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諫山創さんの『進撃の巨人』第15巻限定版を読みました!

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(2014/12/09)
諫山 創

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諫山創さんの『進撃の巨人』第15巻限定版を読みました!

前回の更新では15巻の特典のオリジナルアニメDVD『悔いなき選択 前編』の感想を先に書きましたが、今回は本体の単行本の感想を書きたいと思います。

今回の表紙は驚愕する表情のエレンで、いままでの単行本のテイスト、黒を基調とした巨人や兵団の戦いや群像を描いたものとはかなり違うテイストになっています。

14巻のラストで捕らえられたエレンとヒストリアは中央憲兵の対人制圧部隊の隊長ケニー・アッカーマン(切り裂きケニー)の手により、真の王であるレイス卿(ヒストリアの父)の元に届けられた、と言うところまで進みました。



15巻各回(59話~62話)の感想はこちらの方に掲載しています。15巻は大きな流れでいえば、「叫びの力」を持つエレンとレイス家の血を引くヒストリアを奪おうとする王政側に対してクーデターを起こそうとした調査兵団が追いつめられ、団長のエルヴィンが王政府の元に引き出され、死刑が宣告されるまさにその時、エルヴィンがピクシスに依頼した「ウォールローゼが突破された」と言う『誤報』が伝えられます。狼狽した王政府のメンバーはウォールシーナの入り口を閉鎖し、ウオールローゼの住民をすべて排除して自分たちだけ助かろうとする命令を下します。

それを聞いた憲兵団の師団長・ナイルは王政府に反抗し、閉鎖は阻止する、と宣言します。するとそこにやってきた全軍の総司令官・ザックレー総統は私も加勢する、と言って王政府の高官たちをすべてとらえさせ、偽りの王を玉座から追い出してしまいます。

そこに至るには、リヴァイたちの奮戦やハンジたちの努力、トロスト区のリーブス商会や新聞社など、多くの人々の決意と行動があったのでした。

一発逆転で調査兵団が解放されたのを知って喜ぶリヴァイ配下の104期たちですが、まだエレンたちは解放されていません。ハンジはレイス家の領地にある礼拝堂が何かの核心に触れる場所だと判断し、リヴァイ班とともにそこへ向かいます。

ハンジの推察通り、レイス卿、ケニー、ヒストリア、エレンは礼拝堂の地下の巨大空間にいました。そこでくさりにつながれているエレンと解放されているヒストリア。そしてレイス卿とヒストリアがつながれているエレンの背中に触ることによって、驚愕の事実の「記憶」がエレンの中に蘇ります。編集者の川窪慎太郎さんが「最も驚愕の事実」と言っていた件は、おそらくこれだと思います。第62話についての記事ではそのことについても感想を書きました。つまり、15巻(とそれに続く現在連載中の16巻相当部分)はこの『進撃の巨人』という大作の大きな転換点になる重要な内容が記されていると言っていいわけですね。

連載時の内容と単行本の内容を比較してみましたが、この巻では特に大きな変更はなかったようです。気がついたところを上げると、59話で3か所、60話で1か所、61話で2か所、62話にはありませんでした。

59話ではリヴァイ班が馬小屋に潜んでいるとき、負傷したリヴァイの肩の傷をサシャが縫っているのですが、その時の目つきがリヴァイもサシャも少しすっきりしたように思います。「傷口を縫う」という能力がサシャの特技なのか、訓練兵団で教えられることなのかは分からないのですが。二つ目は憲兵団所属のマルロとヒッチが調査兵団の残党狩りに林の中を歩いているとき、連載時には「散策」と書いてあったのが「捜索」になっていて、これはまあもともと誤植だったのだと思います。

三つ目はマルロとヒッチが捕らえられてリヴァイが兵士の身分証を読みあげているとき、マルロの名字が連載では「サンド」だったのが単行本で「フロイデンベルク」に変えられていました。これはアニメでは「フロイデンベルク」だったようで、結局アニメの方に統一したということでしょうか。サンドはフランス風、フロイデンベルクはドイツ風で、マルロというのは何となくフランス風な気はするのですが。

ただ、この件でいうと「ジャン・キルシュタイン」という名は明らかにジャンはフランス語、キルシュタインはドイツ語なので、あまりこの辺の統一感は重視してないのだと思います。

60話ではハンジたちに襲われた中央憲兵の男が「お前らこそ俺にこんなことをしてタダで済むと思うなよ!?」と叫ぶのですが、これは連載時には「無料」と書いて「タダ」とルビが振ってありました。無料というのもあまり意味がよくわからないので、これは自然な表現に直したのだと思います。

61話では王政の元に引き出された調査兵団団長のエルヴィンが死刑を宣告された時、駐屯兵団のピクシス司令の副官・アンカが「ウォールローゼが突破されました!」と「誤報」を伝えるとき、ウォールローゼの東城壁都市・カラネス区の扉が破壊された、というのですが、連載時は「ストヘス区」になってました。「ストヘス区」は女型の巨人の捕獲が行われた街でウォール・シーナの東城壁都市ですから、ここが突破されたら人類に安全な場所はすべてなくなってしまいます。単純なミスだなと連載時も思いましたが、単行本になるときに修正されたということでしょう。

二つ目は、兵団によるクーデターが成功したという事実をハンジとマルロ・ヒッチがリヴァイ班に伝えにきたとき、「今のところ貴族たちの反乱は起きてない」というのですが、連載時には「反乱の反乱」になっていました。これも表現が分かりやすくされたのだと思います。

62話では異動は見つかりませんでしたが、ザックレー総統がエルヴィンに「クーデターの準備こそが生涯の趣味だと言えるだろう」と述懐していて、この「趣味」という言葉が印象に残りました。それは、ケニーが中央憲兵に入った理由をリヴァイに伝えたとき(撃ち合いをしながらですが)、「趣味だ」と言っていた事を思い出したのです。この二つともたとえば「夢」とか「目標」と言い換えても意味は通じるのですが、それを敢えて「趣味」というところがこの二人の屈折が期せずして表現されている気がします。まあなんというか、レーニンが革命を「趣味だ」と言ってる(レーニンはそんなこと言わなかったと思いますが)ような感じで、遠大すぎて目標とは言いにくい何か、なのかもしれません。そして「趣味」であるだけに、計画を「微に入り際に入り楽しげに」検討したのだろうなということが、あとで示されることになるわけですが。

ストーリーも壮大ですが、こういう些細な修正点を見ていくことで、諫山さんの「こだわり」のようなものも見えて来る気がしました。

そしていつもの「嘘予告」。今回はミカサとサシャの殴り合いという予想外の展開。(笑)ミカサの「予想外の拳(グー)」が痛そうです。「特に意味のないやりとりを二人が繰り広げる!」というアオリが笑いました。

15巻は、かなり重要な、起承転結でいえば「転」にあたる部分ではないかと思います。前回の更新で書いたように限定版特典のDVDも非常によかったですし、非常に充実した一冊になっていると思いました。
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