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山中ヒコさんの『死にたがりと雲雀』第2巻を読みました!


死にたがりと雲雀(2) (KCx(ARIA))死にたがりと雲雀(2) (KCx(ARIA))
(2014/12/05)
山中 ヒコ

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山中ヒコさんの『死にたがりと雲雀』第2巻を読みました!

ARiAに連載されている山中ヒコさんの『死にたがりと雲雀』。江戸時代、江戸の町で荒れ寺に寺子屋を開いた浪人者・朽木と、父が押し込み強盗を働き遠島になって朽木に引き取られた少女・雲雀の二人の生活を中心に描いたお話です。

私がARiAを読み始めたのは『進撃の巨人 リヴァイ外伝 悔いなき選択』が連載されていたからなので、連載が終了してからは買わなくなっていました。そのときARiAで見つけた作品の中で、『死にたがりと雲雀』は単行本1巻も買い、展開を楽しみにしていたのですが、この作品に関しては単行本派として現在は読んでいます。第1巻の感想はこちらにあります。

この巻の中でも5話から7話までは連載で読んでいて、8話と9話は今回初めて読みました。5話・6話はは初午、寺子屋への入門の儀式の話。その前日に朽木と雲雀は神社にお参りに行き、願い事を書いた千社札を貼ろうとして侍たちといざこざになりかけます。雲雀が札を貼ろうとしたのを横入りでいい場所に貼ろうとした侍たちに商人の老人が注意すると侍たちが刀を抜く騒ぎに。朽木は老人に変わって竹光で侍たちに向かい合い、相手にならない腕前を見せて相手の胸を突いて倒してしまいます。

翌日の初午。雲雀の他の子どもたちが母親に連れられて一張羅を来て入門の儀式をする一方、雲雀は親がおらず儀式は省略かと思われましたが、長屋の浪人の千代田とその娘の八重が親代わりになり、束脩は大家の安兵衛が負担し、振り袖まで着せてもらって入門者の儀式に臨むことになりました。

朽木が「年長者を敬い、弱い者をいじめず嘘を言わぬことを誓うか」と問うと、雲雀は「はい」と答え、「よく文字を覚え本を読み学問を修めるか」と問うとまた「はい」と答えます。そして水杯をかわして、子どもたちは朽木の終世の弟子になったのでした。

このあたり、何ともいえず、じんとするものがありますね。

簡単にいえば入学式ですが、やはりなかなか実感のわかない現代の学校の入学式に比べ、一対一で差しで行う入門の儀礼は、ひと味違います。師も弟子も、お互いに自分の責任を自覚て学び始める。こういう仕組みはいい仕組みだなと思います。

日は変わり、千社札の一件の老人が朽木を尋ねてきます。老人の孫息子、松乃介が火事で母親を失って以来、家に引きこもっているのを言えにきて教えてもらえないか、と言う依頼なのでした。朽木は子どもたちを連れて、その木場の材木問屋「当八」に通うようになります。雲雀は松乃介と仲良くなり、家から連れ出すようにもなるのですが、松乃介は日の光に晒されたとき、「沢山の人が火事で死んだのに、なぜおっか様だけが死んだのだろう、わたしが死ねば良かったのに」といいます。雲雀が「何言ってんだ」というと、うわごとのように松乃介は「どうして人殺しの雲雀のおとっつぁまは生きていて、優しい私のおっかさまがしんだのだろう」と言ってしまい、雲雀は激しいショックを受けます。

松乃介は雲雀に謝ったのですが、それ以来雲雀の心は晴れなくなりました。

雲雀の心がまたかたくなになったとき、雲雀の前に現れたのは「人買い」の藤右衛門と言う男でした。

同じような境遇にあった藤右衛門は雲雀の心を見抜きます。「あったかいところにいたって居心地が悪いんだもの。だってあたいの父ちゃんは人殺しだもの。おじいさんを殺された横町の息子夫婦はどうしているだろう。泣き暮らしちゃいないかしら。自分だけ幸せになっていいはずがねえって、上手く笑えねえ。・・・嬢ちゃんがそう思うのは仕方のねえことなのさ」と言います。

そして、「嬢ちゃんはあと7、8年もすれば江戸中の若い衆が噂する吉原のお職を張れる」と言うのでした。藤右衛門はつまり女衒、現代でいう風俗のスカウトだったのですね。

藤右衛門は、当節の相場は5両だが20両出そう。これだけあれば横町の息子夫婦に10両、世話になった寺子屋の先生に10両の餞別が渡せる、というのでした。自分が何をすることになるのかわかってはいない雲雀でしたが、こくりとうなずき、証文に自分の名を書きます。

そのことが露見して長屋や寺子屋は大騒ぎになり、朽木は20両をもって吉原に走り、雲雀を取り戻します。その時朽木は、「背中に幼子一人の重みがなければ、この糸の切れた魂をこの世につなぎ止めておくことなどできぬ」と思うのでした。

この話は、実際に江戸時代に起こるかと言ったらやはり何というかファンタジーの中の世界なのですが、まあ現実的にいえばテレビの時代劇もまたもちろんある種のファンタジーなのであり、この話だけがそうであるわけではありません。でも凄く独特の作者さんの世界が展開していて、凄く感じが良いのです。

「糸の切れた魂」の朽木と、ともすれば罪の意識から自分を罰したいと言う衝動から逃れられない雲雀。この二人の織りなす世界がこれからどうなって行くのか、心配で、楽しみでならないのでした。
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