いています。駆け寄る副官の落合。落合が左手から何かビームのようなものを放つと、艦長を撃った司令室員はバヂンと拘束されます。駆け寄るゆはたに副官落合は「君は指揮を執るんだ!」と叫び、昇降機で医務室に運んで行きます。急遽司令室内の人員が検査され、他にそういう存在がいないことが確認されます。

「すまんな小林。お前がいるといろいろ面倒なんでな」という科学者落合。シドニア外郭外では落合が乗っ取ったかなたと、撃つことのできない重力子放射線射出装置とつむぎ、イザナ。そしてサマリ、弦打、勢威の衛人隊が対峙します。

ゆはたは焦りながらも状況を整理します。本当なら真っ先に重力子放射線射出装置を破壊するはずの落合がそうしていないということは、まだかなたの重力子放射線射出装置は作動できないのではないかと考えます。ユレにそれを確認したゆはたは、落合は逃げる力を蓄えるまでの時間稼ぎをしているのだ、と判断します。

つむぎは科学者落合に話しかけます。「私たちは人類の為に造られたんだと思っていました。どうしてこんなことを…かなたの人格はどうなったんですか?いつ岐神さんの身体から二号に人格を移したんですか?」と尋ねるつむぎに、落合は答えません。

あなたたちでは二号相手にできることはない、下がって、というゆはたに、落合は「あの副官、何か秘策でもあるのか…」と考えます。落合はシドニアもろともその重力子放射線射出装置を破壊するつもりだったのですが、そのすべを失ったので、重力子放射線射出装置だけでも破壊して行こう、と思考を切り替えます。そして、ヘイグス粒子砲を放つ準備をし、それがシドニアに検出されたとき、宇宙空間に飛び出したのはヒ山でした。

「やめて落合!」と叫ぶヒ山に、落合が「ララァ」とその存在を確認した刹那、シドニア内部から重力子放射線射出装置が発射されます。なんと、船体の裏側にあった未完成の一基から、船体越しに二号を打ち抜いたのでした。そのため、それを発射しようとした東亜重工の丹波たちは大変なことになっています。

しかし、二号は完全には破壊されていませんでした。超高速で逃げ出す落合。衛人隊が追いかけますが、二号のスピードは全く彼らの比ではありませんでした。結局二号は逃してしまったのでした。

ここまでの活劇は、やはり艦長銃撃事件が非常に衝撃的でした。私はここで一度本を閉じてしまい、同様がおさまってから続きを読みましたので。まあそれはともかく、この件が非常に衝撃的であったことは間違いありません。

場面は変わり、シドニア船内。ゆはたが一人、病室に向かって歩いて行きます。

ドアの外にいたのは副官落合。病室内に入り、はっとして引き返そうとするゆはたですが、病室内から小林が呼び止めます。枕元に置かれた小林の仮面。ゆはたは、声がつまって物が言えません。

艦長たち最上位船員は、人前に出るときには顔を仮面で隠しているのです。ごく一部の者にしかその素顔は見せません。ですから、ゆはたは仰天してしまったのです。

横たわったまま、「未完成の重力子放射線射出装置を使うとはな。見事な指揮だったぞ緑川」と褒める艦長。「居住区に穴を明けてしまった上に二号を逃がしてしまいました」と報告するゆはたに、「間違いなく落合はシドニアを破壊し尽くすつもりだった。お前はそれを阻止したのだ。本当によくやってくれた」と重ねて褒める艦長に、ゆはたは「ありがとうございます!」といいます。そして艦長はゆはたに、「本日付けで副司令官に任命する」というのでした。

ゆはたの今までの地位は司令補ですから、あくまで司令官である艦長の補助的な役割をするに過ぎませんが、副司令官ということは艦長に次ぐ地位ということで、本当にナンバーツーなわけですね。ということは、小林の他の言葉から察すると、ゆはたを自らの地位の「後継者」に擬している、とも考えられるわけです。そして同時にその地位を与えたということは、ゆはたにも最上位であるかはともかく、かなりの高い地位を与えたということを意味するわけですね。

