個人的な感想です。

マンガ・アニメの感想を書いていきます。『進撃の巨人』『ぼくらのへんたい』『ランドリオール』など。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ふみふみこさんの『めめんと森』を読みました。「殺すぞ」という言葉が愛の言葉になるお話でした。

めめんと森 (フィールコミックス) (Feelコミックス)/祥伝社
¥700
Amazon.co.jp


ふみふみこさんの作品はどれも面白いのですが、文体というか作風はどんどん読みやすく、受け入れやすくなっているなあと思います。この作品も一気に読めました。


『ぼくらのへんたい』もそうですが、ふみさんは性的マイノリティを作品に登場させることが多いのですが、でもそれぞれが全然「普通の人」としてその場に生きてる様を描いているのですね。偏見との戦い、というのがこういう作品のテーマになりやすいわけですが、その部分は極力少なくして、人間としてどう感じどう生きているのか、セクシュアリティが類型的でない分、すごく新鮮ですごくどきどきします。


「作家性のある作品」というのはすごく好きなのですが、それはつまり「トラウマに残るような」作品なのかな、と思います。(『進撃の巨人』の作者、諫山創さんがそういうことを言っていました。)ふみさんの作品にはそういうものを書こうとする意志があると思います。


このストーリーでは、主人公の「めめ」が首を締められたり支配されたりすることで喜ぶ性癖を持っています。それが原因で付き合っている男の人ととうまくいかないのですが、葬儀会社の上司である黒川さんは、『進撃の巨人』のリヴァイ兵長を思い起こさせるような言葉の暴力の男でした。


でもめめは、「殺すぞ」と言われたり首を締められたりして胸がきゅんとします。そこで黒川が本来持っていた性癖が華を開かせるという、そういう話なのですが、こういう話は昔なら『SMスナイパー』などでそういう御同好の士の皆様方の間で読まれるような話だったわけです。


でもそうなると必然的にハードなものにならざるを得ませんし、類型化もされてしまいます。この話は、全然そういうところに陥らず、「ハートフルな胸きゅんストーリー」(と言っては言いすぎか)で展開していくところが、すごく新しいと思いました。(笑)


人間というものは、性的な事柄がすごく大切な人とそうでもない人がいると思うのですが、そうでもないと思っている人でも、意識ではそうでも無意識的にとか肉体的にとかでそういうことが、実は大切だったりすることがあります。そうなるためには気づきが必要なわけですが、そういう意味で言えばこの物語はめめによる黒川の気づきの物語であった、といえるかもしれません。


「殺すぞ」という言葉が愛の言葉になるという秘密の関係があるということが、愛というものの底知れぬ深さの一端を現しているんだなあと思います。読後感を含めて、とてもよかったです。

スポンサーサイト

*Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

Menu

プロフィール

kous377

Author:kous377
FC2ブログへようこそ!

最新記事

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。