個人的な感想です。

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『Dモーニング』4・5合併号で杉本亜未さんの『ファンタジウム』第49話(最終話)「メカニック 12」を読みました!


ファンタジウム(8)ファンタジウム(8)
(2014/09/19)
杉本亜未

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『Dモーニング』4・5合併号で杉本亜未さんの『ファンタジウム』第49話(最終話)「メカニック 12」を読みました!

新年第二回目はこれも昨年末に出た「Dモーニング」に掲載された杉本亜未さんの『ファンタジウム』です。もっともっと続いてほしかったのですが、これが最終話になりました。

48話のラストでステージの前に、良の声だけがします。それがこの49話冒頭で、光の中に、人が入れるほど大きな時計をバックに赤いジャージ姿の良が現れます。拍手の中、良は言います。

「僕は生まれつき時の読み書きが出来ません」と。そして描いたグニャグニャの線が良がこすると人の笑う顔になり、音楽の中でその紙を燃やすと、そこに幻のようにシルクハットを被った一人の老人が現れます。これはマジックショップの店長、矢口ですね。彼が布を左右に広げるとそれは魔法の杖になり、シルクハットから魔法の光の粉のようなものを振りかけると、良は真っ白なタキシード姿に変身していました。わっと驚く良の級友たち。袖捲りをして大きなカードを取り出し、そのカードをパラパラと投げ捨てると、背景に三日月が現れ、それに仮面をした一人の若い女性が座っています。これは東條周ですね。

女性からリングを受け取った良はそれを自由自在に操り、観衆から拍手を浴びます。そしていうのです。

「マジックはイカサマという人もいます。タネがあることはわかっていると。では素晴らしい音楽がなぜ忘れられないのか。温かい食べ物がなぜおいしいのか…すべて理由はわかっています。…」

そして次の場面が素晴らしい。

「それでも僕は感動する。人生は辛くて、悲しいことや苦しいことに迷うとわかっていても、それでも人が生きるように」

夕方の空をバックに、三日月に浮かんだ周は白い仮面の黒いフクロウのようで、本当にその幻影がマジックというものの高揚感をすごく表現しているように思いました。

そしてその仮面が白から黒に変わると、良は言います。

「そして驚かされます。生きることは驚かされる。自分でももう流れないと思っていた涙が溢れて、止まらなかった」

そういって良は客席に降り、良の通級指導教室の先生であり、視力を失ってしまった山村先生の膝の上にシルクハットをおくと、そこから花が溢れてきます。隣に座っている言語聴覚士の神村がそういうと、山村も「いい香りがしてきました!」というのでした。

そしてフクロウが良に飛びかかってくると、良は剣を取り出して、ボン!と爆発させます。

「しかし人は僕をイカサマ師と呼ぶ。だがこのイカサマを長い間人間は守ってきました。なぜ?」

爆発したフクロウは鳩に姿を変え、剣の上で羽ばたいています。

「誰もがデタラメな浮世とイカサマで戦っているからです。」

人間国宝の緒川が良に掛け声を掛けます。

「いいぞオ!魔法使いッ!」

・・・・・・こんなマジックを見せられながら、舞台でこんな語りをされたら、否が応でも感動してしまいますよね。

そして舞台上の大きな時計が十二時を告げ、「時間です」と言って良は時計の扉を開けます。

「でも必ず再び戻ります。裏切るために」と言って時計の中に入った良は、時計そのものを消してしまいます。見た人たちは本当に驚き、拍手が鳴り止みません。良の母親は、「すごいわ本当の魔法だわ・・・」とつぶやき、父親も上気した顔をしています。

唖然とし、興奮した人々の中で、良のマネージャーだった岩田は一人席を立ちます。その岩田に、良の「相棒」の北条が声をかけます。

「岩田さん、良を見てくれましたね!これだけの才能を僕は持って行けるんです。今までありがとうございました!」と。岩田は下を向き、「私は…守れなかった…」と涙をこぼします。「芸能の世界で一番大切だと思っていたことを、私は見失ってしまったんです」と悔し泣きをする岩田徹子に東條周が駆け寄り、慰めていると良がやってきてすごく嬉しそうな顔をし、それを見て岩田はさらに泣いてしまうのでした。

そして後日。ゴシップライターの近藤が「生活のためにテキトーな仕事を続けて年だけ取って行くのが俺の人生か?長見良の魔法ももう終わったのか?」と思いながら、つまらない仕事をしていると、そこに良の友達の五十嵐、渡辺、竹村がやってきて、良がスキャンダルに巻き込まれた闇カジノの一件を近藤に伝えたのでした。それを聞いて近藤は、「(魔法はまだ)終わってなかった!」と思います。

飛行機は良を乗せて飛び立ち、それを両親は見送り、その飛行機の中で泣く子供の声を聞きつけた北条と良は、「手品はいかがですか」と言って近寄ります。口上を北条が言い、良が空のコップからみかんを取り出すと、子供達は驚きます。

「こうして魔法使いは空を渡った」

ラストシーンは、北条の祖父が残し、良が受け継いだあのマジックのいっぱいつまったトランク。それが宝物のように輝いている場面でした。

受け継がれるもの。終わらない夢。終わらない魔法。

そんな思いが込められたらすとだったように思います。

まだまだ、『ファンタジウム』、読んでいたかったのですが、ついに最終回になりました。

青年になり、大人になった良の活躍を、どこかで読みたいものだなと思います。

まだまだ私を含めた読者には、魔法は終わっていないわけですね。(笑)

ネットを見ていると、この作品はコアなファンが沢山ついているように思いますし、それだけに作者さんも描けなくなるほど悩んでこの作品を作ってきた、ということが単行本の巻末のコメントなどを読んでいるとわかります。

それだけに、何かこの作品には、人間の力を越えた何かが必要とされていて、結局そこの部分で作者の杉本さんも苦しんでおられたのではないかなあ、と思いました。

まだまだ名残は惜しいのですが、杉本さんにはおつかれさまでした、と言わせていただきたいと思います。

そして、ありがとうございました!
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