個人的な感想です。

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吟鳥子さんの「アンの世界地図」第1巻・第2巻を読みました!


アンの世界地図~It’s a small world~ 1 (ボニータ・コミックス)アンの世界地図~It’s a small world~ 1 (ボニータ・コミックス)
(2014/04/11)
吟鳥子

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吟鳥子さんの「アンの世界地図」第1巻・第2巻を読みました!

「ミステリー・ボニータ」で連載されている「アンの世界地図」。私はいままで読んだことなかったのですが、とても面白く、一気に2巻まで読み切ってしまいました。

主人公は、ゴスロリの少女・アン、16歳。東京で母親と二人暮らしですが、母親はアルコール依存症でほとんど子育て放棄された状態。家はゴミ屋敷。アンはゴスロリの衣裳を「戦闘服」として身を固め、家の外に「出撃」し、コンビニやスーパーで値引きされた弁当を買ってきて食べています。店員たちの間でついたあだ名が「値引きのロリータ」。この辺りですでに面白いに決まっている、という感じがしてきます。

しかしアンはバイト代三ヶ月分をつぎ込んだ大切な衣裳を酔っぱらった母親に滅茶苦茶にされ、「私の人生はこんな筈じゃない」と思って家出します。アンは10年前に徳島の祖母からもらったハガキだけをたよりにフェリーに乗って徳島へ行くのですが、大事なハガキを落としてしまい、行き場所を失って呆然としてしまいます。

もはや神頼みしかない、と案内してもらった先は教会ではなく神社で、サルに襲われて困っているところを和服をきた一人の少女(?)・アキに救われ、それから奇妙な同居生活が始まります。

アキは江戸時代に建てられた古い大きな家にひとりで住み、つつましやかに、しかし自然のめぐみを生かした、「おばあちゃんの知恵」を生かしたような生活を送っていました。炊事、洗濯、裁縫、掃除、何でも出来て、神社で巫女さんとして働いてもいます。そしてお金のないアンを近所の農家で働かせてもらったりするうちに、アンの心もだんだん変化して行く、というお話です。

こうして書いてみるとちょっと重苦しい感じがしますが、絵柄が華やかで、また徳島の古い民家も東京の狭いアパートのゴミ屋敷も、よく書き込まれてきれいですし、話の展開が「夢見る少女の読むマンガ」っぽく、アンリアルな感じはないわけではないけれど基本的に少女マンガのお約束にそったお話だと言っていいと思います。

そして和服姿のアキがカッコいい。同じ年頃なのですけど、どうもいろいろと秘密がありそう。ドイツ人の血を引いているというのも最初は意味が分からなかったのですが、第一次世界大戦のときに中国でドイツと戦った日本軍によって捕虜にされた人たちが収容されていた板東俘虜収容所との関係が出てきて、なるほど徳島の歴史に根付いた話なんだと改めて感心しました。

もともとこの話を読もうと思ったのは、ツイッターで作者の吟鳥子さんの以下のツイートを読んだからなんですね。

「新人の作家さんに「どうやって物語を作るのですか」と聞かれたので、「興味のある題材を見つけたら、とりあえずそれに関連する書籍を10万円分くらい買って読む」と答えたらドン引きされた>< でも、司馬遼太郎は神田の古書街に行ってはトラック2台分ほど本を買って帰ったって聞くじゃないですか…」 @gintoriko

これは凄い。(笑)それだけ書籍を読み込んで作品を構想するなら、その作品は面白いに決まっている。そう思って一体どんな作品を描かれているのかも知らずに読んでみたのですが、やはり予想に違わず面白かったです。

今年出会った作品の中で一番面白いと思ったのが雲田はるこさんの「昭和元禄落語心中」なのですが、「落語心中」は大人向けの作品という感じである一方、こちらの「アンの世界地図」は少女マンガで、また違った感じで面白くはあるけれど、両作品とも非常に良く調べられ、よく構成されて描かれているというところが共通しているなと思いました。

そして、梨農家に働きに行くとき、モンペで働け、と言われたのにアキが作ってくれたボンネットにマリ=アントワネット風の農村ドレスで現れる可笑しさ。アキは、アンがゴスロリを「戦闘服」にしていて、そういう服装でないと自分が自分でなくなってしまう、というアンに徹夜で手縫いで作ってくれたものなんですね。ギャグにもちゃんと背景があって、凄く考えて描いているのだなあと感心させられました。

第2巻の後半12話からは過去編、ドイツ人収容所編に入って行って、2巻ではまだ終わっていませんでした。そんなに長い話ではないのかなと思って読み始めたのですが、これは結構長い話になりそうだな、と思います。

少女マンガでも、私が読んで面白いと思う作品はいろいろあるのだなと思うとともに、「落語心中」も「アンの世界地図」にも出会わせてくれた、ツイッターの威力というのは凄い物だなと改めて思ったのでした。

第3巻以降も楽しみにしたいと思います!
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