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『進撃の巨人』15巻限定版特典のDVD「悔いなき選択 前編」を見ました!素晴らしいオリジナルアニメでした!


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(2014/12/09)
諫山 創

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『進撃の巨人』15巻限定版特典のDVD「悔いなき選択 前編」を見ました!素晴らしいオリジナルアニメでした!

『進撃の巨人』関係の出版が重なった9日ですが、そのうちのひとつ、単行本限定版では、特典にDVDがついています。これまでも何回かOAD(オリジナルアニメDVD)が特典としてついてきたことはあったのですが、今回の「悔いなき選択 前編」は今までの作品に比べて突出して素晴らしかったと思います。

「原作」になるのはアニメBDの6巻の初回特典、砂阿久雁さんシナリオのビジュアルノベル「リヴァイ外伝 悔いなき選択」であるわけですが、この作品は月刊誌「ARiA」で駿河ヒカルさんによってコミカライズされ、短期連載でARiAが品不足になるなど大きな反響を呼び、上下巻2巻の単行本として出版されています。今回はそれをさらに小林靖子さんの脚本・構成で30分アニメとしてまとめたもので、前後編の2回構成になっています。

と言うわけで、このリヴァイを主人公とするストーリーはもう何度も読みましたし全体像は把握しているつもりだったのですが、見始めたとたん、いい意味で裏切られました。(笑)荒木監督始め、WITスタジオの仕事は凄い!と改めて舌を巻きました。正直、「単行本の特典」レベルの作品ではないですね。

前後編2回と言うことで今回はコミカライズ版の1巻の終わりくらいまで行くと思ったら、全然構成が違いました。

アヴァンではまず壁の様子からウォールシーナへ、そして今までアニメでは描写されたことのない王都の風景が広がり、一枚の羽根が通風口から地下に落ちて行って、王都の地下に広がる貧しい地下都市の情景が描写されます。この段階でもうなんかぞくぞくワクワクしてきます。そしていきなり、立体機動のワイヤが見えたかと思うと影のように通り過ぎた誰かが荷車を倒し、その隙に窃盗団が荷車の札束でしょうか、盗んで走ります。立体機動で飛んでいるのはリヴァイ、ファーラン、イザベルの3人。ファーランとイザベルと言うキャラも、諫山さんの物語にはあまり出てきそうもないキャラなのでビジュアルノベルで読んだ頃は違和感があったのですが、このアニメではかなり良く消化されていて、魅力的に感じました。

そしてイザベル、ファーラン、リヴァイの立体機動。素晴らしい描写。そして同じく立体機動で追って来る憲兵団。ファーランとリヴァイの会話で、彼らは地下商人の金庫から金を盗み出したりしていたことがわかります。ファーランは原作ではもっと一癖も二癖もあるタイプでしたが、この作品ではその描写は抑えられ、いいやつになっています。

そしていつものようにアルミンの井上真里奈さんの声で解説のナレーション。王都の地下街の説明です。地下移住計画の残骸で、繁栄する王都の地下に、一度も地上に出ることなく一生を終える貧しい人々が住んでいる。地下街については最初に出てきたのは本編だったか、それとも小説版の「Before the fall」だったか忘れましたが、今まで何度か描写されている中で、一番丁寧なリアリティのある描写になっています。

そしてOPは「自由の翼」。アニメの後期OPです。この映像にはリヴァイも出てきますので、こちらを採用したのですね。プロデューサーに編集の川窪慎太郎さんの名前も見えました。作品回数として「#0.5A」のクレジットがあり、第1話以前の話、と言うことが示されています。

寂しげな口笛が響く地下街。力なくうずくまる人々。その中の石造りの家の一室に、ファーランと4人の若者がいます。窃盗の分け前を配っている場面です。リヴァイは奥でナイフを磨いています。室内は貧しい感じではありますが、こぎれいに片付けられていて、リヴァイの潔癖な性格が反映されていることがうかがえます。そしてファーランは、一人の少年ヤンに、他の者に隠して一人だけ多額の金を握らせます。

少年たちが出て行ってから、リヴァイはそのことをファーランに尋ねます。ヤンの足が悪くなっているから、金がかかるし、またもう盗みは働けないから、「手切れ金だ」と説明します。地下商人は暴利をむさぼっていて、地上に出る「階段」にも通行料を取っていると。その階段の描写、上に行く男を暗い目で見つめる少年たち、日の光が当たらないために足を悪くする者が多い、と地下街の住民たちの悲惨な実態が語られます。地下街は「ゴミタメだ」と言う言葉は今まで何度か見かけましたが、その実態がここまで詳しく語られたことはないので、凄くリアリティを感じます。ファーランの母親も足を悪くして、だからヤンに同情したんだな、とリヴァイはいい、ファーランは下を向きます。ファーラン、いいやつです。ファーランの夢は、「地上に住むこと」だ、と言うことが強調されています。

そこに物音。警戒しつつドアを開けると、それは小鳥を抱えた、気の強い顔をした一人の少女でした。少女は、無断で11号階段を通ろうとして見張りのゴロツキたちに追われていたのです。11号階段は「議員」ロヴォフの肝いりで、キツい咎めがある、と男たちはいいます。無断で家に入ろうとした男を、リヴァイはナイフを一閃、指を傷つけると男に拳を入れ、ボコボコにします。「きたねえ手で触るな。汚れちまうだろうが」と言うセリフを言うリヴァイは、リヴァイファンの人々にはたまらない表情だろうなと思いました。

