個人的な感想です。

マンガ・アニメの感想を書いていきます。『進撃の巨人』『ぼくらのへんたい』『ランドリオール』など。

週刊漫画Times3/13号で才谷ウメタロウさんの『ファイヤー・ガール』第33話を読みました!


ファイヤー・ガール 3巻 (芳文社コミックス)ファイヤー・ガール 3巻 (芳文社コミックス)
(2015/02/13)
才谷ウメタロウ

商品詳細を見る


週刊漫画Times3/13号で才谷ウメタロウさんの『ファイヤー・ガール』第33話を読みました!

才谷ウメタロウさんの『ファイヤー・ガール』、最近感想は書けてなかったのですが、連載誌でずっと読み、単行本も買っていました。今週号がとても印象に残ったので、その感想を書きたいと思います。

『ファイヤー・ガール』は2/6号の第28話から6週連続で掲載され、高速道路上での玉突き事故からの炎上という壮絶な事故への対応が描かれていて、迫力がありました。

28号で冬の路面凍結した高速道路上で「乗用車など10台以上が関係する追突交通事故」が起こったという知らせ。車両火災も念頭に入れないとな、という指示で、消防学校の同期で配属先も同じ優等生の小久保と同時に出動、ということになります。

現場に駆けつけると事故にあった車のドライバーたちが外に出てきていますが、一台の乗用車が炎上しています。「さくら署が一番乗りよ。応援が到着するまでは私達が全力で他の事故車への引火を食い止めるわよ!」という北条の指示が飛びます。

小久保は消火に加わり、主人公・岩倉ユキはまずけが人のトリアージをまかされます。風の強い中、玉突きで動けなくなった車が何台も続いて、炎上する車からの飛び火が心配されるという状況。

29話では近隣の消防署からの応援が。その中にはやはり同期の秋月と沢口凛がいました。しかし強風で状況は厳しく、飛び火して火の海にならないように、との指示が北条から飛びます。

小久保が加わった消火の部隊に応援が加わり、鎮火に向かいますが、炎上した車の中に人がいることが分かります。小久保たちが近づきドアを開けると、中にはドライバーが炭化した遺体の状態で乗っているのを小久保は目撃してしまいます。小久保はショックを受け、高速の壁に手をついて吐いてしまいました。

30話では、二次災害を防ぐため、玉突き事故の車を漏れなくチェックすることになり、研修生の岩倉・小久保・秋月・沢口は先頭車両から順番に再検索して回ることになりました。北条は小久保に無線機を渡しますが、まだ小久保は呆然とした状態。「しっかりしなさい!」と言われて我に帰りますが、まだ動揺はおさまりません。

先頭車両まで走った四人ですが、小久保はさっき見た情景が目に焼き付いて離れず、再び戻しそうになり、動けなくなって、ユキたちに「先にやってて」といいます。中に鉄骨を積んだ車が一台あり、その鉄骨が突き刺さった車の中に小久保は中に人らしき影を見て、動揺してドアを開けようとして無理に揺さぶり、鉄骨が崩れて自分が下敷きになってしまいます。中にいたのは、人ではなく、ぬいぐるみだったのです。

31話。無線機を持った小久保が下敷きになってしまったため、部隊に連絡が取れません。自分たちだけで何が出来るか、必死で考えます。そしてユキの発案で梃の原理で小久保が下敷きになっている鉄骨をどけ、ユキが助けを呼びに行く、ということになります。秋月はユキのテキパキとした指示を聞いて、「何かあいつ、変わったな」と言います。ユキが指令の北条のところにたどりついたとたん、流れ出ていたガソリンに火花で引火し、乗用車が炎上してしまって、周りの車にも爆発・引火し、最悪の事態に。もう応援は期待出来ない、という事態になり、ユキは大急ぎで小久保の元に駆け戻ります。

