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石井さだよしさんの『解体屋ゲン』第594話「建設下克上(4)」を読みました!

週刊漫画Timesで石井さだよしさんの『解体屋ゲン』第594話「建設下克上(4)」を読みました!

建設業界で起こっていることをネタにしてヴィヴィッドなストーリーをつくり続けている「解体屋ゲン」ですが、今回は建設業界の宿痾、元請け・下請けの上下関係を壊そうという動き、ゼネコンがまとめて仕事を分配するというのではなく、すべての業者が協業の態勢で仕事に臨むと言う、水平協業のやり方を広めようとする話で、それにチャレンジしている新興の「二機建設」とゲンとの関わりの話です。

しかしこういう話は、既得権を持っているゼネコンには面白くない話ですし、建設業界には当然のことながら政治家も絡みますし、やくざなど裏の勢力も動いているわけです。そして二機建設にもその魔手が及び、創業者二人が襲撃された現場にゲンが踏み込んだ、という時点から今回のお話のはじまりです。

「素人に手を出したらどうなるか分かってるんだろうな!」と叫ぶゲンですが、やくざの古川は「んなこたあ百も承知なんだよ!」と開き直っています。二期建設の新井は重傷を負いながら、「あなたは分かっていない」と話しかけます。「もうすぐ与党からゼネコン各社に協力要請がはいる」と。また岩崎は「ぼくらが働きかけたのはアメリカ議会だ」といい、古川は「おめえらはアメリカの手先でゼネコンに圧力かけてるってことか」と余計怒りますが、隙を狙ってゲンはテーブルをひっくり返して古川を押さえつけ、三下二人をぶっ飛ばしたところで、ゲンと同行していた住菱建設の内田佐知が警察を呼んでいて、ゲンたちも助かったのでした。

生きてるか、と尋ねると「これで診断書がもらえれば目論見どおりです」と答える新井。彼らはもともと、ゼネコンと暴力団の証拠を集めていて、告訴をちらつかせて自分たちの自由を守る、という決意の元に今回の事態を目論んでいたのでした。もちろん命がけですし、上手く行かなかったらどうなったか分からなかったわけですが。

三日後、とある海岸で新井と岩崎の話を聞くゲン。新井の父はハウスメーカーの下請けの工務店を営んでいたところ、バブル崩壊で親会社が倒産し、本社の連中がつくりかけの家を放り出して逃げる中、無給で仕事を続け、二棟の家を持ち出しで仕上げたというのです。しかし、その後、何かが切れたのか、ある日フッと姿を消し、帰って来なかったのだと言うのです。

新井はその後がむしゃらに勉強し、正直者が損をしない社会、ピラミッドのような元請け下請け構造を持たない社会をどうやったら実現できるか模索し続けてきたのだそうです。

親父さんには会えたのか、と尋ねるゲンですが、まだ生きているのか死んでいるのかも分からないのだと言います。

新井は、今回の件でゼネコンもあからさまな妨害工作はできなくなったし、ゲンさんのお陰で暴力団をぶっ飛ばしたって評判も得た、と。

彼らの目標は、まず小さな工事でいいから水平協業を実現すること。小さな規模でも全員が対等な立場で仕事をすることに意味がある、と言います。そして外国人労働者が大勢働く時代が来ても、彼らが不当と感じない働き方があるはずだ、と。そこまで見据えてそういう態勢をつくろうとしているのですね。

現実はそう上手く行くもんじゃない、と言いながら、お前らの風呂敷ははるかにデカいよ。と感心するゲンでした。

しかし新井は、ゲンの過去に触れます。ゲンは昔事故で婚約者を亡くし、それをきっかけに業界に入ってゼネコンと戦い続けてきた、自分たちと一緒に新しい社会を実現しませんか、と迫ります。

俺は人の敷いたレールに乗るのは好きじゃないけど、お前たちのやり方は嫌いじゃないから、仕事を振ってくれればできるだけの協力はする、とゲンはいい、二人は喜びます。しかし、ゲンは「どんな些細なことでも仕事に私怨を持ち込むんじゃねえ」と釘を刺します。

いろいろありがとうございました、と別れ際にゲンは声をかけます。「自慢の息子だな!親父さん、きっとどこかであんたのことを見守ってるさ。あんたの活躍を誇りに思ってるに違いないよ!」と。涙ぐむ新井。ゲンは軽トラを運転しながら、新井の飛ばした紙飛行機を見ます。そして、「さて、俺も頑張るか!」と思うのでした。

元請け・下請け構造の弊害というのはずっと以前から言われながら、やはりなかなか変えられない、日本の業界の宿痾のようなものだと思います。この二機建設のような試みが実際にあるのかどうかは知らないのですが、もしそういうところから世の中が変わって行くと、いろいろな面で風通しの良い、希望の持てる社会になるかもしれないな、と思います。

そして「自慢の息子だな!」と励ますゲンの暖かさ。非常にクレバーで世の中を変えて行こうという情熱あふれる二人ですが、やはりそういう温かい心の交流もまた、人を動かすものだよなあ、と思いました。

来週も楽しみにしたいと思います。
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