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週刊漫画Timesで安藤維子里さんの『水の箱庭』第10話を読みました!


水の箱庭 1 (芳文社コミックス)水の箱庭 1 (芳文社コミックス)
(2014/07/08)
安堂維子里

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週刊漫画Timesで安藤維子里さんの『水の箱庭』第10話を読みました!

熱帯魚店ではたらくアクアリストを主人公にした『水の箱庭』、とびとびの掲載ですが単行本も1巻出ています。家や商業施設に置き、中にいる魚や水棲生物を見せる水槽を設置したり観賞用の魚などを売るお店を日本語でなんというか、まあ普通は熱帯魚店ですけど、別に熱帯魚だけではないので、たとえば「観賞魚店」というような名称にしたらどうかと思いますが、つまり、そう言うお店で働く主人公・朝霞水紀を主人公にしたお話です。

この第10話は第9話から第11話の3週連続掲載の2回目なので取り上げ方としてはちょっと中途半端なのですが、印象に残ったので書いてみたいと思います。

お話は3つのストーリーが同時に展開しています。一つは、駅前地下道に直結した商業施設のエントランスに置く巨大水槽を、どういうものをつくるか、というお話。その企画をめぐり、水紀と同僚の浜口、森本が企画を競い合う、という内容です。水紀には行方不明の兄がおり、大きな水槽を持っていた天才的なセンスの兄に見てもらうチャンスと感じた水紀は、ぜひ自分の企画を通したいと思っています。

2つ目のお話は、わがままな女の子とそれに振り回されがちな男の子が店にやってきて、二人暮らしのワンルームマンションで黄色く小さなハコフグを飼う、というお話。これは「黄色いサイコロ yellow dice」という種類のものですね。私は以前「黄色いサイコロ」と題した詩のサイトをやってたものですから、当時から検索するとこのフグが出てきて、注目してはいました。何か妙な縁があるものですね。(笑)

三つ目は大きなマンションに住んでいる中年の夫婦がベランダに水槽を置きたいという話が持ち込まれて、それをどう対処するか、という話。この三つが同時進行して進んで行きます。

第10話はまずベランダの水槽に使う、なにやら陶器の壷が届いている場面。叩くといい音がします。これがどんな水槽になるんでしょうか。

続いてハコフグのターン。わがままな女の子が一生懸命飼っていたハコフグが死にそうだ、という話を聞いて水紀は駆けつけます。するとハコフグと他の魚が何匹か、水に浮かんでしまっていて、水紀は「この泡…ハコちゃん毒を出しちゃっていますね」と言います。実はハコフグは単独で飼わないといけない魚なのですが、一緒に暮らしていた彼氏が「海ではいろんな生き物に囲まれて暮らしているんだから一匹だけでは不自然だ」と思って勝手に沢山の熱帯魚を入れてしまっていたのですね。するとストレスを感じたハコフグが毒を分泌し、他の魚は死んでしまったのです。

「お魚みんなだめになっちゃったじゃない!」「俺のせいかよ!」「そうじゃん!」「ほんとなんでも俺のせいだよな。もう付き合ってらんねーわ。出て行く!一人で思い通りにすればいいよ!」

ということになっていたわけです。

水紀は「残念ですが魚たちもこの水槽もだめですね。」といいます。ハコフグはストレスを感じるとパフトキシンという毒を出すのだそうです。そして水槽が小さいとその毒がハコフグ自身にも回ってしまうのだそうです。そして水槽も濾過装置も全部汚染されている可能性があるので、一度リセットして洗浄しないと使えないのだそうです。

「つまり、もう取り返しがつかないってことよね」…と泣く女の子。「こちらで処分しましょうか?」という水紀に、女の子は「自分でやりたいです」と言います。帰りがけ、水紀は考えます。もっと強く(飼うことを)止めるべきだったかな、と。でも、目を輝かせてハコフグに見入り、きっとそれまでにない熱心さで買い方をしっかりメモしていた女の子を思い出すと、「あれは確かに出会いだった」と思うのでした。

女の子はハコフグをハンカチに乗せて両手に乗せます。本当に5センチもない、小さなハコフグ。「自分の毒で死んじゃうなんて」と思う女の子。いつも男の子にキイキイ文句ばかり行っていた自分を思い出します。もう取り返しがつかない。「ハコちゃんの墓」と書いた植木鉢に土を入れ、その中にハコフグを埋める女の子。「リセット…か…」というセリフ。

うーん。人間関係というのもそう言うものですよね。そしてよかれと思ったことで失敗したり、その失敗を許せないことですべてがおじゃんになったり。そんな甘酸っぱい思い出を思い出しますね。

一方駅地下水層の店内コンペ。浜口は樹木のイメージのシンボルツリーを水槽内につくることを提案しますが、大人しめかな、と店長に却下されます。そして森本はキャンディボトルに珊瑚礁が入っているイメージの、明るくて華やかな作品を提案しますが、ありきたりな感じだ、とこれも却下。水紀の作品を見て森本も沢口の電流に撃たれたようなショックを受けますが、店長は「不可能だろ」と却下します。(で、どんなものかは描かれていません。)三人はなおさら闘志を燃やすことになります。

しかし水紀は考えます。どんなにつくりたくても無理なものはある。つくれるものから発想して行かないとだめなのかな…と。しかし社長と話をしていて「前に言ってた「自分の水槽」は作れそう?」と聞かれてはっとして気を取り直し、「はい、作ります」と答えたのでした。

さて、ベランダに日本庭園を作った中年夫婦のマンション。落ち着いた庭園の中に水槽が置かれています。睡蓮鉢。その中にいるのはメダカだそうです。金魚は睡蓮の根を食べるのでメダカがいいのだそうですが、「楊貴妃メダカ」だとか「楊貴妃出目」「琥珀ヒカリ」などみやびな名前がついているんですね。睡蓮鉢は手入れがいらず、ボウフラもメダカが食べるので、屋外に最適なのだそうです。

しかし、雨が降ってきて室内に入ると、水槽はガラスではありませんし室内ではないので暗くなると全く見えない、と少しがっかりするご主人ですが、「雨の日を楽しみにして下さいね」という水紀の言葉を思い出します。

すると睡蓮鉢から、コロン、キロン、というきれいな音が聞こえてきます。

奥さんはその音に気づき、「あなた、これはね…水琴窟よ」と言います。台座の中に壷が入っていて、雨が降って睡蓮鉢からあふれた水がしたの流水に落ちて、その音が壷の中で反響する仕掛けなのだそうです。

「見えなくても美しい水槽なんて思いもよらなかったわ」という奥さん。「祖父の家の庭が日本庭園でね。水琴窟もあったのよ。私もいつかそんな庭のある家に住みたかったの」と言います。

思いがけない形で願いが叶った二人は、雨の降る庭の睡蓮鉢をじっとながめているのでした。

今回はそれぞれの話がそれぞれ面白かったのですが、特に「自分の毒で死んじゃう」女の子の話は考えさせられるものがありました。多分私も結構毒を出すタイプなので(笑)、近くに他人がいると自分の毒で自分も周りも傷つけることがある気がしますし、広いところにいるとそう言うのが中和されて楽になるところはあるなあと思います。人間の暮らし方にもいろいろタイプによって望ましい暮らし方があるよなあと思いました。

というわけで3つの話のうち2つが終わった、のだと思いますが、ということは次回は駅地下巨大水槽の水紀のプランと、実際に設置されたのがどういうものになるのか、ということが描かれるのだろうと思います。楽しみです。

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