個人的な感想です。

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ふみふみこさんの『人工精霊タルパちゃん』を読みました!面白かったです!


人工精霊タルパちゃん人工精霊タルパちゃん
(2014/10/10)
ふみふみこ

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ふみふみこさんの『人工精霊タルパちゃん』を読みました!

この本は「Kiss Plus」と「Kiss」に掲載されていたオムニバス・ショートストーリー、全14話を収録した作品です。話し相手のいないひとりぐらしの女性、20〜30代の女性が話し相手=人工精霊を『意識を集中して』作り出す、というお話。一人だけ中学生でお母さんと暮らしている子が出てきますが。

1話は在宅ワークの話し相手のいない垂金さん30歳、2話は書店勤務の物が片付けられない前田さん26歳、3話は愚痴を言う相手が欲しい雑貨屋勤務の奥村さん27歳、4話は意味のない会話ができる相手が欲しいフリーライターの竹中さん33歳、5話はもう一押しが欲しい奥村さんの友達高橋さん27歳、6話は友達と話せない中学生加藤さん14歳、7話は壁ドンに憧れる会社員山下さん26歳。

8話は再び前田さん、9話は魔法少女のコスプレをする相棒が欲しい公務員の山田さん31歳、10話は再び加藤さん、11話は山下さんの友達で自分も理想の彼氏のタルパを作ってしまったデザイナー佐々木さん26歳、12話は再び奥村さん、13話は初めにもどって垂金さん、14話はタルパを消すタルパを作ってしまった美川さん32歳とタルパが消えてしまった皆さんのお話、という感じです。

自分で夢想して話し相手を作る、というお話はよくありますね。作者のふみさんも小中学生の頃、自分で頭の中に話し相手を作ってマンガの話をしていたのだそうです。また、「ぼくらのへんたい」の中でもまりか=裕太が人形たちと生き生きとした会話をしていますが、それは本質的に同じかなと思います。亮介=唯が死んだお姉ちゃんと話をしているのは、どこまでそうなのかは良くわからないのですが。

童話や少年向けのお話の中にもそう言う話は沢山ありますし、私は最初に思い出したのは山田章博さんの「カフェ・ド・マキニカリス」に収録されている「GHOST」という作品なのですが、どちらにしても幼い頃のこと、あるいはその延長上にある話、という感じがします。

この作品は、やはり現代の都会に暮らす20〜30代の女性がそう言う『人工精霊』を作って話し相手にしている、というところが特徴だと思いますし、必ずしも自分の言ってほしいことだけを言わせているのではなく、(もう一押ししてほしい人にもう一押しする、という精霊もいますが)自分が触られたくないことにずけずけ触ってくるけど憎めない、という感じのタルパが多いところが面白いなと思います。

成長しなければいけない、と思っているけれども成長したくない、という思いもある。そんな葛藤の中で生きている人に、ひとときの安らぎを与える、そんな存在であるように思います。

その成長の中で、何時しかその存在は忘れられて行く、それが「タルパ」のあるべき姿のかもしれない、とも思いますし、ふみさんもそう言う方向で描かれているように思いますが、でもその一緒に過ごしたひとときを大切に思っていて、忘れたくない、という思いも感じます。

あとがきを読むと、実際にそう言う存在を作っている人は、結構多いのかもしれないな、と思います。それがその人に取ってどういうことなのか、良くわかりません。私なども若い頃から自問自答しているうちに今思うと世間の一般的な基準からどんどん外れて行って結果的に周りから見ると変なことをしてしまう、ということがよくありましたのでむしろある意味客観的に自分を見るきっかけになるこういう存在というのはありがたいのかもしれないな、と思ったりします。ふみさんの言葉にも、そういう存在をもっている人に対して、その人自身の持つ意味とか価値という物を大切にしてほしい、と思っている心遣いを感じます。

空想と言うか妄想と言うか、そういうものは私も沢山しましたけど、私などはどちらかかというとモノ系の想像とか、目が覚めると世界がこうなってたらいいのに、というような系統の妄想が多かったですね。何というか、エヴァンゲリオン系の空想と言うか、そう言う物の方が近いかなと思います。身近に話し相手が欲しい、と言うのはどちらかと言えば女の人の方に多い空想なのかな、とは思うのですが。

多分、女性と男性の違いというのはそう言うところにもあって、お互いに理解し合えないということもまた、そう言う妄想や空想の種類の違い、というようなこともあるのではないかな、という気がしました。

そんなこんなで、男性もこの作品を読んでみれば面白いと思います。そういう存在自体は嫌がる人が結構多い気はしますが(笑)、この作品を読むとなるほど、と思ったりうーんと思う人も多いのではないかと思います。

男性も女性も、そう言う「自分とは違うイキモノ」がこの世界にはいて、そう言う人たちと一緒に、あるいは身近に生きていっているんだということを考えてみるのもまた、いいのではないかという気がしました。

面白かったです。
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