小林は今まで、圧倒的に強大な敵・ガウナの巨大な巣である(シドニアの数千倍以上の大きさをもつ)大シュガフ船の打倒を考え、かなり無理をして融合個体や重力子放射線射出装置などの開発に力を入れ、ついに決戦が宣言されたときになって、このかなた=落合の件で足元をすくわれることになってしまったわけですね。また艦長自身が狙撃されるなどと言う未曾有の事態に、態勢を固めておく必要を感じた、ということなのかもしれません。この件によって、今までの物語の進行のモードが、かなり変化して行くのではないかということが感じられます。

場面は変わり、科戸瀬邸でのユレとイザナ。この二人はほとんど瓜二つなのですが、ユレは「不死の船員会=最上位船員」の一人なので、不老不死の存在ですからいつまでも若いわけですね。ユレはイザナに自分の仕事のことは一切話していなかったのですが、いま、融合個体の開発についてイザナに打ち明けたようです。

そして、そのときのイザナの言葉が気になります。「まるでもう二度と会えないみたいな言い方しないでよ。」と。

イザナ、おばあちゃん、と抱き合う二人。涙を流すユレと、瞳に涙を溜めるイザナ。

……これは、イザナが出撃する、ということ以外には考えられないですね。その先は、予定どおり大シュガフ船なのでしょうか。それとも、逃げてしまった科学者落合の追跡なのでしょうか。どちらにしても、生易しい事態でないことだけは分かります。

もともと大シュガフ船への攻撃が宣言されたとき、もはや生きて帰れるか分からない、その特攻隊の出撃の前夜のような雰囲気の中で、特別に許されたのが谷風長道とつむぎの船内におけるデートでした。あの濃厚に漂う死の雰囲気が、この二人の会話にも感じられるのが気になります。

場面は変わり、谷風の病室。意識を取り戻した長道は、日付を見て、実に長い間自分が意識を失っていたことを知ります。まだ検査が終わっていない、という看護師を振り切って自宅へ帰る長道。外郭壁の自分の住居の外は緑が生い茂り、まるで人が住んでいないかのようになっています。この家で長道は、いざな、ゆはた、つむぎ、人工生命体の市ヶ谷テルルの4人と同居していたのですが…

玄関のドアに絡み付く蔓をちぎって扉を開けた長道ですが、中に人の気配はしません。「誰もいないの?つむぎ?誰か?誰か!」と、長道の声はただ虚しく、室内に響くのでした。

……うーん。新型防巡艦・水城の出撃のときは同居者全員で出撃しましたから、今回も他の4人が出撃していても、おかしくはありません。しかし、ここで思い出されるのはこのストーリー最大のヒロインである星白閑が戦死したときのことです。このときも、長道は岐神の策略にはまって重体となり、その意識がない間に星白は死んでしまったのでした。

星白の戦死のときも、その前に長道と気持ちが通じ合い、海水層で二人きりのデートが実現すると言う「フラグ」が立っていましたが、今回も、ゆはたには異例の昇進、イザナとユレとの別れ、そしてつむぎはつむぎには思いがけない長道からの告白と船内でのデートと言う、これ以上ないほどの幸せの、そして何かを意味するフラグが立ちまくっているのですね。

そう、今書いていて思ったのですが、最上位に近い船員となったゆはたは、谷風と同居するということがすでに許されなくなったのかもしれませんね。次に出て来るときには、ゆはたも仮面をつけているのかもしれません。そうしたらユレに続いてゆはたも不老不死になっているのかも…

この不吉な雰囲気を引きずったまま、65話は終わりになりました。

……ンマー。

さてさて、これであと一ヶ月、また展開が待たれることになりました。実際、彼女たちがいったいどこへ出撃したのか、それさえも分かりません。そして今、どういう状態にあるのかも。次回はおそらく、長道が意識を失っている間、作戦面でシドニアで起こっていることが話の中心になると思われますが、本当に待ち遠しいですね。

今回は本当に、物語の重層的な構造の中に登場人物たちすべてが巻き込まれて行く、本当に重厚な展開になったと思います。次回以降どのように物語が展開して行くのか、本当に楽しみだなと思いました!
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