個人的な感想です。

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大今良時さんの『聲の形』6巻まで読みました!(1)それぞれが今を変えようと懸命に考え行動する姿に力強さを感じました!


聲の形(6)聲の形(6)
(2014/10/17)
大今良時

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大今良時さんの『聲の形』6巻まで読みました!

先日少年マガジン本誌での連載が終了した『聲の形』。最終7巻は来月17日に発売になりますが、なかなか読めなかった5巻6巻を何とか読み切ることができました。

『聲の形』というお話、ストーリーはシンプルですよね。主人公の小学生の少年・石田将也は、転校してきた耳の聞こえない少女・西宮硝子に説明のできない反感を感じ、軽い気持ちで意地悪しているうちにどんどんエスカレートしてひどいいじめになってしまいます。そしてそれを自分で止めることができなくなったとき、硝子は転校し、今度は自分自身がいじめの標的になってしまいます。

高3までほかの人間と距離を取りながら孤独に過ごしていた将也は、最後に硝子に筆談用のノートを返して自殺しようとしますが、そのために手話を覚えたことによって、今までになく硝子とコミュニケーションをとった結果、結局死を思いとどまることになります。

そしてそのことをきっかけに、将也には新しい友達ができ、また何か硝子のために役立ちたいと思っているうちに小学校時代の友達との交流が出来て行きます。

しかしそのうちに将也といじめの中心になっていた少女やいじめなんか自分は無関係のようにふるまう優等生たちとも関係が復活していき、どんどん心の重荷が増えて行きます。

そして映画を撮ろうという話が盛り上がり、その撮影場所を探す中で出身の小学校を訪問せざるを得なくなったとき、いじめの影の元凶ともいえる積極的事なかれ主義(?)の担任の教師と再会したのをきっかけに、新しい友人たちとの間にも亀裂が走ってしまいます。

その中でも、将也は「硝子を守る」ことだけが出来ればいいと思っていたのに、将也と周りとの関係が悪くなったのは自分のせいだと思い詰めた硝子が身を投げようとする場面に将也は居合わせ、硝子を救って自分は川に落ちてしまいます。

意識不明になった将也。友人たちは再び集まり、何がいけなかったのかそれぞれが考えます。硝子は、将也のために何ができるかを考えて、映画作りを再開しようと奔走します。友人たちも硝子の熱意に動かされて動き出します。

6巻までのあらすじを言えばこういう感じでしょうか。

すごく重い話ですし、いじめというものが不可抗力めいた力で動かされていく感じがよくわかります。

ですからよく、こういう話を読むと、「誰も悪くないのにいつの間にかそうなってしまう」と書かれやすい傾向があるわけですが、(というか自分もそんな書き方をしたことがあった気がします)そんなふうに言っても、実際には何も前に進まないのですよね。

硝子の自殺未遂と将也の意識不明の状態の中、それぞれが、どうしたらいいのか一生懸命考える、そして行動に移す、そのあたりがすごく好きです。

このストーリーの中の登場人物はみな多かれ少なかれ悪いところ、足りないところがある。どの一人も単純に純粋ではない。そこに、凄くリアリティがあるわけです。そして、なんていうかそれぞれが皆、感情の熱量が半端ない人たちなのですね。硝子の母親の手の速さは凄いですが、特に将也が意識不明になったことを硝子のせいだと髪をつかんで責める直花に、何発も平手打ちする描写は相当凄い。気持ちは分かるけどそれはないだろう、とやはり思ってしまいます。

そういう意味で、この作品の登場人物には誰にも少しずつ感情移入できる代わりに、誰か一人に完全に感情移入することはできないんですね。大今さんがインタビューで登場人物はみんな嫌いだ、と答えていましたが、それはよくわかります。自分がもしこのキャラクターだったらどう感じる、どう考えるだろう、と考えてみると、どのキャラクターになったとしてもいたたまれない自分の酷さ、後ろめたさというものを感じてしまうなあと思うのです。

つまりこの話は極端なことをいえば、どのキャラクターにも共感できないように作ってあるのですね。それなのに、それぞれのキャラクターの行動の「気持ちは分かる」と思ってしまうところがある。そのことによって、それぞれのキャラクターの持つ「嫌なところ」もすごく鮮明に見えてきて、そしてそれが自分にもあるのではないかという、普段見ないようにしている何かを見てしまう、そういうところがある。そのあたりのところに、典型的な人間として描かれがちなマンガのキャラクターのある種の嘘っぽさのない、リアルさがあるのだろうと思います。

でも、そんな足りないものだらけのキャラクターたちが、どうにかして少しでもよくなろうと足掻いている。そこに力強さがある。そんなストーリーだと言えるのかもしれません。

今までの少年マンガに、ここまで心をえぐるストーリーがあったかなあ、と思うのです。

『聲の形』感想その(2)に続きます。
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