個人的な感想です。

マンガ・アニメの感想を書いていきます。『進撃の巨人』『ぼくらのへんたい』『ランドリオール』など。

松井優征さんの「暗殺教室」を一気読みしました!

暗殺教室 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
松井優征
集英社


松井優征さんの『暗殺教室』第1巻〜第15巻、およびジャンプ連載19号(134話)〜32号(146話・最新話)までを読みました!

松井優征さんの『暗殺教室』、以前から「このマンガがすごい! 2014」で第1位になるなど、知ってはいたのですが、きちんと読んでいませんでした。「One Piece」を読むためにジャンプを読み始めてからはちらちらと読んではいたのですが、まとめて読んだことはありませんでした。

しかし、ここに来て大詰めの展開になってきていて、とても面白く、スリリングなので、1巻から読んでみようと思ったのです。単行本で読もうかと思ったのですが既刊15巻だということは書棚でもかなりのボリュームになるため、結局Kindleで読むことにしました。

読み始めてみると面白く、開いている時間ずっと読み続け、昨日から今日にかけて全話読み切ることになりました。

最初は、学校を舞台にしていること、「暗殺を通じての教師と生徒とのつながり」という何だかわからない設定、「教師と生徒、標的と暗殺者の異常な日常が始まる」という物騒なアオリなどを見て読む気が起きなかったのですが、読んでみると非常にまともなマンガなのですよね。

学校というものをテーマにしたマンガは古くからいろいろありましたが、この作品が一番真っ当だと思いますし、逆にいえば、「教師と生徒が標的と暗殺者の関係」何て言う極端な関係を設定しないと、学校とは、とか教育とは、ということを、正面から論じることはマンガの文脈では難しい、ということなんだなということを改めて思いました。

そして逆にそういう設定の力で、マンガにおいて教育を真正面から堂々と論じることが出来るのだな、ということも思いました。

一番最初にとても感動したのは5巻の42話。主人公、と言うか最も話の進行役として出て来る小柄な、むしろ女性的な少年・潮田渚が、自衛隊空挺部隊の猛者・鷹岡に自然体で笑顔で近づき、いきなり殺気を漲らせて動きを封じ、とどめを刺す(実際には寸止めですが)のを見て、鷹岡の先輩でありE組の(副)担任でもある烏間が、迷いを感じるのですね。「戦闘の才能でも暴力の才能でもない、暗殺の才能!これは咲かせても良い才能なのか!?」と。

殺せんせー(主人公のマッハ20の超生物・それだけじゃ読んでない人には何だかわかりませんが・笑)は「いい教師は迷うものです。本当に自分はベストの答えを教えているのか。内心は散々迷いながら、生徒の前では毅然として教えなくては行けない。決して迷いを悟られないようにね。だからこそカッコいいんです。先生っていう職業は」というのですね。

このセリフは、一度でも人にものを教えるという仕事をしたことがある人には、本当にぐっと来るセリフだと思います。「だからこそカッコいいんです、先生っていう職業は」ということばに、すごく救われる人も多いんじゃないでしょうか。この作者さんは、本当にわかっているなあとここまで読んだときに思いました。

それから7巻54話。E組で一番頭の良いが余裕でトップを取るという気持ちで期末テストに臨んだ赤羽業(カルマ)が、結局学年13位と惨敗。そのカルマに近づいた殺せんせーは、「恥ずかしいですね〜。「余裕で勝つ俺カッコいい」とか思ってたでしょ」と意地悪な顔でいい、カルマはボッと顔を赤らめます。「やるべきときにやるべきことをやれないものは、この教室では存在感をなくして行く。刃を研ぐのを怠ったキミは暗殺者じゃない。錆びた刃を自慢げに掲げたただのガキです」といじりますが、赤い顔をしたカルマは反論出来ません。滅多に見せないこのカルマの顔は、かわいいです。(笑)

で、本題。「彼は多くの才能に恵まれている。だが力あるものはえてして未熟者です。本気でなくても勝ち続けてしまうために、本当の勝負を知らずに育つ危険がある。大きな才能は、負ける悔しさを早めに知れば大きく伸びます。テストとは、勝敗の意味を、強弱の意味を、正しく教えるチャンスなのです」と。

これは、耳の痛い人も多いのではないでしょうか。まあ、このセリフを敢えて書いているということは、私自身も耳が痛いということなんですが。(笑)

この作者さん、本当にわかっている人だなあ、とこういうところで思います。

大きなイベントがときどき組み込まれているのもいいですね。最初は2巻から3巻にかけての修学旅行、拉致られた女子をカルマや渚が取り返しに行くところはすっとします。4巻から5巻にかけての球技大会、7巻から9巻にかけての沖縄離島リゾートの合宿、11巻の体育祭棒倒し、12巻から13巻の「死神」編、13巻から14巻にかけての文化祭編、そして15巻のまさかの茅野。現在は、殺せんせーの真実を知った生徒たちが殺せんせーを本当に暗殺するのか、それとも助ける方法を探るのかをめぐって模擬戦闘を行っているところ。ここでカルマと渚の二大主役の本質が何かわかりそうでドキドキしています。

この中でも一番面白かったのは、一番ボリューム的にも多い沖縄リゾートのくだりですね。次々と登場する「大人の殺し屋」の本領発揮の中で、切れた渚が鷹岡に挑もうとしたところを寺坂に止められ、冷静さを取り戻して、ロヴロに伝授された「必殺技」で鷹岡を倒すところでした。

やはりキャラクターとして一番魅力があるのは、私に取っては渚だなあと思います。次がカルマとカヤノでしょうね。

それにしても、この話は生徒28人のキャラがみんなたっている、あるいは立っている気がするところがすごいなあと思います。そして読んでいるうちに気がついたのですが、生徒の名前は皆「忠臣蔵」から取っているのですね。一番わかりやすいのが堀部イトナでしたが、よく見ると不破優月とか寺坂竜馬、原寿美鈴など忠臣蔵の登場人物(つまり赤穂浪士、四十七士)の名字が使われていることがわかります。赤羽カルマは誰からなのかと思ったら赤垣源蔵なのですね。赤垣は赤埴(あかはに)ともかくのでそれを少し変えたということのようです。

こういう集団劇でひとりひとりのネーミングは、主役になるときもあり、モブになるときもあり、という感じなので名前の付け方が難しいと思うのですが、実在の集団、もしくは出典のある集団を借用するというのはいい手だなと思います。ある意味源氏名(源氏物語の帖名から借用する)の考え方と似ているように思いますが。関係ない人には関係ない話ですが、わかる人にはちょっと面白いですよね。ちなみに校長が浅野内匠頭の浅野、殺せんせーを超生物にし月を破壊した黒幕の科学者の名が柳沢吉保の柳沢から取られているのもなるほどという感じ。殺せんせーは四十七士に殺される吉良上野介を意識しているのかも、知れません。

そんなこんなでいろいろ楽しめる作品でした。Kindle1に入れたので、また時間のあるときにiPad1で読めますし、読み返しているうちに発見もある気がします。

ということで、すごく印象に残る、いい作品でした!
スポンサーサイト

*Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

Menu

プロフィール

Author:kous377
FC2ブログへようこそ!

最新記事

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR