個人的な感想です。

マンガ・アニメの感想を書いていきます。『進撃の巨人』『ぼくらのへんたい』『ランドリオール』など。

山岸凉子『日出処の天子』:いきなり最初のページから「このマンガは絶対面白い」と確信させられた。






しばらく、以前に書いたマンガの感想をこちらのブログにも載せていきたいと思います。まず、4回に分けて山岸凉子さんの『日出処の天子』の感想を書きます。



元のブログはこちら
の方になりますので、よろしければそちらもどうぞ。



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いきなり最初のページから「このマンガは絶対面白い」と確信させられた。



第1巻の、12ページの刀自古郎女の登場。古代史にいきなりこのおきゃんな(死語)娘。もうこれは明らかに描きたいように描いている。今4巻の途中まで読んだが、この作品の持つパワーと影響、無自覚に世の中を変えてしまったフィクションの恐ろしい力のようなもののことを考えると全く戦慄する。




しかし、もう何より理屈はすべて置いておいてもこの作品は滅法面白い。歴史をある程度知っている人間がこの作品を読むと、史実の処理の巧みさに舌を巻く。今このときのはじめてこの作品を読める自分は幸せだと思う。やはりニュートラルな感覚が活性化しているときでないと、こういう問題作は十分楽しめない。今このときにこの作品を読める幸せをかみ締める。生きててよかったと思う。




荒俣弘が1巻の解説で少女漫画の「可能性としてのメディア」としての性格が存分に発揮された、80年代のマンガの黄金時代のトップランナーであることを述べているが、「可能性としてのメディア」というのはいい言葉だなと思う。実験的な作品をどんどん成功させていく、マンガ界全体が持っていたパワーが、この作品には溢れている。高野文子も諸星大二郎も、つまりメジャーもマイナーも、この時代の漫画はとにかくどれもこれも面白かった。




少年漫画は70年代に裸と幼児化により、少女漫画は90年代にセックスと変態のおかげで退廃化していった、という荒俣の分析には激しく同意する。退廃に抗っていまなお『テレプシコーラ』など孤高の作品を生み出し続ける山岸涼子の力は凄い。



(もとになる文章は2009年に書いたものです。)








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