男たちはコイツらヤベエ、と言って尻尾を巻いて引き下がります。イザベルはその強さを見て、呆然と憧れの眼を向けます。リヴァイにいわれてイザベルは胸に抱えていた小鳥に気がつきます。ファーランは、どうしたんだ鳥なんて、と聞くと、イザベルは地下に迷い込んでいたから、地上に出してやろうと思って、と言います。まさか、そのためだけに階段を突破しようとしたのか、と驚くファーランとリヴァイ。イザベル、小汚くて気は強いけど優しい少女ですね。羽根を傷めてるぞ、と言うファーランは、小鳥の翼に包帯を巻き、介抱します。ファーランいいやつです。

イザベルはリヴァイに、仲間に入れてくれ、と頼みます。リヴァイたちが立体機動を使っているのを見て、私もやってみたいんだ、と言うのです。リヴァイは、「ここに居るなら、立体機動より先に掃除を覚えろ」と言い、イザベルの願いを聞き入れたのでした。

リヴァイが外に出て行くと、情勢を心配したのか、少年たちが集まっています。そこでギターを弾く少年。挿入歌の「So ist es immer」(vo.Benjamin、作曲澤野弘之)が流れる中、イザベルの奮闘風景が描かれます。立体機動の練習、最初は足に絡まったりして悪戦苦闘、バランスさえ上手く取れない。小鳥の治癒、お掃除兵長、立体機動が上達したイザベル、三人で鳥になったように飛び回る風景、地上に近い場所で、小鳥を地上に放つ風景。地下から見る地上の、まぶしい風景。そして地上から降ってきた羽根が、地下の泥水に濡れる描写。これは後のリヴァイの運命を暗示しているわけですね。ここまでで前半が終わりです。

地下街のアジトに帰ってきた3人を、ひとりの立派な身なりの男が待っています。男は仕事の依頼だ、といいます。帰れ、というリヴァイに、男は「すでに前金を支払っている」と言います。不審に思う3人。そこに、ヤンが馬車に乗せられて出て行きます。地上の病院で治療しなければ、と言う男は、それが「仕事の前金」だ、と言うわけですね。「話を聞いてもらえるね」という男に、リヴァイは「いいだろう」と答えます。

3人は男たちについて11号階段を上って行きます。階段を上り切った地上の出口。これは、女型の巨人戦で舞台になったストヘス区の地下街の出口の描写を思い出します。出口では一台の立派な馬車が止まっていて、馬車の中の男が「私のことを信用してもらっていい。こうして直接会うことで私も相当のリスクを背負っている」と言います。前金を受け取ったか、と言う男に、リヴァイは俺達の世界では人質っていうぞ、と答えます。成功報酬は、金だけではなく、地上の居住権をやる、と言うのでした。驚くファーランとイザベル。このあたり、「地上に住む」ということへの憧れ、と言うのがこれでもかと描写されていて、なるほど上手い構成だなあ、と思いました。

男は、お前たちがこの仕事をやるやらないに関わらず、「ターゲット」は接触してくるだろう、と言うのでした。

いつものように出かける3人。リヴァイは二人に、いつも通りにしろ、だがもしあのハゲのいう通り「奴ら」が出てきたら、「仕事」を始める、と言うのでした。

そして情景は冒頭に戻ります。地下商人たちの馬車を襲う3人。荷物が飛び散り、少年たちが荷物を奪い、立体機動で飛び回る3人に、追っ手がかかります。3人はトリッキーな動きをして憲兵団を巻きますが、まだついてくる者たちがいます。あの動き、憲兵団じゃない、と言うファーランに、ああ、間違いない、あの自由の翼の紋章、調査兵団だ、とリヴァイは言うのでした。それは当時分隊長の、エルヴィン・スミスでした。

3人はトリッキーな動きをして調査兵団を巻こうとしますが、リヴァイは怪力のミケにつかまってしまいます。そこにエルヴィンも現れ、壁ドンで追いつめられると、イザベルとファーランもとらえられ、三人は後ろ手に手錠をはめられます。質問するエルヴィンに無言の三人。何も言わないリヴァイに、ミケが後ろからリヴァイの頭をとらえ、泥水の中に顔を押し付けます。驚く二人。泥水まみれになったリヴァイの顔。多分これも、リヴァイファンの特に腐女子系の人にはたまらないのではないかと言う気がします。

泥水の中にしゃがみ、リヴァイに話しかけるエルヴィン。「リヴァイ。私と取引しないか」と。お前たちの罪は問わない。代わりに調査兵団に入団するのだ、と言います。好きな方を選べ、と言うエルヴィンに、リヴァイは「いいだろう」と言います。そして憤怒をたたえた目で、「調査兵団に入ってやる」と言うのでした。ここでto be continuedとなりました。

EDは後期EDのgreat escapeでした。予告は、アルミンの声で「結果は誰にもわからない」と言う言葉で始まり、3人が調査兵団に入り、ファーランがエルヴィンの机の引き出しを探り、キースとエルヴィンの会話、ハンジの嬉しそうな顔、夜空を見上げる3人、壁外調査に臨む、との描写とナレーションがありました。雰囲気としては、主にコミカライズ版の1巻の範囲内と言う雰囲気でした。

いやあ!面白かったです!凄く質が高い。ジブリか、と思うくらいの丁寧な背景描写、進撃アニメの特徴の鮮やかなアクション、それに腐女子受けしそうなリヴァイのアップと、凄く上質な作品に仕上がっています。単行本15巻と合わせて2840円(税別)と言う価格は、私は高くないと思いました。

内容的に、ほぼコミカライズ版の第1話の内容を丁寧に細かく描いているという感じです。後編で後7話分描く、と言うのはちょっと無理がある気がしますが、どういう収め方をするのでしょうか。そのへんも楽しみにしたいと思います。

とても満足の行く1本でした!
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