個人的な感想です。

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灰原薬さんの『応天の門』第2巻を読みました!(1)平安時代前期のオースルターキャスト!


応天の門 2 (BUNCH COMICS)応天の門 2 (BUNCH COMICS)
(2014/10/09)
灰原 薬

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灰原薬さんの『応天の門』第2巻を読みました!(1)平安時代前期のオースルターキャスト!

この作品は新潮社のマンガ雑誌、「コミック@バンチ」に連載されている作品で、私は書店の店頭で見て第1巻を買いました。第1巻についてはこちらに感想を書いてありますが、平安前期(応天門の変の直前、864/5年)を舞台にした作品で、若き日の菅原道真(864年で19歳)と『伊勢物語』などの印象とは違う精悍な武官の在原業平(同じく39歳)の二人が主人公という感じです。作中の二人の官位は道真が文章生、業平が(左近衛)権少将です。業平がこの官位にあったのは864年4月から865年4月なので、この一年の間の出来事という設定だと考えていいと思います。

第2巻ではまず冒頭の第6話が大学寮で学ぶ道真が先生の橘広相に呼ばれ、唐から輸入された竹簡の文書を書写するときに怪異が現れる、という話です。道真がその謎を解くわけですが、その中での謎解きに作中今までもちょくちょく現れる紀長谷雄と唐物輸入商の昭姫という唐人女性が一役買います。

その怪異の謎には、唐代の詩人・白居易(白楽天)の詩にも出てくる死者の霊を蘇らせると言う反魂香が関わって来ます。白楽天は道真が1歳のときに亡くなったほぼ同時代の詩人なのですが、その詩はすでに存命のうちに日本に到来しており、道真自身の漢詩が白楽天と比較されていたり、また白楽天自身も自分の詩が日本(と新羅)で読まれていたことを知っていたのだそうです。

私は反魂香と言うと落語を思い出してしまうので最初に読んだ時は違和感があったのですが、むしろ道真とある意味縁の深い題材だったんだなあと調べてみて初めて知り、感銘を受けた次第です。

第7話と第8話は在原業平と縁の深い女性、すなわち藤原高子の女房が邸内で物の怪に襲われた、という話の顛末です。これは文学史では有名な話ですが、六歌仙の一人にも数えられる業平は、後に清和天皇の女御として入内する高子と、駆け落ち事件を起こしています。私は高子が20歳くらいの時の出来事なのだろうと何となく思っていたのですが、高子が20歳だとすでに清和天皇の御代になっており、業平も順調に昇進している時期になってしまうのですね。作中では高子が11歳のとき(!)の出来事とされており、そうなると文徳天皇時代で業平が不遇の時期ですから、計算は合います。ちなみに業平は28歳ですので、今では問題になりますね。(当時ももちろん問題になりましたが、年齢のためではないわけです。)

物語の時点では高子は清和天皇が16歳になったら(866年)入内するということになっていて、そのために藤原氏に用意された屋敷に住んでいる設定です。高子の女房に異変があったということで天皇の摂政を務める叔父の良房と兄で良房の養子になっているの基経が駆けつけるのですが、基経と高子の実兄である荒くれ者?の国経と遠経に高子の屋敷を警備させる、という話になるのです。

もともと自由奔放な性格なのに、彼らに監禁されるに等しい状態にされた高子は、救いを求めて業平に文を送るのですが…

ということで、続きはまた明日書きたいと思います。

なんだか今日はマンガの感想というより歴史の解説みたいになってしまいましたが、平安前期というのはなかなかマンガにも取り上げられませんし、でもこうしてひとつひとつ考えてみると結構キャラがたっている歴史上の人物というのは多いんだなあと思います。

藤原氏に権力が集中して行きつつあるその時代にあって、業平と道真はその流れに抗したある意味スター的な存在なのですよね。遠からず題にもなっている応天門の変が起こることになりますし、またおおどかに書かれがちなこの時代の都の雰囲気も、唐人の女商人などを出すことによって結構海千山千の雰囲気が出ていて、わりと斬新な平安京像が描かれているように感じました。

藤原高子が道真を手玉に取るところなど面白いなと思いますし、道真が「あんなに強烈な姫だと思いませんでした。よくあんな方を攫って逃げたりしましたね」と言うと業平が「……はは。だから、だ。」と答えるところなど、味わい深かったです。

この二人は若い才能のあるエースと焼きの入ったベテランのコンビという感じで、『アンタッチャブル』のケヴィン・コスナー演じる若き財務官エリオット・ネスと、ショーン・コネリー演じる老警官・ジム・マローンを思い出させます。タイバニなんかも同じパターンですね。

ということで、また明日続きを書きますのでよろしくお願いします!
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