個人的な感想です。

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ふみふみこさんの「ぼくらのへんたい」第7巻を読みました!

ぼくらのへんたい 7 (リュウコミックス)ぼくらのへんたい 7 (リュウコミックス)
(2015/02/13)
ふみふみこ

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ふみふみこさんの「ぼくらのへんたい」7巻を読みました!

13日に発売になった「ぼくらのへんたい」7巻、早速読みました。

今回は、女の子になった裕太=まりかをめぐる周りの人たちの話、という感じのまとめ方が一番当たっているかな、という感じがします。表紙もセーラー服のまりかの笑顔のアップですしね。

「女装男子」「男の娘」ジャンルのヒット、というふうに語られがちな感じはしますが、この作品はそれだけにとどまらないものがあると思います。3人の主人公がそれぞれ一生懸命生きてる、そのこと自体はその人の存在がどういうものであれ、感動せずにはいられません。

毎月感想を書いていますので、単行本では恒例?の、連載誌からどこが修正されてるか、というところについて書きたいと思います。そういう修正箇所に、作者さんのこだわりとか、こういう風にしたかったという意志が感じられて、趣味が悪いと思われるかもしれませんが、私は結構好きなんですね。

全体に、普通の明朝体のセリフがゴシック体のボールドに変えられた場面がけっこうあります。そこは演劇的な感じで「強い言葉」として発せられているのが確認出来て、ちょっと読んでて目が止まる感じがいいです。読み流してしまいそうな言葉でも、ボールドになっているとはっとします。その心の動きが、読書体験として大事なんだな、と今回読んでいて思いました。

26話「二人の告白」。二人というのは親友の「まりか=青木裕太」と「あかね=後藤あかね」のことですが、二人とも「田村修=パロウ」を好きになってしまい、それぞれに告白します。

修正箇所は、まず最初のまりかが初めて女の子として登校した場面で、女の子達がまりかを囲むコマに、連載では入ってなかった教室風景の背景が入っています。そして女の子たちと「夏目智=ともち」の会話。ともちも実は以前はセーラー服で通っていたのですね。そのときのことを「昔は似合ってたからね」というのですが、単行本では「前は」にかわってました。また「今はもうボクは似合わないよ」というセリフも、「ボクは」という言葉がカットされてテンポが良くなっています。この辺、全体に映画とか演劇の演出みたいな感覚があります。

それから、どこから聞こえて来る男子の「マジかよ」という心ない声にともちが「ちょっと!」というとまりかがそれを制し、「大丈夫だから」という場面でのまりかの口の形が変わっています。これはどっちがいいか微妙、と言うかそれぞれに味がありますね。両方見られる贅沢、みたいな感じです。

それから家庭科部の帰り、裕太とあかねの会話で「ホットケーキとナムルってさすがにうちでも食べないよ」というセリフが「ホットケーキとナムルってねー」となっていて、「あかねのうちでは相当変なもの食べてるのか?」と余計な邪推をしなくて済む感じになってます。(笑)

そして「田村さんに会う」というまりかにあかねが「ついに仲直り、じゃなくてえーと」が「じゃないんだっけえーと」になってて、まああかねの中では仲直りなんだけど裕太はえっとどう思ってるんだっけ、みたいなあかねの慮りがくっきりしたなあと思いました。

そしてあかねが田村に告白して顔面真っ赤になって逃げるように去る時、「じゃあっ」と一言だったのが、「それだけっ」「じゃあまたっ」になってて、台本を役者さんがアドリブで広げたような雰囲気が出てるなあ、と思いました。

そして単行本38ページ、まりかが女の子になった、とパロウに告白しての帰り道の会話の中での回想シーンで、まりかの心の中の自分が泣いている場面に「えーんえーん」という擬音が入り、涙をぽろぽろこぼしている描写も口をあいてよだれまで流している絵に変えられていて、そういう「過去の自分」との「訣別感」がより強く出ているように感じました。そして「あ やっぱ強いかも」というせりふが「…でもやっぱ強いかも」に変えられていて、それが心の中から出てきたセリフだ、という感じが強調されているように思いました。

27話「灰色の男」。これはパロウと深い関係があったのですが、今はひきこもりになってしまった「センパイ」のことですね。

この回の扉をめくった最初のコマの、「わたしやっぱり パロウさんが好きなんです」というセリフの配置。連載誌では前半がまりかの、後半がパロウの横に書かれているのですが、単行本では字も大きくなって「わたしやっぱり」が右上の二人から外れたぱっと目に入ってくるところにおかれ、「パロウさんが好きなんです」がパロウの後ろ姿に重ねられて入れられていて、これ、すごく抒情性が出て、良くなったなあと思いました。

それから、まりかがあかねに「田村さんに告白した」と打ち明ける場面で、まりかがあかねに黙っていろいろ行動したことについて、(多分それまであまりそういうことなかったんでしょうね)「私なんかしたのかと心配してたんだよね」というセリフが「裕太を怒らせたのかなって心配してた」に変わっていて、これは特にこだわらなくても良かったんじゃないかという気がしますが、分かりやすくなったことは確かですね。

28話「めがね」。この回はすごく印象的な、パロウが「センパイ」の家で別れる際にセンパイのめがねを踏み潰す場面がありました。・・・今書きながらようやく理解したのですが、めがねというのはもともとセンパイとパロウの「愛の象徴」のアイテムだったのですね。それを踏み潰したということは、自分の中の「センパイが好きだという気持ち」も踏み潰したということになるわけです。パロウはそういう象徴的な行為を良く取る、何というか文学青年的なセンスのあるキャラクターですが、そこまで読み込めなかったことに今気がついてしまいました。奥が深い!

この回は、母親が精神病院に入院した前後、長期間休んでいた亮介がようやく学校に復帰した場面で、「マジ心配したんだぜえええ」という友達たちに「いやーわりわり」というところで「わりわり」だけになってて、何というかその方が言葉として真実味があるなと思いました。今回はすごく、こういう腑に落ちる変更が多かったです。

29話「それから」。これは何の「それから」なんだろうと思ったのですが、シーンとしては二人とも学校を休んでいたこともあって長い間会ってなかったまりかと亮介が偶然廊下で再会し、二人で「シスタードーナッツ」(笑・これも今気がついた。なんて味なんだ)に食べに行く場面。この場面すごく好きです。それから後半は、なぜかともちがパロウとラーメンを食べに行く場面。パロウに「君も女装するのか」と聞かれてともちが「はっ いや なんで?」と聞き返すところが「はあ!? いや なんで?」になってしかもボールドになっていて、ここもともちの人柄がより良く現れているように思いました。

今まで縁がなかった、というよりお互い何となくの反発を感じていたともちとパロウの間の関係が急に展開して行く様子とか、相変わらず亮介がまりかとはっち(蜂谷美紀)の間で揺れ動いている様子とか、そして高校受験が絡んで来る人生の岐路で、中3の亮介とはっち、中2のまりか・ともち・あかねの動きがどうなるか。

そういう人生の時代のひとコマひとコマの中に、きちんと物語が関連付けられているのも、なんだか本当に宝石のようにきらきらしていて、すごくいいなあと思います。

今後の展開を、さらに楽しみにしたいと思います!
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