32話。次々と車両に引火して炎上が拡大する中、北条からは退避の指示が飛びます。駆け戻ったユキはジャッキで鉄柱を浮かせることを提案し、爆発の中で耐えながら三人で小久保を引っ張り出すことに成功します。そして三人で小久保の身体を抱えて走り続ける中、ついにトラックも炎上爆発してしまいます。

33話。吹き飛ばされた4人ですが、なんとか小久保を救出し、救急車に乗せるところまで持っていくことがで来ました。3人は北条の元に報告に行き、勝手に行動したことを謝りますが、北条は3人に「よく頑張ったわね」とねぎらいます。「自分たちの行動が限られた中、迅速かつ効果的に救助活動が出来た。感謝するわ、岩倉、沢口、秋月。小久保を助けてくれてありがとう!」と。

怪我の処置を終えた三人は大隊長に呼ばれます。最初に炎上した車に連れて行った大隊長は、「今回の事故で亡くなった方の車。小久保はそれの一部始終を見ていた。一生忘れられない光景を脳に焼き付けたんだな。仕事上避けては通れないことだろうが、やはり命を救えなかった現実はキツいものさ」と小久保に同情します。

「でもな、亡くなられた方の炎の中の恐怖や苦痛は、おそらく俺達の想像をはるかに超えているよ」と言って、自分の新人時代の話をします。住宅火災の鎮火後に住人の遺体を発見したとき、先輩の消防士が「きれいな水もってこい」と言って、おもむろに焼け焦げた遺体を拭き始めたというのです。

「いたたまれないな。この方は火事で焼かれて、この後火葬場でまた焼かれるんだ。身体を二度も焼かれるなんてこんな酷いことないよな。せめてちょっとでもきれいにしてあげよう」と。

この話は凄く印象に残りました。火事で焼け死んだ人は、二度焼かれることになる。確かにそうなのですが、人命救助を仕事とする人にとってそのことは、本当に辛いことなのだろうと思ったのです。

大隊長は、「現場で死者が出るたびに、やりきれない気持ちになるが、この無念は決して忘れちゃいけないことだと思う。それを小久保は、お前らより一足先に経験したんだよ」と言います。「この仕事辛いこともあるが、それでも命を救えるってことはやっぱり素晴らしいよ!」と。

ここは本当に感動しました。本当に大変な仕事だと思いますし、それが出来なかったときの無念も大変なものだと思いますが、それだけに迷いなく、人命救助に突き進み、それを実現出来たときの本質的な喜びは、素晴らしいものだと思います。

どんな仕事でも、やはり自分の仕事の意義を感じるからこそさらにそれに精進しようと思うわけですが、消防士の仕事は常に人命救助というその仕事の本質と隣り合わせに行動しているだけに、一切の迷いが許されない、しかしそれだけに純粋に意義のある仕事なんだなと思うのでした。

話の展開上、選択としてはユキ自身が遺体を目撃してしまうと言う展開も考えられないことはないわけですが、むしろ優等生である小久保が目撃して動揺してしまう、という方がリアリティがあり、またユキの成長も描ける、と言うことはあったかもしれません。ユキが目撃してしまったら小久保より酷いことになったかな?そうかもしれないし、そうでないかもしれません。

でも大隊長の言葉をユキがかみしめるには、こういう展開が最も良かったのかな、と思います。何話もかけて、このエピソードを持ってくる、それだけの内容のある話だったと思いますし、また高速道路上での玉突き事故のもつ最大限の危険性と言うものも、よくわかりました。大事故、大惨事はちょっとしたきっかけで起こる、と言うことも。そして何より、現場に携わるものは冷静さを失ってはいけない、と言うことも。

北条も、動揺している小久保に無線機を持たせる、つまり研修生たちのリーダーとしての責任を持たせたことに後悔していたのかもしれません。そして、ユキの意外な強さを再発見したのかもしれませんね。

事故の悲惨さ、崇高な使命、そして主人公の成長と、全てが表現された、素晴らしい作品だと思いました!
スポンサーサイト

*Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

Menu

プロフィール

Author:kous377
FC2ブログへようこそ!

最新記事

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR