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青木幸子さんの『茶柱倶楽部』、第6巻と第45話「親は空、子は翼」を読みました!


茶柱倶楽部 6 (芳文社コミックス)茶柱倶楽部 6 (芳文社コミックス)
(2014/09/16)
青木 幸子

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週刊漫画Timesで青木幸子さんの『茶柱倶楽部』第45話「親は空、子は翼」を読みました!

先日単行本6巻が出た『茶柱倶楽部』。第6巻は、主人公の伊井田鈴(いいだ・すず)が移動式茶屋を始めるきっかけになった佐賀・嬉野の佐山高子さんと、一度は生き別れになった弟と思った台湾の李さん、そして李さんと知り合うきっかけとなり、友達になった桃花と京都を旅行する話からはじまり、そのあと桃花と沖縄へ行って、沖縄で桃花の先祖との関わりが見つかって、それを調べて行くことによって沖縄の隠れた歴史を知る、という大きな話になっていました。

3巻の台湾編での話は戦後の引き上げの時の混乱と、そのときに怒ったことの謎解きをして行くのが話の中心になっていましたが、6巻では戦後の沖縄の貿易が禁じられた時代の台湾との密貿易の話や、海洋博景気とその冷え込みによる会社の倒産や一家離散と言った話が出てきて、個人のストーリーと歴史が絡んで来るためになかなか簡単には感想を書けない感じだなと思っていました。とりあえずここに短いですが紹介させてもらいました。

第45話は読み切り。舞台は広島です。

広島、厳島神社の近くで鈴が待ち合わせをしていたのは、なんと故郷・静岡でお茶屋をやっている父でした。そして父が取ったというホテルに移動式茶屋・販売車で向かう二人ですが、どういうホテルかは知らないと言います。そこに自転車で近づいてきた男が助手席の父の窓をこんこんとやると、父は「いろいろとありがとな!じゃあ現地で!」と言っています。どうやらこの自転車の男が父の知り合いのようです。お茶屋かと思ったら、中学の時の友達で、今はセスナのパイロットだ、とのことでした。父はこの幼なじみに会いにきたようです。

泊まったのは尾道にある自転車乗り向けのホテル。港の倉庫を改造し、自転車屋やベーカリーがあって、まるで「かわうその自転車屋さん」みたいだと鈴は思います。(かわうそ店長とヨーコちゃんの小さなカットまでありました・笑)やってきた男は坂上と名乗ります。気がつくと坂上は紙ヒコーキを折っていて、興味を引かれた鈴が話しかけると、折るのはお父さんの方が上手い、というのでびっくりすると、坂上は「おれら紙ヒコーキで友達になったんよ」というのでした。

初めて聞く父の中学生時代の話。広島から転校してきた坂上が紙ヒコーキを飛ばしているのを見て鈴の父が話しかけ、そのうち紙ヒコーキがどうやったらよく飛ぶか、お互いに研究するようになったのだそうです。「誰にでも子供の頃があるんですよね」という鈴に、坂上は一瞬顔を曇らせ、「子供の頃のことを忘れたらいけんの」というのでした。

それから父と坂上の二人は自転車で方々に出かけ、福山の紙ヒコーキ博物館にも行こう、と言っています。神社の境内で坂上が紙飛行機を飛ばすのを見ていると、全身を使ったダイナミックなフォーム。本気で投げると10回で膝が笑うのだそうです。

父と二人で話している時、鈴は坂上さんに会いたくてきたんでしょう、と聞くと、父は「違う。坂上がお前に会いたいって言うから来たんだ」というのでした。鈴が生まれた頃坂上にも息子が生まれたのですが、その子は生まれて半年くらいで亡くなってしまったのだそうです。「子供の頃のことを忘れたらいけんの」という坂上の言葉を思い出して思わず暗い表情になる鈴でしたが、父は「そこは暗くなるな。相手の気持ちを酌むのも時と場合による。会ってよかったと思ってもらえればいいだろう」というのでした。「坂上さんはなぜ私に会いたかったのかな…?」と考えて鈴は、「私にできること…明日、朝茶会を!」というのでした。

翌朝、移動式茶店で鈴が出したのは大きな急須に入れてクーラーボックスで冷やしたお茶を、小さなデミタスカップに注いだものでした。「ゆっくりと目覚めて行きたい夏の朝のために、「八女の玉露の二重出し」です」、と鈴は言います。お茶屋の父も感心したその煎れ方は、多めの玉露に少なめの低い温度の湯を注ぎ、クーラーボックスで冷やすことで、熱さで立つ香りと冷温で出るうまみの両方が入った一杯をつくった、というのでした。

これは本当に、美味しそうですね。

急須と茶碗と、熱心に語る鈴を見て、坂上は「奥さん似でよかったというたけど、中身はお前似か!」と笑うのでした。

福山の紙ヒコーキ博物館で、坂上と二人になった時、坂上は「あいつは親ばかで、よく移動茶店なんて許したと思う、そういう思いでいる人のことを忘れたらいけんのんよ」と言います。「あいつの代わりに説教の一つもしようと思ってたけど、あのお茶の煎れっぷり見たら何も言えないわ」と。坂上も父の娘に対する思いを代弁したいと思っていて、でも鈴のやってることを一人前と認めてくれたのですね。

三人の投げる三つの紙飛行機が自由に空に羽ばたいたのを見て、鈴は「それぞれの飛び方で空へ。茶柱倶楽部もこんな気持ちのよい旅ができますように」と思うのでした。

茶柱倶楽部、1巻かけた長いお話もいいのですが、私個人としては1話読み切りのこういう話がとても好きです。
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