個人的な感想です。

マンガ・アニメの感想を書いていきます。『進撃の巨人』『ぼくらのへんたい』『ランドリオール』など。

『信長のシェフ』第98話「ケンの決断」を読みました!


信長のシェフ 10 (芳文社コミックス)信長のシェフ 10 (芳文社コミックス)
(2014/07/08)
梶川 卓郎

商品詳細を見る


週刊漫画Timesで西村ミツルさん、梶川卓郎さんの『信長のシェフ』第98話「ケンの決断」を読みました!

主人公のケンは、現代から戦国時代にタイムスリップして飛ばされ、記憶を失って織田信長の元で料理人を務めています。この物語の時代では信長は足利義昭を京都から追放し、年号は天正に変わっています。当時、信長の大きな敵として石山本願寺がありましたが、ケンは明智光秀とともに宗主の顕如の元に使者となって訪れています。信長が放った間者・の正体が露見してしまい、普通ならただ殺されて終わりのところ、顕如は信長に書状を送り、使者としてケンを指名し、申し開きをするように伝えてきたのです。

信長はこれは顕如の腹の内を探るよい機会と捉え、ケンと明智を本願寺につかわしました。

は信長の間者として石山本願寺に潜伏していましたが怪しまれていました。しかし本願寺にはケンと同じようにタイムスリップしてこの時代に紛れ込んでいたようこが保護されていました。ケンとようこは現代では関係があったようなのですが、ようこには記憶があるようですがケンは記憶が消えているので、ようこはケンが自分を知らないフリをしているようにしか見えていなかったのでした。

ようこは捕えられているにケンのことを尋ねます。は潜伏中、ようこの弟子としてようこのお菓子作りの技術を学んでいました。そしてケンが記憶を失ったということを知り、自分のことを知らないように振る舞った理由も理解したのでした。そしてようこはの命を救えとハンガーストライキをします。その話を聞いた顕如は、織田に書簡を送り、使者にケンを指名したのでした。ケンは個人的にも親しいの命を救うため、信長に願い出て使者として行くことを許されたのです。

石山本願寺での交渉はまず明智と坊官・下間仲孝とのやり取りになりますが、顕如はずばり本題を切り出します。ケンを石山本願寺に譲渡しろ、それが和睦し楓を生きて返す条件だ、と。ようこからの話で過去(というか未来ですが)ようことケンが深い仲にあったことも知っている顕如は二人で住む家も与え、織田と同じ待遇を与える、というのでした。

なぜ自分を、と問うケン。その答えはそなた自身が持っている、という顕如。顕如はケンに、帝に献上する生臭ものをつかわない料理を作れ、と命じます。そしてようこにケンを案内するように言い、彼を説得しておいでなさい、というのでした。

台所で、ケンはようこに尋ねます。自分は何者で、あなたとどういった関係なのかと。ようこは答えます。

京都の小さなホテルで、自分はカフェテリアのパティシエールとして、ケンはレストランで副料理長として働いていたのだと。この二人の話から、今回の話は始まります。

「あなたと私は」と言いかけたようこでしたが、寺僧に促されて「今は楓さんのことを最優先に考えましょう」と言います。

ケンは「石山本願寺にあるだけの食材を見せてください」といい、用意されたものを見て料理を始めますが、何かに気がついたケンは、「もしかして俺が働いてたのはフレンチの店ですか」と尋ねます。ようこは、「夜はフレンチを主体とした西洋料理を提供していた」と答えます。ケンは「ああ、やはり」と答えたのでした。

今回、ケンの心の動き、独白はほとんど出てきません。このシリーズは全体的にようこから見た形で構成されていて、心の動きや独白が語られているのはほとんどようこだけです。ですから、この展開の中でケンが何に気がついたとか、どういう風に考えているのかなどは全然分かりません。実際に起こす行動を見ているばかりです。もともとようこや出て来る他の女性、刀鍛冶の夏などについてもどう思っているのか、なかなか分かりにくいキャラクターではあるのですが。

出来上がった料理は三通り。どれも華麗なできばえで、白黒なのがもったいないです。(これは『美味しんぼ』などを読んでいてもよく感じることでしたが)前菜に枝豆のムースや雑穀のコロッケなど、メインは「バーニャカウダ梅干しソース」、イタリアの料理でした。卵の代わりに山芋を擂り下ろしたものを使ったスペイン風オムレツ、ポタージュのパリ風、豆腐のピロシキ、チシャのザウアークラウト、などなどロシア、ドイツ、フランスと様々なものをつくり、「以上が帝が食したことのない精進料理です」というのでした。

下間仲孝は、料理のできばえに脱帽し、顕如がこのものにこだわる理由が分かりました、と言います。顕如はようこに、同じようにつくれますか、と尋ね、ようこはできて二三品かと、と答えます。

