個人的な感想です。

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原泰久さんの「キングダム」第464話「焦れの限界」を読みました。ストーリー作りのお手本かと。

きょうも短めに。

ヤングジャンプ13号で原泰久さんの「キングダム」第464話「焦れの限界」を読みました。面白かったです。

キングダム 41 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
原泰久
集英社


「キングダム」は青年誌「ヤングジャンプ」の週刊連載。週刊連載の一回ごとのページ数は、例えば「モーニング」なら20ページですが、「ヤングジャンプ」は19ページが基本。左ページから始まって左ページで終わる、というパターンです。月刊連載に慣れるとこのページ数は短いですし、またストーリが緻密な話だと1週で結構進むのですが、戦闘場面などの描写が多い「キングダム」ではそんなに話は進みません。

でもやはり週刊連載である以上、その回のキリの場面と、次の週へのヒキというのは必ず必要なわけで、そうなると単行本で見た時にかなり短い周期で「ちょっとした盛り上がり」が来ることになるわけです。

「キングダム」を読んでいて思ったのは、そういう週刊連載らしいマンガの構成の仕方が、凄く分かりやすく現れているなということでした。

463話「離眼の悲劇」では飛信隊の副長であり三千人隊を率いる羌瘣(きょうかい)が黒羊の森の中で村人の老婆に助けられ、趙軍の離眼の主・紀彗について話を聞くという展開でしたが、ラストのナレーションで「この黒羊最大の激戦日となる四日目の朝焼けは血のように赤かったという・・・その主戦場となるのは紀彗軍の陣地である」と次週の展開を予告しています。

この次週の展開予告をラストに入れる、というのは「キングダム」によく見られるヒキの手法ですが、入り組んだストーリーが長く続いている時、次週も読みたいと思わせる工夫の一つですね。どちらかという間奏的な展開が続いたり、過去の話が続いたりすると、メインストーリーを追って来た読者が少し焦れるということはありますから、「来週はメインに戻るよ!」と予告することで読者の気合を入れると言うか、期待を高まらせるわけですね。

この手法、こんなにはっきり頻繁に使っている作品は「キングダム」が初めてではないかという気がします。気になる人もいるのではないかという気はしますが、私はメリハリの付け方として、これも有効な方法だなと思いました。

そして464話。飛信隊は3日目に絶好のポジションを取り、主軍である桓騎軍に絶好の攻撃機会を与えたわけですが、桓騎はなぜか動かず、飛信隊の軍師・河了貂を激怒させます。その結果趙軍に後ろを取られてしまった飛信隊に、4日目の早朝、桓騎から来た伝令は「この場に踏みとどまれ」とのこと。体調の信は怒りをあらわにしますが、河了貂は逆に落ち着いてこの場にいた方がいい、と言います。後ろの敵に対しては援軍を送ると言う桓騎の言葉に、「信用していいの?」と聞く河了貂。伝令は「さァな」と答えます。

これは酷い。(笑)

しかしまあ昨日のこともあって、一筋縄ではいかない相手ではあるが、「無駄なことはキライだ」という桓騎をある意味信頼したのか、河了貂は「ぎりぎりまで踏みとどまるが昼までが限界だ。その気があるなら昼までに送るように伝えといて」と言います。伝令は「・・・心得た」と答える。

河了貂、強くなったなあと思いますし、多分その信頼のようなものも伝令には伝わったように感じられます。このあたり、地味に胸熱です。大人マンガは、こういうところがいいですよね。

そして36-7ページの見開きで、趙軍の慶舎・紀彗、秦軍の飛信隊・信、そして各軍の幹部、そして桓騎がそれぞれアップにされていて、「運命の黒羊戦 四日目」と来て、次のページをめくると、「開戦」となって戦いが始まります。

しかし、戦っているのは飛信隊と、それに攻め寄せる後ろから来た趙の馬呈軍・劉冬軍。桓騎軍は動きません。じりじりし始めた時、一番焦れたのが、なんと趙軍を率いる慶舎自身でした。

ここがなるほど、という感じなんですよね。慶舎は本能的な将軍であり、何か敵の動きを見たらまるで蜘蛛のように網を張って敵を退治して行く。しかし、相手が動かなければ動けない。それを見透かしたのか、桓騎はいつまでたっても動かない。そしてついに、「右腕」である飛信隊を皆殺しにして動けなくしてやる、と総攻撃に出るわけです。焦る信ですが、桓騎の口元には笑みが。というところで今週はここまで。

これは上手い。何しろ慶舎はここまで本当に得体の知れない将軍として描かれてきましたから、ここで桓騎の策にはまる(だろう)ことで桓騎の底知れぬ強さの一端が描かれるだろう、という期待が一気に高まりました。

それで、3日目に行動を起こさなかった理由も、きっと明らかになるんだろうなと思わせるわけです。

しかし、ここで先週の予告が生きて来る。「その主戦場となるのは紀彗軍の陣地である」と言っているわけですからね。先週に、その強さの秘密が明らかにされた紀彗。その左軍、劉冬軍と飛信隊は戦っているわけですが、ここに慶舎が突入、ということはこの紀彗軍と対している桓騎軍の黒桜群などが動いて、大きな動きになることは予想出来るわけですね。かなりの激しい、決定的な戦いになりそうです。

キングダム、いままでキャラクターの魅力やストーリーの魅力で読んで来た感じですが、週刊連載で読むと随所に読者の興味を引きつける工夫がなされていることが分かって、凄く面白いです。マンガを描こうと志す人だけでなく、ストーリー作りに興味のある人も、とても参考になる作品だと思うのでした。
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