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Dモーニング52号で杉本亜未さんの「ファンタジウム」第48話「メカニック 11」を読みました!

ファンタジウム(8)ファンタジウム(8)
(2014/09/19)
杉本亜未

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Dモーニング52号で杉本亜未さんの「ファンタジウム」第48話「メカニック 11」を読みました!

Dモーニング誌上(紙版モーニングには掲載されていません)で月末月イチ連載の『ファンタジウム』ですが、前回47話では黒須プロから契約を解除され、窮地に追い込まれた主人公・長見良が、「ハッピーモスト」の共演者たちの協力も得て鶴渕病院のチャリティイベントでマジックを披露する準備をする一方、良の後見人として奮闘する北条に、NBNテレビのプロデューサー・今泉からラスベガスへ行ってみないかと言う話が持ち込まれたところまででした。

今泉の親しい実業家であるスティーブン・ショーは、黒須プロの本庄薫の結婚式でハッピーモスト一座でマジックを披露した良の演技を見ていました。今泉によるとスティーブンはラスベガスの複合娯楽施設を経営していて、新しいシアターの準備のために世界中から出演者を募って育成するアーティストスクールを運営しており、今泉はそこに良が入れるよう、スティーブンに紹介しよう、と言うのでした。

今泉は、ショウビズの世界も不況だが、ライブ感を求めて観客は必ずもどってくる、スティーブンは日本の伝統芸能にも詳しく、よく見に来るといいます。まだ15歳の良が大丈夫かと不安を言う北条に、今泉は良が障害を告白した会見や、番組をドタキャンしてでも自分を貫く逞しさをみたら、十分世界で戦って行ける、というのでした。

私はショウビズには詳しくないのでこの辺りのところはそんなものかとぽかんとして読んでる感じでしたが、やはり日本の狭い芸能界の枠とは違うものが、そこにはあるんだろうなとは思いました。

そんな話が持ち上がっているとも知らず、北条の家に住み込んでいる良のところに、良の母親が来ています。北条が帰ってくると、母親は黒須プロをクビになった以上良は家に連れて帰る、というのでしたが、北条は今聞いた話をそのまま伝えます。ラスベガスと聞いて良も母親もびっくりしてしまいます。

結局のところ説得されて、母親も「短期留学と思えば」と同意します。北条も一緒に行く、と聞いて母親は恐縮しますが、北条は「思い切って外の世界へ踏み出せる、そんな冒険を人生で実行出来ることってなかなかないですよ」といいます。その言葉を聞いて、母親も「可能性を信じてみたい」というのでした。

実は、今泉がスティーブンにメールを入れたとき、スティーブンからは即座に「できるだけ早くラスベガスに来て下さい」と返信してきたのです。頭を下げる北条に今泉は、黒須社長と岩田マネージャーは内緒に、と言います。

今泉の言ったことが印象的でした。

「芸能も娯楽も通念を基に出来てるからそれを創る業界も保守的なんだよねえ」というのです。「波瀾の人生、悲しい過去、悪が滅びる、みな予定調和な筋立てで、それを見て視聴者はああやっぱりと安心する、それが私たちの創っている娯楽だ」と。一方、「人の予想を裏切る、それが芸術です。その驚きの一撃はすべての通念に風穴を開けます。」と。

前回、ディスレクシア(難読症))の良を指導する言語聴覚士の神村も、「矛盾のかたまりなんだ人間てのは!毎日経験からあらゆる予測を立てて生きているが、心のどこかで新たな裏切りで驚くことを強く望み、それを大いに楽しむ。だから良くんは裏切り続けろ!長見良は「やっぱり」ダメになったなんて言う奴らの鼻を明かしてやれ!」と言っていました。今泉の言っていることは、神村の言ったことを芸能、娯楽、芸術という言葉を使ってより分かりやすく具体的に言い換えた、という感じがします。

それを思い出して北条は良に言います。「偶然に神村さんと今泉さんに同じ話を聞いたんだ。常識に風穴を開け、驚き、喜びをもたらす。そのチャンスは今しかない」と。「B・エプスタインにはなかなかなれないだろ?」と。エプスタインとはもちろん、ビートルズを成功させた超有名なマネージャーのことですね。

この展開をもたらしたのは、裏カジノで会った「ドクター」の「自分のペテンの技術の後を継げ」という望みを断ったことによってドクターに裏カジノでの映像を公開されてしまい、悪評が立って黒須プロからクビにされた、ということがきっかけでした。それで、良はこの「ドクター」のことをまた考えたのですね。

良は、自分を救い出しにきてくれた記者の近藤が乗ってきたタクシーに連絡して、ドクターの住む屋敷へ再び向かいます。「悪魔が俺にマジッックをかけた理由が知りたくてね」と良は言うのですが、屋敷へつくとそこには何やらトラックが着いていて、聞くと「ドクターは自殺した」というのです。結局自殺してから一月誰にも気づかれず、身寄りもないので遺品整理会社がやってきて遺品を整理しているのだ、というのでした。

良はそこに、ドクターが自分に見せてくれたS・W・アードネス「エキスパート」という本を見つけます。それはあらゆるカードのイカサマを明かしたマジシャンのバイブルとも言われる本なのでした。裏の世界にしか生きられなかったドクターは、自分が生きた中で身に付けたものを誰かに伝えたかった。それで良に白羽の矢を立てたのですが断られたので絶望して自殺したのでしょう。「エキスパート」という本も、アンドリュースという犯罪者が自分の犯罪の手口を事細かに伝えたもので、アンドリュースもまた自分の知ったことを誰かに伝えたくてこの本を書いた、とドクターは言っていたのです。良は「この本もらっていいですか」と聞くと、「どーぞどーぞ」とすぐにわたしてくれました。良は、ドクターの後を継ぐことは拒否しましたが、その気持ちの一部を、自分で持っていたい、と思ったのですね。それは、「ふつうには生きられない」という意味で同じ種類の人間に対する、ある種の鎮魂なんだろうなと思います。

話は進みます。鶴渕病院でのショーのリハーサルの休み時間中、マジックスクールで仲良くなったアメリカ人のマジシャン・ボブ・スミスとスカイプかなにかで話している良は、「早くラスベガスに来いよ」と言われています。ラスベガスではスミスの家に泊まることになるようです。中学の同級生の渡辺はプレスリーのファンで、夏休みには絶対ラスベガスにいく、と言っています。ハッピーモストの仲間たち、東條周、桜木信也、早瀬蓮の三人は、また協力してステージに出るのですね。三人はそれぞれ黒須プロを離れて、新しい道に進んでいるようです。

一方北条は家の片付けを元会社の同僚・森に手伝ってもらって進めています。机の上には真新しい二冊のパスポートが置かれています。

チャリティイベント当日。客席には良の両親、良の友達の渡辺と五十嵐、マジック仲間の星野とその先生の小沢、四番目のコマの二人ははっきり分かりませんでしたが、良が今まで関わってきた人たちがいます。そして近藤記者。芸能記者ひとりも来てないよ、と思う近藤でしたが、客席には黒須プロで良のマネージャーだった岩田徹子の姿を見つけたのでした。まともに連絡も取れなかった岩田は、何を考えてここに来たのか、それも気になりますね。

ショーが始まろうとしています。言語聴覚士の神村と、失明してしまったのでしょうか、サングラスをかけた山村先生の姿も見えます。

マジックのステージの幕が開こうとしています。

というところで48話は終わりでした。

このショーは、日本における良の集大成になるような感じの、そんな雰囲気がありますね。

そしてラスベガスに渡った良が、そのあとどんな活躍をするのか。

どこまでお話が続くのかは分かりませんが、Dモーニングにおける連載再開後のストーリーは「4年後のロンドン」という場面から始まりました。19歳の良はロンドンで成功しているようですので、そこまで話がつながってほしいな、と思います。

次回以降も楽しみです!

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