顕如は言います。料理は外交の場に置いて一つの武器になりうる。外交、流通の良し悪しなどが透けて見えると。これは西村ミツルさんがブログなどでも書いておられる(西村さんは公邸料理人として働き、『大使閣下の料理人』などの著書もあります)ことですね。戦国時代というより、むしろ現代に当てはまるセリフです。そなたの西洋料理は誰にもマネできない。だから、織田のところにおいておくわけにはいかない、と顕如は言うのでした。

それを聞いたケンは答えます。「問題は俺の料理ですか。ならば俺の得手、顕如さまにお預け致しましょう。これでいかがでしょうか」と。

私の許可なくして西洋料理はつくらないというのか、という顕如に、ケンははい、と答えます。西洋料理だけでよろしいですか、とまで畳み掛けるケンに、仲孝はそんな約束は…と言いますが、顕如は以前、織田信長が「あれは腕一本切り落としても毒となる量は盛らぬ」と言ったことを引き合いに出し、「私は彼の目利きに関しては信用していましてね」というのでした。ケンの言うことは信用する、と。顕如は、「よいでしょう!楓と引き換えにその腕いただきましょう」というのでした。

ケンはその腕を封じてでも楓を救いたいと思っていること、信長の元にいたいと思っていること、をはっきりと示したことになりますね。この身の処し方は、なんだか戦国武将みたいだ、とも思います。ケンもこの時代に来てその空気に触れて感化されたのか、それとももともとそう言う人間だったのでしょうかね。それにしても・・・・・・単純に、ケンはこれから一体どんな料理を作ってくんだろう?と思いました。

解放された楓。ようこは楓に「あなたは私がここに来て初めてできた唯一の女友達だった。楽しかったわ。ありがとう」と言います。楓も「泣き顔には辟易したが私はあなたと一緒にいるのがいやだと思ったことは一度もない」と言い、ケンもようこに一礼して石山本願寺を去ります。

顕如は、信長は外交の一手を封じられて、政治に力を入れるだろうと読み、自分は信長が手に入れたばかりの越前の門徒に使いを送って、武力的に攻勢に出よう、と策を巡らします。

ようこは、顕如にケンと暮らすという条件を出されたときになぜ動揺したのだろうか、と自分に問い直します。楓の「私には必要な方が他にいて、その方のためになるためには恋愛感情は邪魔だ」ということばに、自分の感情を問い直します。つまり、「ケンのためになるというのはどういうことか」と問い直したのでしょうか。それは信長に仕えることではないのか、と考えているのでしょうか。

そんなようこに、本願寺にやってきた「珍客」が声をかけます。その男は僧侶のなりをしていましたが、その男を見たようこは「松田さん・・・」と驚きます。この男も現代からやってきた男のようです。

というところで今回はここまでです。

ようこはもちろん、明智光秀が織田信長を討ち取ることとか、当然知ってると思いますが、(そう言えばケンも知ってるはずですけど)それに対してどういう対応を取るか。まあそのへんはストーリーを崩壊させてしまうから触れるのはタブーなんだろうとは思いますが、大体このようこというキャラクターはそう言うことには関心はないだろうなとは思います。

ところで。

扉に西村ミツルさんのクレジットとして「料理監修」となっていたのであれ?と思ったのですが、いろいろ調べてみると西村さんは「原作者」を降りたようですね。現在のところ「料理監修」の肩書きがついていますが、それも103話まで(11/28発売)とのことだそうです。内容について編集部と折り合えないところが会ったから、とのことで、ブログを読むとそのことについても書いてあるのですが、残念だな、と思います。ケンが「西洋料理を封印する」と言っているのも、このことと関係あるのかもしれません。

9/18付けのブログを読むと、森可成の最後の料理を構想した時、コーヒー豆をつかった料理を考えたのに、他の連載でコーヒーのマンガがあるからそれはだめだと言われてカカオ豆にしたけど不本意だった、というようなことが書かれています。なるほど、そう言うことが問題になるんだな、と改めて思いました。(私なら気になりませんが、気にする方はいらっしゃるんでしょうね。またそう言う「バッティングするネタは取り上げない」という不文律のようなものもあるのかもしれません。・・・けっこう同じ雑誌の中でネタがバッティングしてることはよくある気がするんですけれども)

そうなると、新たに日本料理か中華料理の専門の方を料理監修に迎えて、話を書き続けるということになるのかな、とか思いました。大人向けのマンガ雑誌だけあって、「大人の事情」もいろいろとありそうです。

しかし、戦国時代の虚々実々の駆け引きの中で現代から迷い込んだ料理人がその腕を発揮して局面を動かして行く、という発想自体は面白いと思うのですよね。信長が滅ぶのもそんなに先のことではないわけですし、展開を楽しみにしたいなと思うのでした。

また、西村ミツルさんももう原作はやめるような感じなのですが、料理人の感性が生かされた作品を、どこかで読むことができたらなあと思うのでした。

スポンサーサイト

*Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

Menu

プロフィール

Author:kous377
FC2ブログへようこそ!

最新記事

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR